ミニメロン作品

妖恋記
〜男たちの知らない巫女〜

四 選択
 櫓の女が打ち鳴らす鐘の音が響く中、民家の屋根の畑では女たちが逃げ惑っていた。
 夕日に赤く染まった空に漂う無数の紐のような物体が、村に近付くにつれ、その不気味な姿を明らかにする。
 それは大蛇の群であった。
 足をいくつも持つもの、足の先に無数の目を持つもの、頭をいくつも持つもの。
 様々な不気味な姿をした大蛇が、村に一世に押し寄せて来る。
「妖怪だ! 妖怪どもがやって来たぞ!」
「どんどん増えてるわ」
「みんな早く安全な場所へ避難を!」
 口々に叫びながら屋根の降り口に向かう女たち。路地でもまた避難場所を求める人々が走り回っている。
 村長の屋敷の屋根では、菖蒲と菫が弓を構えていた。大蛇の群に向けて矢を射る二人の巫女。
 矢は村人を襲おうとしている大蛇に命中し、それらの身体を切り裂く。
 だが倒しても倒しても、大蛇の数はますます増えるばかり。すでに空は、大蛇の大群で埋めつくされていた。
「だめだ。これでは矢がいくらあっても足りぬ」
「このままでは村が……」
 菖蒲と菫が呟いた時、大蛇の群に向かって青い光が走った。矢尻が青い炎に包まれた一本の矢。
 その炎は妖怪の群の中心で激しく燃え上がり、空を埋め尽くす炎の海となって、大蛇の群を一気に飲み込んだ。
「鈴音さま」
 村を救った救世主に声をかける菖蒲。その声は、目の前でまざままと見せつけられた霊力の凄まじさに震えていた。
 そして眼下の路地で空を見上げる村人たちも、見知らぬ巫女の霊力に驚きを隠せずにいた。

「すごいわ」
「あれほど多くの妖怪をたった一撃で……」
「でもなぜ妖怪がこの村に?」
「やはり、生け贄になられるはずだった姫さまがお戻りになられた事と関係が?」
 旅の巫女の霊力に対する村人の感嘆の声が、生け贄の姫に対する非難の声に変わって行く。
 その声は、自室の窓辺で空を見上げていた揚羽の耳にも届いていた。
 揚羽と共に空を眺めていた冬華が揚羽に顔を向け、口を開いた。
「生け贄となる事をそなたが拒むなら、やはり我々にとって彼女は必要じゃ。そなたが自らの役目を果たさぬ限り、彼女もまた自らの役目を果たす事はかなわぬ」
 冬華の言うとおり、鈴音には役目がある。それは、ある人物を探し出す事。そのために何年もの間、山の森を旅して来たのだ。
 だが、千手妖華の加護を失った今、鈴音が村を出ていけば、もはや村を守る事のできる者はいない。
「ここに留まるよう彼女を説得するか、あるいは生け贄として再びあの湖へ赴くか。どちらを選ぶかはそなた次第じゃ。よく考えて決めるがよい」
 ここに留まるよう彼女を説得……。
 冬華の言葉を心の中で繰り返す揚羽。
 できる事なら揚羽もそうしたかった。鈴音には、自分と共にこの村に留まってほしかった。
 今朝の自分であれば、揚羽は迷わず村に留まるよう鈴音を説得する事を選んだであろう。だが今の揚羽には、鈴音をこの村に引き留めておく事はできない。
 鈴音を引き留めて、村が守られ自分が幸せになったとしても、鈴音が幸せになれるわけではないのだから。
 揚羽は意を決して口を開いた。
「私は……」

 鈴音が屋敷に戻った時には、すでに日が沈み、辺りは暗くなっていた。
 揚羽の姿が見えないので、もしや妖怪に拐われたのかと冬華に尋ねると、千手妖華の湖へ向かったの返事が返って来た。
「揚羽どのが再びあの湖へ? そなたたちはまだ因習を続けるおつもりか」
「さきほどの妖怪どもの奇襲は千手妖華の力が衰えた事によるものじゃ」
 因習への怒りに震える鈴音に対し、冬華の口調は驚くほど落ち着いていた。その自信に満ちた態度が、鈴音の苛立ちを募らせる。
「村の周りには結界を張った。あのような化け物に頼らずとも、さきほどのような事にはならぬ」
「永久にというわけではあるまい。そなたがここを立ち去り結界が弱まれば、再び襲って来よう。それに、これは彼女が自らの意志で決めた事なのじゃ」
 冬華の言葉に、鈴音は目を見開いた。
「何だって? それはまことか?」
「彼女は自分の役目を果たしに行ったのじゃ。お主とて、今まで山の中を旅してきたのは、それなりの目的、あるいは果たすべき使命に従っての事であろう。揚羽もまた、自らのそれを果たしに行ったのじゃ」
 鈴音は冬華の言葉を最後まで聞かず、部屋を飛び出していた。村の因習に従い、あの化け物に身を捧げる。本当にそれが彼女の望む事なのか、本人に直接確かめたかった。

「今度こそ本当にお別れね。村のみんなとも、鈴音さまとも」
 揚羽は月の光に照らされ穏やかに輝く湖面を見つめながら呟いた。
 服を脱ぎ、湖に入ろうとした揚羽の手を、突然誰かに握られた。
「待つのだ、揚羽どの」
「鈴音さま」
 突然現れた鈴音に、揚羽は驚きを隠せなかった。
「ここにいてはいけない。早く村へ戻ろう」
 鈴音の言葉に、揚羽は視線を落とした。
「ごめんなさい、鈴音さま。せっかく助けて頂いたというのに。けれども私の居場所はもう、あの村にはないのです」
「そのような事はない。二人でもう一度、冬華どのを説得してみよう」
 揚羽は再び顔を上げた。しかしその顔は、悲しみに満ち溢れていた。
「鈴音さまはどうして、そこまでして私を引き止めようとするのですか」
「それは、そなたが心配だから……」
「そんなはずはありません。鈴音さまは村の因習が気に入らないだけ。そして、鈴音さまが本当に心配なのは、毬藻……」
 揚羽の言葉に、鈴音は目を見開いた。
「そなた、どうしてその名を……」
「さきほどうなされてらした時、しきりに叫ばれてました」
 湖の中央に上がった水飛沫が静寂を破り、辺りは赤い光に照らされている。
 鈴音はどうしていいか分からず、ただ呆然と揚羽の顔を見つめていた。
「やはり私の居場所はもうどこにもないのです。あの村にも、そして、鈴音さまの心にも……」
 揚羽は赤い光の中で悲しげに呟くと、湖に向かって走り出した。
「さようなら、鈴音さま」
 湖の中央にはすでに、赤い光を放つ凶々しい大蛇の群がのたうっている。
 その群の中から数本の触手が伸びて来る。
「待って、待つんだ」
 走り去る揚羽の方へ思わず手を伸ばす。その手に、湖から伸びて来た赤い触手が絡み付いた。
「くっ!」
「鈴音さま!」
 振り返った揚羽もまた、すでに裸身を触手に絡め取られていた。
「ちょうどよい。そなたがどうしても行くというなら、私もお供いたそう」
「そんな、鈴音さままで」
 二人は触手によって両手両足を広げた状態で拘束されたまま、たちまち湖の中央付近まで引き寄せられた。
 目の前には大蛇の群ののたうつ凶々しい光景が広がり、その中央に巨大な目が開き、二人を無遠慮に見つめている。
 その目を見据えて、揚羽が訴えた。
「千手妖華さま、聞いてください。あなたへの生け贄はこの私。あちらのお方は関係ないのです。放してあげて下さい」
 二人の心に直接響く、化け物の声が答えた。
『そういうわけには行かぬ。そちらの女子には昨晩世話になったからのぉ。たっぷりとお礼をして差し上げなければならぬ』
 揚羽の左右の太股に絡み付いてるそれぞれの触手の一部が盛り上がり、新たな触手となって伸び始めた。そしてそれは、手の形に変形した。
 それぞれの指先には、小さな刷毛のような細かな触手が生えている。
 その小さな触手のうちの二本は特に長く伸び、細かな毛に包まれた糸のようになっている。
『まずはそなたと共に昨日の続きでも始めるかのぉ』
 触手の指先に生えた毛が、揚羽の足の付け根に息づく花びらを撫でさする。
 敏感な花びらはたちまちほころび、奥から滴る恥ずかしい蜜に包まれる。
「ああっ、そこだめぇっ、ああぁぁっ」
 揚羽の恥ずかしい悲鳴に活気づいたかのように、触手の毛はさらに激しく蠢く。
 たちまち固く尖っためしべが震えながら鞘から顔を出す。そこを触手の毛が容赦なく撫でさする。
 身体を貫く凄まじい快感に、揚羽の身体が跳ねる。
 さらに、細く長く伸びた毛の一本が蜜の滴る奥へと侵入し、さらに別の一本が、固く尖っためしべのすぐそばに息づく秘めやかな出口から狭路の内部へと侵入する。
 侵入した毛が、それを包むさらに細かい毛を蠢かせ、敏感な襞の間の奥深くを、そして狭路の敏感な壁を撫でさすると、揚羽の身悶えはより一層激しくなった。
「鈴音さま、見ないで下さい。あっ、ああぁっ!」
 触手の破廉恥な悪戯によって送り込まれる変質的な快感に身悶えながら、揚羽はしきりに訴えた。
 凶々しい化け物に恥ずかしい声を上げている事がおぞましく、その姿を鈴音さまに見られている事が恥ずかしくてたまらなかった。
「揚羽どの……」
 触手の悪戯に身悶える揚羽を見つめながら鈴音が呟いた時、足の付け根に何かが触れた。
『そなたも同時に可愛がってしんぜよう』
 いつの間にか、鈴音の太股に絡み付いている触手からも、手の形をした触手が生え、鈴音の女の花園に指を伸ばしていた。
「なっ、何をする」
『下を穿かずに来るとは、まことにいい心掛けじゃのぉ』
 指先に這えた無数の毛が、鈴音の敏感な花びらを撫でさする。そこから送り込まれる凄まじい刺激に、鈴音の身体がガクガクと震える。
 妖怪の言葉どおり、鈴音は下に何もつけていなかった。昨日身につけていた緋袴は、自らの恥ずかしい水で濡らしてしまった後、村の二人の巫女の「もてなし」を受けた時に脱がされたままだったのだ。
『どうじゃ。くすぐられるのがここでは、くすぐったさに上げる笑い声も、その霊力は淫らな声に打ち消され、我が身を焼く事はできまい。勇ましい巫女さまと淑やかなお姫さまがここを悪戯されて上げる女子の声を、じっくりと堪能させて頂こう』
 妖怪の声と同時に、毛の蠢きが激しさを増す。
「くっ! んあぁっ!」
 耐え難い快感に鈴音は顔を歪め、激しい喘ぎ声を上げる。
『まことに素晴らしい声と表情よのぉ。昨日の勇ましさが嘘のようじゃ』
 触手の悪戯に固く尖り鞘から顔を出す敏感なめしべ。そこにもまた無数の毛が襲いかかり、激しく撫で回す。
 妖怪に指摘された事が恥ずかしくてたまらないが、激しさを増して行く変質的な快感に、淫らな声を抑える事ができない。
 花びらの奥から熱い蜜があふれ出し、触手の指を濡らして行く。
『さて、二人ともだいぶ濡れてきたようじゃな』
「あっ、ああぁっ!」
 女の恥ずかしい証を指摘されても、今の鈴音にはどうする事もできない。
『外側だけでは物足りなかろう。そろそろ内側も可愛がってしんぜよう』
 鈴音の花びらを悪戯していた毛の二本が長く伸び、片方が花びらの奥深くへ、もう片方がめしべのそばに息づく秘めやかな狭路の口へと侵入した。
「ああっ、そこは……」
 新たな変質的な刺激に目を見開く鈴音。
「あっ、ああぁぁっ!」
 鈴音は恥ずかしい悲鳴を必死に抑えようとするが、女の最も恥ずかしい部分の内側からの悪戯の変質的な刺激に、悲鳴はおさまるどころか激しさを増していく。
 それがたまらなく恥ずかしいのに、鈴音にはどうする事もできない。
「もうだめぇ、あそこが、あそこがどうにかなりそう。あっ、ああぁぁっ!」
 さきほどから女の部分を悪戯され続けていた揚羽が、かん高く恥ずかしい悲鳴を上げた。
「いやああああぁぁぁぁっ!」
「もうだめぇっ」
 同時に叫びながら、激しく身を震わせる鈴音と揚羽。
 二人の恥ずかしい部分から、黄金色に輝く熱き噴水が勢い良く迸り、触手と太股を濡らした。
 やがて二人の身体の震えがおさまった時、再び妖怪の声が聞こえた。
『二人とももう果てたか。だがまだまだこれからじゃ』
 揚羽の手足に絡み付いている触手から新たな触手が伸び、その先が人の手の形に変形し、揚羽の裸身のいたる所をくすぐり始めた。
「きゃはっ、きゃははっ!」
 腋の下や脇腹、足や太股、腰など、敏感な部分にはい回る触手の手。それらのくすぐりの刺激にたまらずかん高い笑い声を上げる揚羽。
『おしっこをもらすほどの快感を味わった後でこうされる気分はいかがじゃ』
「いやぁっ、くすぐったくてだめぇっ! あっ、ああっ!」
 揚羽の全身へのくすぐりに加え、女の恥ずかしい部分への悪戯が再開され、揚羽の笑い声に再び恥ずかしい悲鳴が混じる。
「揚羽どの……」
 全身から送り込まれる変質的な刺激に身悶え続ける揚羽を見つめながら呟いた鈴音に、新たな刺激が襲いかかった。
「ひゃっ、あうぅっ!」
 女の恥ずかしい部分を悪戯していた指先の毛が、再び激しく動き始めた。
 同時に、鈴音の手足に絡み付いていた触手からも手の形をした新たな触手が伸び、それらの指の先から長く伸びた毛が鈴音の全身を撫で回し始めた。
 服の中にも手が侵入し、いくつもの毛が胸の膨らみやお腹を這い回る。
『そなたの全身をくすぐるのは少々危険ではあるが、下と同時にこうすればいかがなものかのぉ』
 女の部分を悪戯する毛の動きが次第に激しくなって行く。同時に、全身を這い回る毛の動きも激しさを増して行く。
 女の最も敏感な部分を外側と内側から悪戯された上、全身のあらゆる敏感な箇所を撫で回されてはたまらない。
 鈴音の全身が再び激しく震え始めた。
 同時に揚羽の身体もまたガクガクと震えつづけている。
 やがて激しい快感の嵐に天の高みへと打ち上げられた鈴音と揚羽が同時にかん高い悲鳴を上げた。
「「あああああぁぁぁぁっ!」」
 ぷっしゃああぁぁぁ!
 触手に悪戯され続けていた二人の恥ずかしい花園の奥から、桃色に輝く恥ずかしい蜜の噴流が迸った。
『おしっこの次は塩を吹いたか。今度もまた二人同時とは、実に仲の良い事よのぉ。一度そなたたちの仲の良さをとくと拝見させてもらうとするかのぉ』
 妖怪の言葉と共に、二人の身体を拘束し続ける触手が、快感の津波の余韻に息を弾ませている揚羽を移動させ、その顔を鈴音の大きく開かされた太股の間へと当てがった。
『まずは姫君よ、目の前の勇ましい女子をとくと悦ばせてみるがよい』
 揚羽は目の前でしとどに濡れそぼる鈴音の花園を、つぶさに見つめた。
「揚羽どの……」
 鈴音の呟きに答えるかわりに、その部分に口づける揚羽。
 ――ここが鈴音さまの敏感な所……
「だめです。そなたのような方がさようなはしたない事をされては……」
 鈴音の声など意に介さず、口に含んだ敏感なめしべを味わうように舌先で転がす。
 やはり鈴音さまには醜悪な妖怪よりも、自分の舌と唇で気持ちよくなってほしい。
 女の花園のどこをどうすればどう感じるのか。菖蒲と菫に教え込まれたとおりに夢中で唇と舌を動かす揚羽。
 花びらの表と裏を丹念になめしゃぶり、再びめしべを唇に含んで舌先で転がしながらきつく吸い上げる。
 ほどなくして鈴音の身体が大きく震え始めた。
「あっ、ああぁっ!」
 ぷっしゃああああぁぁぁぁ!
 鈴音のかん高い悲鳴と同時に、花園の奥から蜜の噴流がほとばしり、揚羽の顔を叩いた。
『人間の唇と舌にすら、もう果ててしまったか。気丈な巫女よ』
 再び二人に絡み付いている触手が動いた。今度は鈴音の顔が、大きく開かされた揚羽の太股の付け根に当てがわれる。
「鈴音さま……」
 自分の恥ずかしい部分を見つめられ、恥ずかしげに呟く揚羽。
『次はそなたがお返しをする番じゃ。目の前の姫君をとくと悦ばせてみるがよい』
 鈴音は揚羽の濡れそぼった花園を唇に含んだ。
「そのような事をされては鈴音さまのお顔が汚れてしまいます」
 そう訴える揚羽の顔は、鈴音の恥ずかしい蜜でぐっしょりと濡れ光っている。揚羽を、怪物に悪戯されたままにしておく事はできない。自分の恥ずかしい証で汚したままにしておく事もできない。
 鈴音は唇に含んだ花びらの間に舌を差入れ、激しく動かした。
「ああっ、そこ、すごく良くて……」
 揚羽が身体を震わせながら恥ずかしい声を上げる。
 さきほど揚羽にされた時の事を思い出しながら、固く尖っためしべを唇に含む鈴音。
「もうだめぇっ、気持ちよくておかしくなりそう」
 敏感なめしべから凄まじい快感の波を送り込まれ、揚羽は舞い上がりそうになる。
「でも我慢しなきゃ鈴音さまのお顔が……」
 揚羽は自分を飲み込もうとする快感の波に必死に耐え続けた。
『今度はずいぶんと頑張るのぉ。それとも気丈な巫女さまはこのような事には慣れておらぬのか』
 妖怪の言うとおり、揚羽の村に来るまで女のそのような所をそのようにした事もされた事もなかった鈴音の唇と舌の動きで、これまで何度も菖蒲や菫に恥ずかしい悪戯をされてきた揚羽を点の高みへと導く事は、容易な事ではなかった。
『ならば我も協力してしんぜよう』
 揚羽の全身に絡み付いている触手から伸びた手が再び動き始めた。
「いやぁっ。そんな事されたら、私……」
 揚羽の言葉など意に介すはずもなく、手の中の二つが揚羽の胸の膨らみを掴んだ。激しく揉みしだきながら、先端の固く尖った蕾を指先の毛でくすぐる。
 同時に他の手が脇腹や腋の下をくすぐり、指先から伸びた何本もの毛が揚羽の裸身のあらゆる所を這い回る。
「きゃはははぁっ、くすぐったくてだめぇっ!」
 恥ずかしく敏感な花園をなめしゃぶられながら、胸の膨らみを悪戯され、全身をくすぐられてはたまらない。
 全身から送り込まれる妖しい刺激が揚羽の身体の中で融合し、巨大なうねりとなって揚羽を天の高みへと打ち上げる。
「もうだめ、もう……」
 足の裏をも触手の手がくすぐり、長く伸びた毛が這い回る。
 凄まじい快感の嵐に耐え続けていた所へ新たな刺激が加わり、揚羽はたまらず天の高みへと昇りつめた。
「ああああぁぁぁっ!」
 かん高い悲鳴を上げ、激しく身を震わせる揚羽。
『ようやくお返しができたようじゃな、気丈な巫女よ。だがその程度では毬藻を悦ばせるのは難しいであろうな』
 その言葉に、鈴音は目を見開いた。
「何だとっ! 毬藻を知っているのか?」
『知っておるとも。今は我が主のもとにおる。そなたたちもじきに会う事になるじゃろ』
 鈴音と揚羽の触手が再び動き始めた。手の形をした触手とそこから生えた無数の毛による悪戯が再開される。
『だがその前に、もうしばらくこのまま可愛がってしんぜよう。何しろあの娘は我が主によって女子の悦びの全てをたっぷりと教え込まれておるのじゃ。今のお前たちとはつり合わぬじゃろ』
「だめぇ、もうだめぇ! これ以上変な事されたらおかしくなっちゃう!」
「きゃはははぁ、くすぐったい! もうだめ、くすぐったいのだめぇっ! きゃはははは!」
 触手の蠢きによって全身に送り込まれる変質的な快感に、旅の巫女と生け贄の姫君はかん高い悲鳴を上げながら、なおも激しく身を捩り続けるのだった。


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