ミニメロン作品

お嬢様学園生活
第3部 学園生活

3-2 お手洗い
キーン・コーン・カーン・コーン……
授業を進める西原詩織先生の落ち着いた美しい声の流れを打ち破るかのように、1時間目の終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
「それでは、今日はここまで」
「起立!」
先生の授業終了の言葉と共に、再び元気のいい掛け声が教室に響く。
生徒たちは一斉に立ち上がる。
それは、女の子の部分に渾身の力を込めながら、その部分をこじ開けようとする恥かしい水の力に抵抗してきた美雪にとって、待ちに待った瞬間だった。
美雪は身体の動きが身の内で暴れる水の怒りに油を注がぬよう慎重に立ち上がった。
――もう少し、もう少しだから、頑張って!
執拗な責めに今にも屈服してしまいそうな女の子の部分を、心の中で必死に励ます。
「礼!」
美雪は他の生徒に合わせ、お辞儀を終えた。
先生が教室の出入り口に向かって歩き出した時、教室の中に物音と生徒たちの話し声が飛び交い始めた。
念願の休み時間がようやくやって来たのだ。
美雪にとって、休み時間というものがこれほど待ち遠しく思えた事は、今まで滅多にない事だった。
美雪はこの時を待ち続けていた目的の場所へ向かうため、恥かしい付け根をぴったりと閉じ合わせた足を慎重に動かし、飯島とすぐ後ろの机との間を通ろうとした。
しかし、飯島はそんな美雪の前に立ち塞がり、通せんぼを決め込んでた。
「美雪ちゃん、どこへ行くつもりなのかしら?」
美雪の動きに合わせて自分の立つ位置を意地悪く微妙に変えながら、飯島が聞いた。
「あの……私、ちょっと用があるんです。ですから、ここ、通して下さい……お願いします」
美雪は内側の水に執拗に責め嬲られ続ける恥かしい所の悲鳴に身を震わせながら、懇願した。
しかし悪戯っぽい笑みを浮かべた飯島は、さらに美雪を問い詰める。
「あら、それって、どんな用事かしら?」
「あの……ちょっと、トイレへ……」
か細い声で答えた美雪の耳元で、背後にいた相沢が囁く。
「美雪ちゃん、お嬢様がトイレなんて言葉を使っちゃダメよぉ。またお仕置きしなきゃならなくなっちゃうわ。あなたのようなお嬢様でも言えるように、日本語には別な言い方がちゃぁんとあるでしょ?」
美雪は相沢の両手が再び美雪の脇腹にあてがわれるのを感じ、一瞬身を震わせた。
「……私、お手洗いに行きたいんです」
その言葉に、飯島と相沢が妖しい期待に満ちた目を合わせた。
再び相沢が美雪に囁く。
「お手洗いっていう事は、もちろん手を洗いたかったのよね。お手洗いでお嬢様がしたいと思うことって、それくらいしかないものね」
――いいえ、そうじゃないの。あたし、オシッコがしたくてたまらないのよぉ!
美雪は大声でそう叫びたかった。
しかしそんな事をしたら、脇腹に当てられた相沢の手がどんなふうに動くことか。
「……はい」
美雪は思わずそう答えていた。
その時、聞き覚えのある声がすぐ近くで聞こえた。
「美雪ちゃん、さっきの朗読、とってもすごかったわよ。もっと聞かせてもらえないかしら」
声の方を振り向くと、葉月早苗が机に身を乗り出していた。
すぐ脇に神崎美香も立っている。
他の女子生徒も何名かいた。
いつの間にか、美雪の周りに数名の生徒たちが集まってきていたのだ。
「美雪ちゃんは今、手を洗いたいんだって」
飯島は集まってきていた女子生徒たちに言った。
「あ、そうか。やっぱりお嬢様はキレイ好きなんだ」
「あたしも見習わなきゃ」
そんな声が生徒たちの間から聞こえて来る。
「それじゃ、あたしたちが準備してあげる」
美香はそう言うと、早苗を連れて美雪の席から離れ、教室を出ていった。
準備をするとはどういう事なのか、美雪は一瞬疑問に思ったが、そんな事をいつまでも考え続けている余裕はなかった。
今朝保健室で飲まされた水には、利尿剤などは入っていなかったらしく、女の子の部分をこじ開けようとする力の加速は昨日ほどではなかったが、それでも飲まされてからかなり長い時間が経過している。
もう今にも漏れそうなのだ。
この休み時間にトイレに行っておかなければ、2時間目の終わりまでとうてい持ちこたえられる筈がない。
そして、この学園の先生が、お嬢様を授業中にトイレに行かせてくれるとも思えない。
何とかして今のうちにトイレに行かなければ……。
しかし、相沢や飯島をはじめ何人ものクラスメートたちに囲まれていては、なかなか動き出す事はできない。
「ねえねえ、それよりも、さっきの朗読、もう少し聞かせてよ」
「やあだ、あんたって、あんな物の朗読をまた聞きたいだなんて、エッチなんだ」
「あーっ、そういうあんたは聞きたくないのぉ?」
「全然聞きたくないって言えば、ウソになるかな」
美雪にとって恥かしくてたまらないさきほどの授業中の失敗を思い出させるそんな会話が周りで飛び交っている所へ、早くも美香と早苗が戻ってきた。
水が一杯に入った大きなペットボトルを美香が持ち、その後ろを歩く早苗は洗面器と石鹸箱を持っていた。
美香と早苗が美雪の前の机の上に、持ってきた物を置いた。
「これで手を洗えるわよね、美雪ちゃん」
「……そんな……」
美香の問いかけに、美雪はか細い声を上げた。
今や教室を出る理由がなくなり再び席に座らざるをえなくなった美雪は、洗面器の中へと手を差し出す。
美香が美雪の手にペットボトルの水をかける。
美雪の手の動きの遅いのを見た早苗が、その手を取った。
「あ、ごめん、お嬢様の手は私たちでキレイに洗ってあげなきゃいけないのよね」
早苗は机の上の石鹸箱から石鹸を取り出して美雪の手にこすり付けはじめた。
美雪の手が細かい泡にまんべんなく包まれた所で、早苗は石鹸を箱に戻し、美雪の手を自分の両手の指でこすり始めた。
「だ、だめぇっ!」
美雪は早苗の指の動きに思わず叫んだ。
泡に包まれた掌と手の甲の敏感な肌の表面に強くもなく弱くもない微妙な圧力をかけながらツルツルと滑る指が、くすぐったくてたまらない。
「私も手伝ってあげるわ」
美香が美雪の片方の手を取り、早苗と同じように洗いはじめた。
美雪の手を何本かの指で逃げないようにしっかりと押さえ、別な指を軽やかに這い回らせる早苗と美香の手の動きは、明らかに悪意を持ったものであった。
「ああっ、もう結構です。私、自分で洗いますから」
美雪は手の肌から送り込まれる妖しい感覚から逃れようとしたが、美香も早苗も認めようとしない。
「ダメよ。お嬢様は自分で手なんか洗わないのよ。あたしたちがキレイにしてあげなくちゃいけないの」
美香はそう言って、なおも指を動かし続ける。
早苗の指の動きも次第に激しさを増すと同時に、美雪の手の肌を悩ますコツを覚えはじめている。
その妖しく激しい手の感覚以外にも、美雪には耐えなければならないものがある。
美雪は足の付け根に力を込め続け、その力が決して抜けないようにと祈りながら、両手のくすぐったさに耐えていた。
汗で濡れ始めた顔は大きく歪み、目は堅く閉じられている。
これ以上誰かが美雪に何かをすれば、たちまち大声で叫んでしまいそうな状況だった。
「これくらいでいいんじゃないかしら」
「そうね」
休み時間が残り少なくなった所で、美香と早苗はようやく手洗いを終えようとしていた。
「洋子ちゃん、水をかけてちょうだい」
美香に言われて、飯島洋子はペットボトルの水を三人の手にかけた。
美香と早苗が美雪の手についた石鹸の泡を水に流す。
三人の手の泡がきれいに取れた所で、洋子はペットボトルを机の上に戻した。
中にはまだ水が半分以上入っている。
「濡れた手を拭かなきゃいけないわね。ハンカチを取ってあげる」
早苗は言うが早いか、美雪のスカートのポケットに無遠慮に手を入れた。
そして、ハンカチではなく、美雪の太腿を意地悪くまさぐった。
「きゃぁっ!」
美雪は不意に太腿を走る異様な感覚に悲鳴を上げた。
その瞬間、身体の内側で噴出の機会を待ち続けていた恥かしい力が隙ありとばかり女の子の部分に突進していた。
慌ててそのか弱い部分に力を込め直す美雪。
関門突破を目の前にして再び女の子に取り押さえられた水の力が激しく暴れる。
その恥かしい現場で助けを求めて甲高い悲鳴を上げる女の子の部分を、美雪は思わず両手で超ミニスカートの上からしっかりと押さえていた。
「やだぁ! 美雪ちゃんったら、スカートで手を拭いてる!」
「そんな恥かしい所を押さえちゃダメよぉ!」
美香と相沢が大声を上げた。
教室のあちこちで会話を楽しんでいた女子生徒たち全員の視線が、美雪と美雪をとりまく女子生徒たちに一瞬集まった。
しまった、と思った美雪であったが、内側からの不意打ちを受けた女の子の部分は、暴れる水の力と格闘しながらも激しい泣き声を上げながら、今にも崩れてしまいそうだった。
その女の子の部分を何とか持ちこたえさせ再び立て直すためには、両手の応援がどうしても必要だった。
女の子のか弱い力で懸命に締め付けている狭い関所を強引に広げて押し通ろうとする水の力が、その部分をジンジンと痺れさせ、美雪の全身を悩ませている。
「ちょっと、いつまで押さえてんのよ。早くその恥かしい所から手を離さないと、またお仕置きしちゃうわよ」
「そうよ、早く離しなさいよ」
飯島洋子と相沢は、それぞれ美雪の手を片方ずつ掴んで女の子の部分から引き剥がそうとする。
「だ、だめぇ、ちょっと待って!」
美雪は泣き叫ぶ女の子の部分から手が離れないよう必死に抵抗した。
不意に、美雪は異様な感覚が背中に蠢くのを感じ、悲鳴を上げた。
相沢と飯島がそれぞれ片手の指で美雪の背中をなで回しているのだ。
「お、お願い、ああっ、やめて……あたし……そこ……んぁっ……弱いの……」
得体の知れないうねりに引き込まれそうなゾクゾクする感覚に、美雪は身を震わせた。
女の子の部分に渾身の力を込め、その部分から意を決して離した手で、背中を這い回る手を追い払う。
その手が二人の手に当たった。
「痛い!」
「何すんのよ!」
相沢と飯島が悲鳴を上げ、払われた手をもう片方の手で撫でさすって見せた。
「あ、ご、ごめんなさい!」
美雪は反射的に謝罪の言葉を口にした。
女の子の部分は何とか立ち直り、再び暴れる水を食い止めている。
「美雪ちゃんったら、恥かしい所を手で押さえたり、そのお仕置きをしている人に暴力を振るったり、とってもお行儀が悪いのね」
美香が腕組みしながら言った時、2時間目の授業開始を告げるチャイムが鳴った。
それは、この休み時間のうちに、恥かしい場所で悲鳴を上げながら身悶えている女の子のか弱い部分を楽にしようと考えていた美雪にとって、絶望のチャイムであった。
「あ、授業が始まっちゃう。早く席に着かなきゃ」
美雪の周りに集まっていた生徒たちは、慌てて自分の席に戻っていった。
相沢と飯島洋子も自分の席に座る。
相沢は、目の前に置いてあるペットボトルを美雪の前に差し出した。
「美雪ちゃん、お行儀の悪い事した罰よ。先生が来る前に、この水を全部飲んじゃって」
「そ、そんな……」
美雪は相沢の両手の間で揺れるペットボトルの水面を、震える目で見つめた。
ペットボトルの半分以上を占める水は、今朝保健室で飲まされた水よりは少ないとはいえ、ただでさえ美雪の女の子の部分は内なる水の圧力にすでに悲鳴を上げているというのに、さらにこれほどの水分が身体の中の恥かしい敵に回ったらどうなる事か、考えるだけでも恐ろしい。
「さ、早く飲みなさいよ」
相沢は挑むような表情を崩さず美雪の方へペットボトルを押し付ける。
美雪はしぶしぶ両手でペットボトルを受け取った。
しかし、とても飲む気にはなれない。
何の変哲もない水が、今の美雪には悪魔のように感じられる。
美雪の女の子の部分の悲鳴が再び強くなった。
まるでそこを責め嬲る内側の恥かしい力が仲間の接近を察知し活気づいたかのようだ。
美雪は泣き叫んでいる部分に力を込め、きつく閉じ合わせた太腿の付け根で応援しつつ、手でペットボトルを持ったまま、どうする事もできなかった。
右の席の飯島が、美雪の耳元で囁いた。
「美雪ちゃん、どうしたの? 早く飲まないと先生が来ちゃうでしょ? それとも、先生が来れば飲まなくてよくなると思ってるのかしら?」
「そ、そんな事ありません」
図星を突かれた美雪は、咄嗟に否定の言葉を口にした。
「そう。それならいいけど。念のために言っておくけど、次の授業は保健。担当の先生はもちろん、寺沢先生よ」
「え? あの寺沢先生?」
美雪は、不安に満ちた目を見開いた。
「そうよ。美雪ちゃんがお仕置きのお水を飲まなかったら、あの先生、他にどんなお仕置きを考えるかしら」
飯島の言葉を聞きながら、美雪は昨日の身体検査の事を思い出していた。
検査やお仕置きと称して美雪の女の子の恥かしい部分に施された数々の悪戯、その時に使われた妖しげな道具のもたらす猛烈な感覚、そして体中を走る指先や筆のもたらす気の狂うようなくすぐったい刺激……。
今思い出しただけで、身体が勝手に反応してしまう。
美雪は一瞬身震いしてから口を開いた。
「分かりました。私、飲みます」
「もう遅いわ」
飯島が行った瞬間、教室の扉がガラガラッと開き、白衣姿の寺沢先生が入ってきた。
手には何やら大きな鞄を下げている。
教材か何かが入っているのだろうか。
「起立!」
「礼!」
「着席!」
美雪は女の子の部分に力を入れ、細心の注意を払いつつ、号令に従い皆に合わせて立ち上がり、お辞儀をし、再び席に座った。
寺沢先生は、その時の美雪の動きのテンポが皆からわずかに遅れていると同時に時折身体をガクガクと震わせるのを見逃さなかった。
そしてもちろん、机の上に置かれたペットボトルも。
先生は美雪たち3人の目の前に立った。
飯島が休み時間の出来事を説明する。
「先生、新井さんが休み時間にお手洗いに行きたいと言うので、私たち、新井さんの手を洗ってあげたんです。そしたら彼女、濡れた手をスカートで拭こうとしたんです。しかも、お仕置きをしようとしたら、その手を払いのけたんです。それで、罰としてこのお水を飲ませようとしてるんですが、なかなか飲もうとしなくて、そうこうしているうちに先生がいらしてしまったんです」
話を聞きながら、先生は美しい顔に妖しく意地悪な笑みを浮かべていた。
「それはそれは、新井さんはなんてお行儀の悪い子でしょう。お嬢様はもっと行儀良くおしとやかでなくてはなりません。こういう時は、身体の内側からお清めをしてあげる必要がありそうですね」
先生は、手に下げた鞄の中に手を入れた。
取り出された物を見た美雪は、恐怖に息を飲んだ。
それは、やはりペットボトルであった。
大きさは机の上の物の半分ほどであるが、中には水が満杯に入っている。
「まずは机の上のこのお水を全部飲みなさい。その後、このお水も飲むのです」
「そんな……」
美雪は震える目で二つのペットボトルを交互に見比べながら絶句した。
今ですら激しい水のいたぶりに耐えるのが精一杯だというのに、その上更なる水がそこに加勢するなど、考えるだけでも恐ろしい。
意地悪な力を着実に強めていく体内の激しい水の悪戯と2本のペットボトルの脅威に激しく身を震わせる美雪の脳裏で、水の悪魔がニタリと笑った。

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