正門を入ってすぐの所に、「学園のお嬢様」と題された銅像があった。
「美雪ちゃん、これがこの学園のお嬢様の理想の姿なのよ。しっかり覚えておきなさい」
恵子は美雪に銅像を指差して見せた。
それは、白百合学園の制服を着て静かに椅子に座っている一人の女子生徒の銅像だった。
彼女の身につけている制服のスカートは、恵子の身につけているような膝上までの長さのあるスカートではなく、美雪と同じパンティラインぎりぎりの超ミニスカートだった。
彼女は少し恥かしげな微笑を浮かべているが、何かに必死に耐えながら平静さを装っているようにも見える。
閉じ合わせた足を行儀良くそろえ、スカートの上の太腿の中ほどのあたりに手を乗せているが、なぜかその腕はかなりこわばっている。
美雪はその女子生徒が何に耐えているのかは分からなかったが、必死に平静さを装っている様子に、思わず抱きしめたくなるような可愛らしさを感じていた。
その可愛らしさに見入っているうちに、恵子に手を引かれた。
「さ、もう時間がないわ。早く行きましょう」
「え、ええ。でも、時間がないって言っても、他の生徒はまだだれも来てないみたいですけど……」
美雪は辺りを見回しながら言った。
美雪が入浴後に再び目覚めた時、恵子はもう制服に着替え、登校の準備を整えていた。
「美雪ちゃん、早くしないと遅れるわよ」
恵子に言われて時計に目をやり、あまりの登校時刻の早さに驚きながらも急いで身支度を整え、寮を出たのだ。
しかし今、学園には美雪と恵子の二人以外、まだだれもいないようだ。
「確かにほとんどの生徒や職員はまだここには来てないわ。でも、他の学校から転入してきて今日から新たにこの学園のお嬢様となる生徒の場合は、始業式の前にちょっとやることがあるの。ついていらっしゃい」
恵子は昇降口の方に向かって歩き始めた。
茶色く縁取られた白塗りの壁。
それと同じ茶色で塗られた窓枠と教室の扉。
殺風景かつ古めかしい印象を与える廊下を、恵子と美雪が進んでいった。
やがて恵子が「保健室」と書かれた表札の前で立ち止まり、扉を開けた。
「おはようございます。新井美雪さんを連れてきました」
恵子は保健室の事務机で書き物をしていた白衣姿の先生に挨拶した。
「おはよう。待ってたわよ。早く入りなさい」
二人が中に入ると、先生は二人に近くのベッドに座るように言った。
妖艶な顔立ちの若い女の先生だった。
いや、妖艶なのは顔ばかりではない。
彼女の持つバストやヒップの豊かさ、そして腰のくびれは、それらを隠そうとしている殺風景な白衣の外側からでもはっきりと見て取れる。
美雪はベッドに座りながら、そんな先生の姿に思わずみとれていた。
先生は、備え付けの冷蔵庫からペットボトルを取り出すと、ベッドに座った美雪に渡した。
「私は寺沢理奈。あなたたちお嬢様は毎日のように顔を合わせる事になると思うけど、よろしくね。さっそくですが、この学園のお嬢様は、特に美容の為に水分を常に補給しておかなければなりません。今日は始業式の日ですが、式が始まる前にこの水を飲んでしまってください」
美雪に渡されたペットボトルは、かなり大きなものだった。
表示を見ると、1.5リットルと書かれていた。
中には水が一杯に入っている。
「美雪ちゃん、早く飲まないと、時間がないわ」
「は、はい」
先生と先輩に促されては、断るわけにはいかない。
美雪は仕方なく、その水を飲みはじめた。
美雪はそれほど大量の水を一度に飲んだことはなかった。
時々口を外しながら必死に水を飲む美雪の耳に、外を歩く生徒たちの声が聞こえ始めていた。
窓にはカーテンが引かれているので外の様子は見えないが、どうやら他の生徒たちが登校し、校庭にあつまりつつあるらしい。
「美雪ちゃん、早くしないと遅れちゃうわ」
恵子に急かされて、美雪は懸命に水を飲んだ。
飲みはじめてから10分ほどしてから、突然保健室の扉が開き、別の女子生徒が入ってきた。
寺沢先生はその生徒に、美雪にさきほど渡したのと同じペットボトルを渡した。
生徒が飲みはじめた時、さらに別な生徒が入ってきた。
その後、女子生徒が次々に保健室に入る度に、寺沢先生は冷蔵庫に用意しておいたペットボトルを渡していった。
彼女たちはそのペットボトルの水を10分ほどで飲み終わし、保健室を出ていった。
美雪は飲みはじめてから30分ほどして、ようやく飲み終える事ができた。
胸の苦しさに、美雪は激しく息を弾ませていた。
その美雪に、寺沢先生が言い聞かせていた。
「それでは、これから校庭で始業式がありますが、あなたは式が終わった後に検査がありますから、他の生徒と一緒に教室には行かずにここに戻ってきて下さい」
「は、はい……」
美雪の胸の苦しさは、次第に治まってきた。
しかしその代わり、女の子の恥かしい部分に別の感覚が押し寄せてきていた。
美雪の身体の中に入った大量の水が美雪の身体の全てを知りつくし、美雪の最も恥かしい場所に集結しながらその部分を責めはじめているのだ。
「それじゃ、早く校庭に向かいましょう」
恵子は美雪をつれて保健室を出た。
二人は急いで昇降口に向かおうとするが、美雪はなかなか早く歩く事ができない。
早く歩くと、今にも女の子の部分をこじ開けようとして瞬間的に強まる邪悪な水の力に負けそうになるのだ。
「せ、先輩、あたし、トイレに行ってきていいですか?」
美雪はたまらず自分の恥かしい欲求を恵子に訴えた。
「だめよ。もう時間がないわ。それに、お嬢様がトイレに行きたいなんて事言っちゃだめよ。他の生徒や先生に聞かれたら大変よ」
「それって、どういう事?」
「とにかく、早く校庭に急ぐのよ」
恵子は決して美雪をトイレに行かせようとしなかった。
途中トイレのドアの前を通った時、美雪はそこに飛び込もうとしたが、恵子にしっかりと腕をつかまれ、女の子の部分を悪戯する邪悪な水を追い払う事ができないまま、生徒の列に並ぶ事になった。
美雪は恵子に言われたまま、他の多くの女子生徒の前で彼女たちと向き合う横一列の女子生徒の列の一番端に並んだ。
どうやらその列は特別な生徒の列であるらしい。
しかし、なぜ自分がこの特別な列に並ぶ事になったのか。
自分がお嬢様だからなのか。
確かに美雪の列と他の列の生徒たちとの間には、大きな違いがあった。
スカートの長さの違いだ。
他の生徒は全員膝上までの長さのあるスカートを身につけているのに対し、美雪の列の女子生徒の着けているスカートは全員パンティラインギリギリの超ミニなのだ。
しかし、美雪にはそれについてまともに考えている余裕はなかった。
美雪は激しい欲求に身悶える女の子の部分に渾身の力を込めた。
身を震わせながら、太腿の付け根をしっかりと閉じ合わせる。
そして時々左右の太腿を擦りあわせるように前後させる。
女の子の欲求は、急激に強くなっていく。
ついに女の子自身と太腿だけでは耐え切れず、美雪はスカートの上から両手でしっかりと恥かしい所を押さえてしまった。
「んんあぁっ!」
かすかな悲鳴が美雪の口から漏れる。
それに気づいたのか、隣に並んでいた女子生徒が美雪に話しかけてきた。
「あなた、もしかして、転入生?」
「は、はい……んあぁっ!」
美雪の返事に女の子の悲鳴が混じる。
「ふふっ、あなた、さっき保健室にいた子ね」
「え?」
美雪は自分よりも少し背の高い隣の女子生徒の顔を見上げた。
「ああっ」
その顔には見覚えがあった。
さきほど美雪が保健室で水を飲んでいる間に、保健室に入ってきて水を飲みはじめ、先に飲み干して出ていった女子生徒の一人だった。
いや、彼女だけではなく、美雪の列に並んでいる女子生徒は全員がさきほど保健室で水を飲んだ生徒だった。
よく見ると彼女たちも、超ミニスカートから伸びた片足を少し曲げて、わずかに身体を震わせている。
しかし、美雪とちがって表情はいたってにこやかで、あくまでも平静さを装っている。
両手もスカートの前に添えられているが、美雪のようにその部分を力一杯押さえているような生徒はいない。
「どう? オシッコしたいかしら?」
「し、したいわ!」
美雪は激しい欲求に身悶えながら答えた。
「ふふっ、今のうちからオシッコしたいなんて言っているようじゃ、この先とっても大変ね」
「それ、どういう事?」
「オシッコしたいのは、あなただけじゃないわ。ここに並んでいるあなた以外の女子生徒の方が、あなたの何倍もオシッコしたいのよ」
「そんな事がどうして分かるのですか?」
「あなたの飲んだ水には、催尿剤がほんの少ししか入ってないのよ。でも、私たちの飲んだ水には大量の催尿剤が含まれているの」
「催尿剤?」
美雪は目を見開いた。
自分の飲まされた水の中に催尿剤が含まれていた事を知り、胸の奥から不安がこみあげて来た。
ただでさえあれだけ大量の水を一度に飲まされた後で、それが恥かしい部分にもたらす激しい欲求にどれだけ耐えられるか分からないのだ。
ましてや催尿剤が含まれているとしたら、それがたとえ少量であっても耐え難い欲求の高まりをさらに加速せずにはおかない。
その激しい欲求に、美雪は始業式が終わるまで耐え続けなければならないのだ。
美雪の見上げる隣の彼女は、まるでそれが当然とでも言うように話し続ける。
「そう。飲んだ瞬間から恥かしい出口を直撃よ。あなたが今我慢してるのなんて、私たちの今の我慢と比べれば問題じゃないわ。私たちはこれに一日中耐え続けなければいけないの」
「一日中?」
「そうよ。この学園では、お嬢様はトイレに行っちゃいけない事になってるの」
「そんな……」
彼女たちは美雪の何倍も加速された激しい欲求の高まりを、この始業式が終わってもどうすることもできないのだろうか。
そして、いずれは自分もそうなるのだろうか。
隣のお嬢様が美雪の心を読んだかのように、その疑問に答えていた。
「あなたもこれから先、今あなたが我慢しているのなんて問題にならないくらいのオシッコを、一日中我慢しなければならなくなるの。それにあなたは耐えられるかしら?」
「そんな事って……んぁっ」
話を聞くのに夢中になっていた美雪の隙をついて噴出しようとした恥かしい水を、再び渾身の力で食い止める。
「そればかりじゃないのよ。私たちの飲むお水には、利尿剤の他に強力な催淫剤も含まれているの」
「さ、催淫剤?」
美雪は激しい欲求に固く閉じていた目を再び見開いた。
「そうよ。私たちお嬢様は、エッチな欲求にも一日中耐え続けなければならないの。どんな状況であっても、オシッコの欲求とエッチな欲求を理性で抑え、スマートに耐える事ができる事こそ、お嬢様のたしなみなの」
隣のお嬢様がそこまで話した時、時間がきたのか、号令がかかった。
「気を付け!」
その号令とともに、全校生徒が足をまっすぐに伸ばし、気を付けの姿勢をとった。
美雪も仕方なく、足を伸ばした。
――ああっ、だめっ!!
足をまっすぐに伸ばしてそろえると、それまで付け根をしっかりと押さえていた太腿が、その部分から離れてしまう。
さらに、気を付けの姿勢では、女の子の部分から手を離して身体の両脇にそろえなければならない。
美雪は今や何の助けもなくなった女の子の部分にひたすら渾身の力を込めた。
やがて開会の言葉が始まって終わり、続いて学園長が挨拶のために朝礼台に上がる。
美雪は女の子の部分に懸命に力を込め、身を震わせながらひらすら「やすめ」の言葉を待った。
美雪にとって永遠とも思える数秒間の後、ようやく学園長の口から「やすめ」の言葉が出た。
美雪はすかさず片足を曲げ、太腿の付け根を女の子の部分にしっかりと押し付けた。
身体の両脇でそろえていた両手もスカートの前に添え、悲鳴を上げている女の子をしっかりと押さえる。
隣のお嬢様がまた小声で何か言っているようだったが、美雪の耳には入らなかった。
目を開けている事すらまともにできず、学園長の話も全く聞いていなかった。
隣のお嬢様がさっき言った言葉が本当の事なのかどうか、もし本当だとすれば、どうしてそのような教育を行う必要があるのかを、学園長の言葉から読み取ろうとするだけの余裕など、極限状態の美雪にはあるはずがなかった。
やがて学園長の挨拶が終わり、再び「気を付け」の号令がかかった。
美雪の女の子を弄ぶ恥かしい水の力は、先ほどの数倍も膨れ上がっている。
美雪は身を震わせ恥かしい水が噴出しない事を祈りつつ、渾身の力を込めながら再びきをつけの姿勢をとった。
しばらくして、再び代表の先生が挨拶のために朝礼台に上がり、「やすめ」の号令をかけるまでの間、全身を震わせ続ける美雪にとっては一秒一秒が永遠の時間にも思えた。
そして号令がかかると再び太腿の付け根を女の子の部分にぴったりと押し付け、両手でその部分をしっかりと押さえながら、それまでひとりで耐えていた女の子の部分に救いの手がさしのべられたつかの間の安堵感を味わいながらも、油断した隙をついて突進しようとする水を食い止めるべく、再び女の子の部分とそこを押さえる太腿、そして両手に渾身の力を込め、次第に強まる自然の力による執拗な悪戯に耐え続けた。
40分近く続いた始業式が、ようやく終わりに近づいてきた。
「気を付け」
ついに最後の気を付けの号令がかかった。
しかし、太腿の付け根と両手で女の子の部分をしっかりと押さえて極限状態に耐えていた美雪にとって、再び気を付けの姿勢をとる事は非常に勇気のいる事であった。
女の子の部分とそこを押さえる太腿と手のうちのいずれか一つでも力が抜ければ、それまで耐え続けていた女の子の羞恥の水が恥かしい所から一気に噴出してしまいそうだった。
美雪が仕方なく、女の子の部分を援護するその姿勢のまま、始業式終了を告げる言葉をまった。
しかし、いくら待っても期待している言葉は聞こえてこない。
「新井美雪さん、気を付けです」
突然呼ばれた自分の名前に驚き、美雪はきつく閉じていた目を思わず開いた。
美雪の方を向いて並んでいる一般の生徒全員の目が、美雪に向けられていた。
美雪の顔が恥かしさに赤く染まる。
彼女たちの列の中の、美雪からさほど遠くない所に、美香の姿があった。
美香の顔には、意地悪な笑みが浮かんでいる。
隣を見ると、他のお嬢様は気を付けの姿勢をとりながらも、目を固く閉じ、身を大きく震わせながら猛烈な欲求に耐えている。
――ああっ、ここで気を付けなんかしたら、もう本当に漏れそう。でも、あたしが気を付けをしなかったら、式は終わらないんだわ。そして、ここに並んでいるお嬢様たちも、私よりも何倍も激しい欲求に、女の子の部分が一人で耐えなければならないんだわ。
美雪は勇気を奮い起こし、足を伸ばし手を離しつつ、女の子の部分に全神経を集中させた。
噴出しようとする恥かしい欲求。
そして甲高い悲鳴をあげながらそれを必死に食い止めるか弱い女の子。
――お願い、早く終わって、お願い!
美雪は必死に心の中で祈りながら身を震わせ、激しい悲鳴を上げ続けている恥かしい部分に渾身の力を込め続けていた。
「以上をもちまして、始業式を終わります。解散!」
ようややくその言葉を耳にした時、美雪の両手と太腿は、再び女の子の部分を強く押さえ、噴出しようとする恥かしい水を食い止めていた。
美雪は前かがみになりながら太腿の付け根を女の子の部分に押し付けながら両手で力いっぱい押さえつつ、昇降口を目指す生徒達の集団に加わっていた。
超ミニスカートを穿いたままそのような姿勢をとったのでは、後ろの人にスカートの中が見えてしまうが、今はそのような事を気にしているような余裕はない。
――早く校舎の中に入ってトイレに行きたいわ。でないと、もう……ああっ、みんな、早く進んでぢょうだい!
集会の後で昇降口を目指す生徒たちの集団は、普通の生徒でさえ苛立たせるほどゆっくりと進むものだ。
まして、極限状態の美雪にとっては、まさに気の狂うような遅さである。
その狂気の時間の中で、美雪はただひたすら、女の子の部分とそこを護る太腿と両手に力を込め続けていた。
そして、ようやく昇降口にたどり着く事ができた。
大事な所から片手を離して残された片手で懸命に女の子を護りつつ上履きにはきかえ、今朝通り過ぎたトイレを目指して進む。
両足を擦りあわせながら出来る限り早足で歩き、ようやくトイレの前にたどり着いた。
しかし、ドアを開けようとしたちょうどその時、そのドアの前に恵子が立ち塞がった。
「美雪ちゃん、この学校では、お嬢様はトイレに行っちゃいけないのよ。さ、早く保健室に行きましょう」
恵子は美雪の片腕を掴むと、保健室の方に向かって歩き出そうとした。
「だめっ、お願い、あたし漏れそうなの。トイレに行かせて、お願い」
女の子の部分から片手を引き離された美雪は、残った片手に渾身の力を込めながら懇願した。
「だめよ。言われたでしょ、あなたは検査があるから式が終わったら保健室に戻りなさいって。最初の検査は尿検査よ。だから、今トイレに行ってしまったら、検査にならないわ。さあ、行きましょう」
「だめよ、保健室までとても我慢できないわ。お願い、トイレに行かせて!」
美雪はなおも叫んでいたが、恵子はそれを無視して美雪の腕をなおも強く引っ張る。
ついに美雪はどんなにトイレに行こうとしても無駄である事を悟り、恵子と共に保健室へと向かった。
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