「起立! 礼! 着席!」
さわやかな春の光で満たされた教室に、元気のいい号令が響いた。
朝のホームルームの開始の号令だった。
整然と並んだ机の前に、女子生徒たちが静かに座っている。
昨日保健室で美雪の身体を散々弄んだ生徒たちだ。
新学期、新学年の新たなクラスメートと過ごす新たな学園生活に対する不安とそれ以上の期待とに満ち溢れたいくつもの顔が、教卓の前に立つ担任の西原詩織先生とその隣に立つ美雪を見つめていた。
美雪にとって、この教室の生徒たちと会うのは初めてではないはずだったが、昨日の保健室での出来事のあまりのショックの大きさに、美雪は彼女たちの顔をほとんど覚えていなかった。
可愛らしい顔を不安に曇らせうつむかせながら、時々目を上げ、クラスメートの顔をチラチラと伺っている美雪を、先生が紹介した。
「今日からみなさんの仲間として、そしてこのクラスのお嬢様として、皆さんと共に学園生活を送る事になった、転入生の新井美雪さんです。仲良くしてあげて下さいね」
クラスメートたちは、盛大な拍手で美雪を迎えた。
「それでは、新井さん、今日は相沢さんと飯島さんの間の席に座って下さい」
先生は、窓際最前列の机を指差した。
この学校の教室では、一つの横長の机を二人で使う事になっているらしく、先生が指差した机の前にも、既に他の女子生徒が二人並んで座っている。
「先生、あのぉ……」
自分の座る場所が分からずとまどう美雪に先生が促す。
「行ってみれば分かります」
美雪は先生の言葉に従い、指差された机に向かって歩いた。
机の前の二人の女子生徒がそれぞれ座っている椅子の間に、もう一人分の椅子が用意されていた。
しかし、美雪がその席にたどり着くには、美雪の立つ通路の側に座っている女子生徒の足が邪魔だった。
その足の持ち主は、悪戯っぽい笑顔を美雪に向けている。
可愛らしい顔にどことなく野生的な雰囲気を漂わせた少女だ。
「あのう……、前、ごめんなさい」
自分の席に通してもらおうと、美雪がその女子生徒に声をかけても、彼女は一向に表情を変えず、足を斜めによけてくれるわけでもなく、とおせんぼを続けている。
「新井さん、何をしているのですか。早く席につきなさい」
自分の席を目の前にしてもたついている美雪に、先生が注意した。
「は、はい」
慌てて返事を返す美雪。
転入早々先生に叱られるわけにもいかない。
――ええい、こうなったら……。
美雪は意を決して片足を上げた。
どうしても相手がよけてくれなければ、自分がその障害物をよけていくしかない。
上げた足が目の前の女子生徒の足の向こう側に着地し、美雪はその女子生徒のきれいに揃えた太腿をまたぐ格好になった。
美雪の足の付け根の奥では、登校早々保健室で飲まされた大量の水によって恥かしい欲求が疼きはじめ、女の子の部分に不安な予感を感じさせていた。
その不安な部分が、パンティに護られながらも、無防備に大きく開かれた。
その時、女子生徒の両手が素早く動き、美雪の腰を目の前でつかまえた。
「ちょ、ちょっと、何するのよ!」
美雪が叫ぶより早く、その女子生徒は片手を美雪の腰に添えながら、もう片方の手をパンティラインギリギリの超短いミニスカートの下に移動させていた。
足を大きく開いた事によって無防備になった女の子の敏感な所を、パンティの上から指でなぞる。
ゾクッとした刺激が美雪の身体を震わせる。
「ちょっと、何すんのよ、やめてよ!」
美雪は女子生徒の手を払いのけようとした時、別の人の手が美雪の両手をしっかりと掴むのを感じた。
慌てて後ろを振り向くと、机の反対側に座っていたはずのもう一人の女子生徒がいつの間にか立ち上がり、美雪の両手を後ろ手にまとめてしっかりと握っていた。
彼女もまた、可愛らしい顔に妖しい笑顔を浮かべている。
小柄な身体に似合わず、美雪の手を掴む力は思いのほか強い。
「美雪ちゃん、お嬢様が大股開きで他の人の足をまたぐなんて、そんなはしたない事しちゃダメよぉ」
美雪の手を掴んだ女子生徒が、無邪気な口調で教室中に聞こえるように言った。
「こういう子はお仕置きをしてあげなきゃね」
美雪のパンティをなぞっている女子生徒も、指を動かしながら無邪気に言った。
「そ……そんな……あふぅっ……あ……いやっ、やめて、んあぁっ……」
美雪は甘い吐息の混ざった声を上げながら、敏感な部分を悩ます指から必死に逃れようとするが、美雪の腕を掴んでいる女子生徒はそれを許さず、縄跳びで美雪の腕を後ろ手に縛り始めた。
「いやぁ、何すんのよ、やめてよぉ、んああぁん!」
美雪の悲鳴を無視して腕を縛り終えた女子生徒は、先ほどから何も言わずに美しい目を輝かせ微笑を浮かべながら成り行きを見守っていた先生の方に顔を向けた。
先生は頷き、口を開いた。
「確かに、新井さんにはお仕置きが必要ね。二人にお願いするわ。いずれにしても、まずは椅子に座らせてあげなさい。周りの生徒の邪魔にならないようにね」
「分かりました」
美雪の腕を縛った女子生徒は、その手を引いて美雪を席に導いた。
美雪が席につくまでの間、美雪の恥かしい所を刺激していた手がなおも追いかけてきたが、美雪は足の付け根をぴったりと閉じ合わせる事で、なんとか逃れる事ができた。
しかし、それは一時しのぎに過ぎなかった。
ようやく席に座り、恥かしい疼きを忘れようとしながら息を弾ませている美雪の左脇の席に美雪の後ろ手を捕まえていた女子生徒が座ると、彼女は小さなスカートからすらりと伸びた美雪の太腿の柔肌に右手の指を滑らせながら、ザワザワと蠢かせ始めたのだ。
「ああっ、だめぇっ!」
太腿の上にわき起こる妖しい感覚に一瞬身を震わせ悲鳴を上げた美雪の耳元で、その手の持ち主である女子生徒が囁く。
「美雪ちゃん、大声出しちゃダメよ。今はホームルームの時間なんだから、静かに先生のお話を聞きましょうね」
左側の生徒が美雪の太腿や膝の上で指を往復させながらささやいている間に、右の方からも手が伸びてきて、美雪の太腿を刺激する仲間に加わった。
「あくぅっ、んんんあぁぁっ!」
騒いじゃダメと言われているそばから、美雪の足がガクガクと震え、口から思わず悲鳴が漏れてしまう。
必死にこらえようと眉を寄せて耐えている美雪の耳元で、右側の生徒が脅し文句を囁いた。
「これでもまだ手加減している方なのよ。お行儀良くしてないと、もっともっとくすぐったいくすぐり方で、美雪ちゃんの全身をもっと激しくくすぐっちゃうわよ。あたしや向こう側の相沢さんだけじゃなく、このクラス全員でね」
「そ……そんな……」
美雪は飯島の言葉を聞きながら、二人の手が太腿の上をゆっくりと這い回る刺激に耐えた。
それは緩やかなさざ波ではあったが、それでも美雪にとって十分に耐え難く、少しでも気を抜くと思わず身体が震え、悲鳴が迸りそうになる。
しかしこれに耐えなければ、さらに激しい稲妻を全身に浴びる事になるのだ。
美雪は昨日の身体検査でよってたかって何人もの女子生徒に全身をくすぐられた時の感覚を思い出して身震いした。
あの妖しく激しい刺激を再び全身に浴びる事になったら、今度こそ本当に気が変になってしまうかもしれない。
美雪は太腿に広がるさざ波のざわめきに必死に耐え続けた。
そんな美雪の耳に、先生の声など、入るはずがなかった。
「それでは新井さん、続きを読んで下さい」
「え? は、はい」
いきなり先生に名前を呼ばれて、美雪は慌てて立ち上がった。
いつの間にかホームルームは終わり、続いて同じ西原先生の担当する国語の授業に移っていたのだ。
「飯島さん、新井さんの手の縄跳びを外してあげてください」
「はい」
飯島によって縄跳びを外され、手が自由になった美雪は、飯島から渡された本の、彼女の指差した部分を見て目を丸くした。
――これって、まさか……。
美雪の顔が赤く染まっていく。
あまりの事に自分の目を疑った美雪であったが、転入生に対して昨日のような身体検査を実施するこの学園では考えられない事ではない。
美雪は意を決して読みはじめた。
「彼女の手が……んあっ……私のパンティの中に……潜り込み……んくふっ……敏感な部分に触れた時……あぁっ……そこはもう……ぐっしょりと濡れていました。『ああ……もうダメ、お願い……ああ……』ぬめりの中で……んっ……彼女の指が動く度に……私の喉から甘い悲鳴が……ああっ……とめどなく……迸ります……」
美雪の朗読の間、相沢が手を美雪の太腿の間に割り込ませ、しっとりとしめっているパンティの底を指先でなぞっていた。
恥かしい刺激の波に甘い吐息を漏らしながらの美雪の朗読は、妙に熱っぽく聞こえた。
「……は、はい、そこまで!」
先生は慌てて朗読を中断させた。
「新井さん、授業中にいったい何を読んでいるのですか?」
「え?」
先生の呼びかけに慌てて顔を上げた美雪の耳に、クラス中のクスクスというひそやかな笑い声が届いた。
「……?」
状況がよく飲み込めないでいる美雪に、先生がさらに追い打ちをかける。
「新井さん、あなたは先生の話をよく聞いてなかったようですね。いいですか。あなたはこの学園のお嬢様ですから、教科書やノートを自分で持ち運びする必要はありませんが、そのかわり先生の話をよく聞いて、教科書を隣の生徒からよく見せてもらわなければならないのですよ」
先生の説教を聞きながら、美雪は自分を見上げる飯島の悪戯っぽい笑顔に気づいた。
机の上の彼女の掌の下には、しっかりと自分の教科書が開かれている。
美雪は自分が持っている本の表紙を確かめて再び顔を赤らめた。
考えてみれば、やはりこんな本を学校の教科書として使うはずはない。
「聞いているのですか?」
「は、はい」
先生の問いかけに慌てて返事をする美雪。
「今後、二度とこのような事がないように。いいですね」
「はい」
両脇の生徒に身体をイタズラされながら授業をしっかり聞くなんて、まともにできるわけがないと思いながらも、とりあえず返事をする美雪。
「それでは座りなさい。今回のお仕置きも相沢さんと飯島さんに任せます。二人ともいいですね」
「分かりました」
着席した美雪の両脇の女子生徒が声を揃えて返事した。
「それでは授業を続けます」
先生が黒板に向き直った時、美雪の耳元で飯島が囁いた。
「美雪ちゃん、今回は、かるーく、くすぐりの刑で許してあげる。腋の下と脇腹のくすぐりに10分間耐えるのよ」
言うが早いか飯島の手はすでに美雪の腋の下にあった。
その手が動いた時、気の狂うような感覚に思わず悲鳴を上げそうになった。
その悲鳴を何とか抑えつつ、飯島にささやき声で抗議する。
「何がお仕置きよ。私にあんな本を見せたのはあなたの方でしょ」
「そんな事、あなたが授業をちゃんと聞いていればすぐに気がついたはずよ。あなたはどんな事があってもきちんと先生の話を聞いていなければならないのよ。だって、お嬢様なんですもの。先生も、お仕置きは私たちに任せるって言ったでしょ?」
そう言うと、飯島は再び美雪の腋の下をくすぐり始めた。
左側の腋の下も、相沢の手がくすぐる。
「もしも笑い声を上げたり、腋を閉じたりしたら、経過時間を元に戻してそこからあと10分続けるわよ。いいわね」
美雪は相沢の言葉にまともに答えている余裕などなかった。
腋の下から脇腹へと往復する二人のくすぐりの手の動きに耐えるだけで精一杯なのだ。
美雪の手は机の上に伸ばしたまま、二人によって掴まれているが、今にも無意識のうちに振り払って腋を閉じてしまいそうだった。
そして、今にも喉から迸りそうな笑い声。
しかし、もしもそうなったら、それまでせっかくくすぐりに耐えていた事が水の泡となり、再び10分間くすぐられ続けなければならなくなってしまう。
美雪は腋の下と脇腹から全身に広がる稲妻の嵐に必死に耐えつつ、決して手を動かさないように、決して笑い声を上げないようにと祈り続けた。
時間は気が遠くなるほどゆっくりと進んでいる。
今にも気が狂いそうな感覚に耐えながら、美雪は永遠にも思える地獄の時間が過ぎ去るのを待ち続けた。
あと少しで10分という所で、相沢と飯島の手の動きが突然数段激しくなった。
「んふっ、くはぁ、きゃははははっ!」
脇腹に深く食い込み身体の奥の神経を激しく揺さぶる指の動きのあまりのくすぐったさについに耐え切れず、思わず笑い声を上げ、腋を閉じてしまった。
先生とクラス中の生徒の目が一瞬美雪に集まった。
「美雪ちゃん、ダメじゃないの。これで最初からやり直しよ。さあ、今度こそ10分間耐えるのよ」
飯島の言葉と共に、美雪へのくすぐりが再開された。
美雪は再び懸命に耐え続けたが、あと少しというところで再びくすぐりの手の動きが激しくなり、美雪の身体はたまらず屈服の反応を見せてしまった。
「今度は3度目ね。どう? 今度は確実に最後まで耐えられるようにしてあげようかしら?」
「えっ?」
うな垂れながら弾む息を整えていた美雪は、飯島の問いかけに顔を上げた。
「聞こえなかった? 今度こそは最後まで耐えられるようにして欲しいかどうか聞いたのよ。どう? そうして欲しい?」
「そ……そうして欲しいわ」
美雪は思わず答えた。
今度は最後まで耐えられるように、手加減してくれるのだ。
これを乗り切れば、ようやく腋の下のくすぐりのお仕置きから開放される。
美雪はそう思っていた。
「そう。そうしてほしいのね」
飯島は、スカートのポケットから再び縄跳びを取り出した。
「えっ?」
美雪が驚いている間もなく、美雪の手は片方ずつ、相沢と飯島に掴まれていた。
相沢もまた自分の縄跳びを手にしている。
二人は美雪の腕を美雪の椅子の背もたれの後ろに持っていき、肘と手首の相沢を逆向きに重ね、相沢の縄跳びを巻き付けた。
そして飯島は自分の縄跳びを美雪の曲げた肘と背もたれを支えるパイプに通し、固定した。
「ちょっと、何するのよ……んむふっ!」
美雪は声を潜めて抗議しようとしたが、その口は相沢の持っていたガムテープで塞がれてしまった。
「ふふっ、これでどんなにくすぐったくても、抵抗したり笑い声を上げる事なく、10分間耐えられるわよね」
飯島は、今や腕を背もたれの後ろに固定されて完全に無防備になった美雪の腋の下に指を押し当て、激しく動かした。
同時に左の方からも相沢のくすぐりの手が容赦なく襲いかかる。
左右の腋の下と脇腹を襲うくすぐりの嵐は、それまで美雪んが耐えてきたものとは全く違う耐え難く激しいものだった。
「むふっ……ぐんム……むむっ……!」
美雪の目は大きく見開かれ、ガムテープで塞がれた口からうめき声がもれ、身体がガクガクと震える。
美雪の身悶えは相沢と飯島を喜ばせ、彼女たちの手の動きをさらに加速させた。
二人の手は美雪のお腹や背中、さらには胸の膨らみまでもを襲い、妖しい指の動きで激しく責め立てた。
一人の手の動きに美雪の身体が激しく蠢くと、その時の手の動きを何度も繰り返し、美雪の身体の蠢きをさらに激しいものにさせる。
そしてようやくその手の動きに慣れ始めた時には、もう一人の手が新たな弱点を見つけ、美雪をさらに身悶えさせるのだ。
上半身のあらゆる敏感な部分を襲う気の遠くなるような激しい稲妻に、美雪は必死に耐えながら、約束の時間が過ぎ去るのをただひたすら待ち続けた。
狂気の波は、美雪が抵抗できない事をいいことに、何度も何度も襲いかかり、美雪の意識を打ち砕く。
波に激しくもまれながら、美雪はくすぐりとは違う別のものが新たに自分に襲いかかろうとしているのを感じた。
さきほど保健室で飲まされた大量の水が目標地点に集まり、暴れはじめているのだ。
――ああっ、だめっ、こんな時に……。
美雪は足の付け根の女の子の部分に渾身の力を込め、内なる水の力に抵抗した。
二人の指にいたぶられ続ける上体がくすぐりの嵐に悶え蠢く度に、下腹にかかる力が女の子の部分をさらに悩ます。
ようやく約束の10分間という気の遠くなるような時間がくすぐりの嵐と共に過ぎ去った。
腕を拘束する縄跳びと、口を塞ぐガムテープが二人の女子生徒によって外された。
しかし、美雪は激しく息を弾ませながら、一瞬たりとも安心する事はできない。
身体の内側の恥かしい力の波が少しずつ着実に強くなり、今や女の子の部分を激しく悩ましているのだ。
その部分に力を込めていなければ、今にも悩ましい水の圧力がそこをこじ開け、噴出してしまいそうだった。
せわしなく上下に擦りあわせている太腿の付け根に、自由になった両手を思わず持っていってしまう。
切ない部分を超ミニスカートの上から強く押さえる美雪の手の動きを、両隣の女子生徒は見逃さなかった。
「美雪ちゃん、お嬢様がそんな所を手で押さえちゃって、もしかして、エッチな事でも始めるつもりだったのかしら?」
「あんまり恥かしい事をすると、また今みたいにお仕置きしちゃうわよ」
身体の内側からの恥かしい責めに耐え続ける美雪に、相沢と飯島が意地悪な言葉を囁いた。
押し当てた手の力を咄嗟に抜く美雪。
一時間目の授業が終わるまで、あと十数分。
美雪は一瞬だけ手の支えを得たものの再び失ってしまった女の子の部分に渾身の力を込め、太腿の付け根をぴったりと閉じ合わせ、できるだけ目立たないようにゆっくりと擦り合わせながら、大いなる自然の力による悩ましい責めに耐え続けていた。
|