ミカがようやく真に女性であると認められた時には、すでに出勤時刻となっていた。
しかし、ミカは検査室のベッドに拘束されたまま、自分で歩く事を許されなかった。
たとえそれが許されたとしても、立ち上がる事すら不可能であろう。先ほどの検査で与えられた悦びは、それほどまでにミカの身体を狂わせていた。
工場外への出張はこれが初めてではないが、数年前の検査はこれほど激しいものではなかった。最近になって検査が強化されたという話は聞いたことがあったが、これほど凄まじいものであったとは想像していなかった。
検査強化の理由としては、近年ロボット技術や医療技術の発展によって、男性の所有する女性型アンドロイドや、女性の姿をした男性を、本当の女性と見分ける事が極めて難しくなってきた事が挙げられる。それまでの身体検査だけでは区別がつかないため、様々な刺激に対する反応を評価する事により見分けようというのだ。それも、公的な研究対照に最もなりにくい刺激を使って。
あるいは、この工場で新たに開発されたロボットの試験を兼ねているとの噂もあるが、その可能性は薄い。今さら女性の身体をあれほど悦ばせるロボットを作っても、市場は限られているのだから。それに、この宇宙工場はロボットメーカーだけのものではない。他にも、合金メーカーやプラスチックメーカー等、無重力環境を必要とする幾つかの企業が同居しているのだ。そのような工場の入門検査で未発表の新形ロボットを使うという事は、企業秘密をばら撒くようなものだ。
「第3開発のサイトウはこちらでしょうか」
聞き覚えのある声に目を開くと、スーツ姿の小柄な女性の姿が部屋の入口付近に見えた。ミカと共にメイドールの開発を行なった、ケイコ・ミヤハラだった。その表情はおだやかではなかった。
ミカを見つけると、足早に歩みより、口を開いた。
「口数の少ないお嬢様だから、もしかしたらここでも大人しく澄ました顏を保っていられるかと思いきや、どうやらそうでもなかったみたいね。ミカがハメを外す所、一度拝見したかったわ」
ケイコの目は、ミカの顏と足元の恥ずかしい水溜りとを見比べていた。
「そんなに見たければ、もっと早く来ればよかったんじゃないかしら?」
ミカはまっ赤な顏でケイコを睨んだ。
「それがそうもいかなかったのよ。ミカ、あんたのせいでね」
聞けば昨日、営業部から開発部にクレームがあったという。営業の担当者が怪我をしなければ売れないような製品を作るな、というものだ。メイドールの開発メンバーは全員部長に呼び出され、深夜までお仕置きを受けたのだという。
「開発リーダーはあなたから、詳しい報告を聞きたがっているわ」
ケイコはベッドの後ろのボタンを操作し、検査室の出口に向かった。
ベッドはミカを拘束したまま、ミカの後を追って移動を開始した。
廊下では、何名かの女性とすれ違った。
面識のある女性もいた。
一糸まとわぬ姿で足を大きく拡げ、ぐっしょりと濡れた恥ずかしい部分と太股を晒すミカの姿に、皆足を止め、大きく見開いた目で見送った。その度に、ミカは顏をいっそう赤らめ目を閉じるが、彼女たちの顏は瞼の裏にくっきりと焼き付いてしまっている。
それにも増して、小さく聞こえてくるヒソヒソ話が、ミカをさらに辱める。
「あの子、第3開発のサイトウさんよね。地球から戻って来て検査を受けたのね」
「見て、あんなにぐっしょり濡れてるわ。よっぽど敏感なのね」
「あんた知らないの? 最近あの検査、強化されたのよ。あなたも今度検査を受けた時は、あんなふうになっちゃうかもね」
「失礼ね。あたしはあんなにはしたない子じゃないわ」
――いいえ、あなたもきっとこうなるわ。あの検査にかかれば、どんなに気丈な女でも、自分が女だという事をいやというほど思い知る事になるのよ。周りの人達に女の恥ずかしい姿の全てを見せつけながらね。
ミカは心の中でそう言い返しながら、女たちの前を通りすぎて行った。
会議室の机は壁に寄せられ、そのそばに並べられた椅子に女子社員数名が座り、腕を組んで待っていた。
ケイコはミカをベッドから降ろすと、自分も椅子に座った。
ベッドから解放されて床にくずおれたミカは、やっとの思いで立ち上がった。
「あたしたち、あんたのせいで、部長からお仕置きを受けたの。おかげでこんなふうになってしまったわ。どうしてくれるのよ」
メイドール開発リーダーのレイカ・モリヤマが、自らのスカートの中に手を入れ、ふたたび取りだした。指には透明な蜜がねっとりとからみついていた。その指をミカの目の前で開いたり閉じたりして、蜜が糸を引く樣を見せつける。
他の女子社員たちもリーダーに習い、スカートの中の奥から沸き出た恥ずかしい蜜を自らの指にからめ取り、ミカの目の前で見せつける。
その大胆な仕種は、ロングヘアを微妙にカーブさせたリーダーの妖艶な顔と、その部下たちの可憐な顔を、この上なく妖しく見せていた。
しかし、ミカは驚かなかった。彼女たちのはしたない仕種には今までに何度も遭遇してきた。問題は、その仕種をミカにも強要される場合があるという事だ。それに、彼女たちの言いぐさもある程度予想していた。
ミカはあらかじめ用意していた台詞を言い返した。
「あたし一人のせいじゃないわ」
「確かにそのようね」
レイカに次いで年長のミキ・ヤマムラが答えた。
「でも、あなたがもっと努力していれば、こんな事にはならなかったわ。あなた、商談先でちゃんとデモンストレーションをやらなかったでしょ?」
その言葉に、ミカは激しい腹立たしさを覚えた。
「やったわよ。メイドールに、自分の機能の説明をさせたわ」
ミカは思わず語気を強めた。
その言葉にため息をつくミキ。
「そんなんじゃ不十分よ。ちゃあんと自分の身体で実践する所を見せなくちゃ。ロボットがあなたを存分に悦ばせる所を見せていれば、彼らの反応も少しは変わったはずよ」
「でも彼らはメイドールを受け入れる事ができない明確な理由が……」
「明確な理由? 営業担当者はその理由を覆したという事かしら?」
「営業担当者ではなく、あたしが怪我をした方が良かったという事かしら?」
もちろんそんなはずはない。だから、彼女の言っている事は間違いだ。ミカは相手がそう認める事を期待した。しかし、その期待は見事に裏切られた。
「あたりまえでしょ? 営業担当者が怪我をすれば仕事に支障があるけれど、あなたが怪我をしたからと言って仕事に支障が出るわけではないのだから」
ミカは言い返す言葉を思いつかなかった。すかさず、ミキが続けた。
「でも、ちょうどよかったわ。実は、第1開発から新製品の評価に協力して欲しいという依頼があったの。お仕置きとして、あなたの身体を使う事にするわ」
「そ……そんな……」
第1開発は、リアルメカニクスの中で最も古い開発部門だ。
リアルメカニクスは設立当初、親会社である大手産業用ロボットメーカーから依頼を受け、多関節ロボットを製作していた。しかし他社との価格競争により開発費を回収できず、経営は困難を極めていた。間もなく産業用ロボット業界から撤退し、代わりに作り始めたのが、刑務所用多関節ロボットだった。その第1号は、近くに拘束された女性の身体の数十箇所を同時に悪戯する事ができたばかりではなく、どこをどう悪戯すればどう感じるのかを脳波の変化から学習する機能を備えていた。その製品の納入された女子刑務所からは、女囚たちのかん高い笑い声と激しい喘ぎ声が絶え間なく響き続け、その様子を撮影した映像の配信サービスも大好評だったという。
第1開発はその頃から「拷問マシーン開発部」の異名を持つ事となった。
女性向けメイドロボットを開発する第2開発、さらには男性向けメイドロボットを開発する第3開発が発足した現在も、第1開発は新製品を世界中の女子刑務所に納入し続けている。その度に、女子刑務所に響く悲鳴は激しさと妖しさを増すと言われている。昔に比べて需要が激減しているが、その性能は他社の追随を許さず、着実に利益を出し続けている。
そのような部門の開発した新製品を評価する為の実験台になるという事は、世界で最も恥ずかしい女の姿を晒しながら、世界で最も恥ずかしい女の悲鳴を上げさせられるという事に他ならない。しかし、ミカに断る権利などなかった。
いつの間にか、ミカ両手を後ろに回され、手錠をかけられていた。
「うわぁ、ミカのヌード、とってもエッチだわ。見ているだけで、悪戯したくなってきちゃう。この身体がこれからのお仕置きでどんないやらしい仕種を見せてくれるか、とっても楽しみだわ」
同性とはいえ、女の身体の全てを見られる恥ずかしさに顔を赤らめていたミカに、すぐそばにいたケイコが、どこからともなく持って来たビーカーを見せた。ビーカーは無色透明などろりとした液体で満たされていた。
そのビーカーを、ミカの顔に近づける。
「ちょっと、何するのよ」
ミカは思わず身を震わせた。
「こわがる事はないわ。これからあなたに新しい服を着せてあげる」
ケイコはミカの肩の上でビーカーを傾けた。中のドロリとした透明な液体がミカの肩に零れ、広がる。その広がり方はあまりにも不自然だった。下方向だけでなく横方向にも広がるその動きは、まるで意志を持ったスライムがミカの身体を包みこむようであった。広がりながら、それまで透明だった液体が、徐々に青みがかっていく。
やがて液体はミカの首から下、手や脚の指の先までをすっぽりと覆い、ぴったりとフィットした紺色のレオタードの姿となった。
その変化に、ミカはただただ驚くばかりだった。
「驚くのはまだ早いわ。本番はこれからよ。ふふっ、この服の悪戯にどこまで耐えられるかしら……」
「耐えられるかって、まさか……」
ミカがケイコの方に顔を向けると、彼女の手にはいつの間にか、マイク付きヘッドホンが握られていた。それをミカに装着する。
「あたしの着心地はいかがかしら?」
ミカの耳に、ねっとりとした女の声が聞こえた。
その声は、ミカにも聞き覚えがあった。女同士の濃厚なラブシーンで有名な、ある女優の声だ。リアルメカニクスがロボットの合成音声として使用する為の契約を結んでいる女優の一人でもある。
つまり、今ヘッドホンから聞こえた声はまぎれもなく試作製品からの声なのだ。
「着心地って……」
ケイコがミカの驚く顔を楽しむかのように答えた。
「あなたの想像どおりよ。あなたが今着ているレオタードは、特殊プラスチック製のマイクロマシーンが集まってできているの。今は全身を覆っているけど、色を落としてスケスケになったり、穴を作ったりして、恥ずかしい服に変身する事もできるわ。でも、あなたは初めてだから、とりあえずこのままたっぷりと可愛がってあげるわ」
「そ……そんな……はうっ!!」
ミカは全身に異様な刺激を感じ、たまらずにしゃがみこんだ。
服の内側に出現した無数の細かい毛が全身を撫で回している。首、脇の下、脇腹、胸の膨らみ、腹部、お尻、太股、ふくらはぎ、足の裏、あらゆる場所に毛の刺激が渦巻き、それらの渦が互いにゆっくりと異動しながら、ミカの我慢できない部分を探っている。足のつま先でもまた毛が指の間に入り込んで責め立てている。
「きゃははは、もうやめて、きゃはははは」
ミカはたまらずかん高い笑い声を上げた。
再びヘッドホンから声が聞こえた。
「ふふっ、可愛らしい笑い声だこと。もっともっと聞かせてもらうわ」
毛の動きがより一層激しくなった。ミカの両手が手錠で拘束されている事をいいことに、ミカの身体の感触を存分に楽しんでいるかのようだった。
ミカは少しでも毛の動きをくい止めようと、毛のうごめくお尻を押え、脇腹に腕をきつく押し当てる。しかし、毛の動きの感覚は一向に弱まらない。
「服の上から押さえ付けても無駄よ。人の体重がかかった部分でも悪戯の動きに必要な空間は確保できる構造になってるの。それに、あなたが抵抗しようとすればするほど、あなたがどんな刺激に弱いかがよく分かるわ。ここ、とっても弱そうね」
脇の下と脇腹、そしてお尻を撫で回す無数の毛が、さきほどミカが抵抗を試みた時の動きを何度もくり返した。
「いやぁっ、やめて、それだめなの、お願い、きゃははははは……」
ミカはたまらず床の上に倒れ込み、転げ回った。
「ふふっ、本当にやめて欲しいのかしら。でも、身体はそうは言ってないみたいよ。ほら、ここ、こんなに固くなってるわ」
ミカは胸の膨らみの尖端の蕾が摘まれるような感覚を覚えた。そこは、自分でも気づかないうちに、固く膨らんでいた。
同時にに足の付け根の恥ずかしい部分に息づくメシベも何かにつままれた。そこもまた恥ずかしいほどに固く尖っていた。
「ああっ、はううぅ!!」
胸と女の部分の最も敏感な恥ずかしい所を同時に刺激され、ミカは桃色の悲鳴を上げながら全身を震わせた。
「どう? 今の所をもっと刺激してほしいんじゃないかしら?」
ミカはヘッドホンから聞こえる声に顔を赤らめた。
「そんな事ないわ。お願い、もうやめて、きゃははははは」
「ここも、こんなになってるわ。これでもやめてほしいのかしら?」
レオタードの脚の付け根の部分の内側の生地が変型し、布地が蠢いた。ミカは太股の付け根に、ねっとりとした蜜の感触を感じた。女の子の恥ずかしい部分がどんな状態になっているかを思い知らされ、ミカは顔を赤らめた。
「お願い、もうやめて」
「なかなか強情ね。でも、その強情さがいつまで続くかしら」
胸のふくらみの先端の固く膨らんだ蕾と、脚の付け根の秘めやかなメシベに、無数の毛がおそいかかり、撫で回し始めた。今までに感じたことのない刺激に、ミカはかん高い悲鳴と喘ぎ声を上げた。
「だめえ、そこ、だめぇ、ああん、くうっ、んあっ、きゃははは、お願い、あたし、おかしくなっちゃう、きゃはははは、ああっ、もうだめぇっ!」
激しく妖しい刺激にミカは全身をガクガクと震わせながらかん高い悲鳴と喘ぎ声を上げた。
「ふふっ、それじゃ、望みどおりにしてあげる」
胸の蕾と脚の付け根のメシベから毛が離れた。
「そ……そんな、きゃはははは、そんなのって、ないわ、きゃはははは……」
「あら、あなたの言うとおりにしてあげただけよ。本当はもっとしてほしかったのかしら?」
「それは……」
「正直に言わなければ、こうよ」
全身を撫でまわしている毛の動きが激しくなった。
女の子の敏感な部分のすぐ近くにも毛が襲いかかり、執拗な悪戯をくり返す。それでいて最も敏感な恥ずかしい部分には触れようとしない。
あまりのくすぐったさと、肝心な所に触れてくれない切なさに、ミカは今にも気が狂いそうだった。
「いやっ、きゃはははは、あうぅっ、だめぇ、もうだめぇ、わ、分かったわ、そうよ、あなたの言うとおりよ」
「『あなたの言うとおり』って言われても、あたしにはよく分からないわ。もっとはっきりと言ってちょうだい。本当はどうしてほしかったのかしら?」
「あ、あたしの……あたしの、あそこを、もっと悪戯してほしいのぉ」
「あそこ、なんて言われても、よく分からないの。さっきのように、あなたの固くなったオッパイと、びしょびしょに濡れたいやらしい所をもっと激しく悪戯して欲しいのかしら」
「そ、そうよ、お願い、きゃははははぁ、んあっ、そう、そこっ、いやっ、やめないで!」
「それなら、ちゃんとお願いしなさい。『あたしのおっぱいと、ぐっしょりと濡れている女の子の恥ずかしい所を、もっともっと悪戯して、あたしをもっともっといやらしい女にして下さい』って」
「そ、そんな……」
「言いたくなければいわなくてもいいのよ」
「わ……分かったわ……あたしの、きゃはははっ、おっぱいと、んあっ、ぐっしょりと濡れている、きゃはははは、女の子の恥ずかしい所を、ああっ、もっともっと、んあっ、悪戯して、ああっ、あたしをもっともっと、くふっ、いやらしい気持ちに、きゃははっ、してください……」
「よく言えたわね。それじゃ、望みどおりたっぷりしてあげる」
ついに毛の集団の激しい動きがミカの恥ずかしい女の子の敏感な部分に襲いかかった。
「はうっ、ああっ、それ、すごい……」
毛の一本一本がミカの敏感な蕾とメシベを撫で上げる。その度に、ミカの身体が大きくのけぞり、ガクガクと痙攣する。
「あっ、ああっ、もっと……」
「もっとしてほしいのなら、もう一度お願いしなさい。ただし、さっきのお願いの言葉よりももっともっといやらしい言葉でお願いするの」
その後ミカの口から出た言葉に、部屋にいた女子社員は息を飲んだ。
普段は周りの人たちのエッチな会話になかなか耳を貸そうとしないミカの口から、これほどまでに過激な言葉を引き出す事ができる事に、ただ驚くばかりだった。
「すごい。あたしも試してみたいわ」
ケイコが思わず呟いた。
「あなたの分もあるわよ。存分に評価しなさい」
レイカは部屋の隅に寄せられていた机の引出しから数個のビーカーとヘッドホンを取り出し、机の上に並べた。
ケイコをはじめ、部屋にいた女子社員たちがこぞって服を脱ぎ捨て、ビーカーを満たす粘液を自らの裸体に滴らし、ヘッドホンを装着した。
やがて彼女たちもまたミカと同じように、激しい笑い声と喘ぎ声を上げ、より激しい女の子の恥ずかしい刺激を求める恥ずかしい言葉を叫び続けた。
「あ、あたしも、もう我慢できない」
ミキ・ヤマムラが机の上に目をやったが、その時には既に机の上にはビーカーが残っていなかった。慌てて引出しを探ったが、そこにもない。
「そんな……あたし、もうだめ……」
ミキはレイカの所に戻った。
「お願い、あたしの分も借りてきて!」
レイカはミキの身体を引き寄せ、肩を抱き、耳元で囁いた。
「あれは評価用の試作品だから、もう他にはないのよ」
「そんな……あうっ!」
ミキがビクッと身体を震わせた。
レイカがミキのスカートの中に手を入れ、女の子の敏感な割れ目をパンティの上からなぞったのだ。その指をミキの目の前に見せつける。指には透明な蜜が絡み付き、ねっとりと糸をひいていた。
「ミキたら、とってもいやらしいのね。もうこんなになってるわ。こんないやらしい子には、あたしがたっぷりとお仕置きしてあげる」
レイカは再び指をミキのスカートの中に差し入れ、静かに動かし始めた。それど同時に、自らの唇でミキの口を塞いだ。レイカの指が動く度に、ミキの身体が大きく震える。
ミキもまた、自分の手をレイカのスカートの中に差し入れ、パンティの中心を指でなぞり上げた。
レイカの身体が大きくのけぞり、ミキの口を塞いでいた唇が離れた。
「あなたも、もうこんなにぐっしょりよ。人の事は言えないわね」
ミキがレイカの女の部分をまさぐりながら言った。
「そうよ。あたしもとってもいやらしいの。どっちの方がいやらしいか、確かめましょうよ」
レイカは答えると、再びミキの唇に唇を押し付けた。
二人はお互いの恥ずかしい部分を激しくまさぐり、身を震わせた。
会議室には、女子社員たちの笑い声と桃色の悲鳴と喘ぎ声が何時間も響き続けていた。
ミカに対する「お仕置き」は、午前中を通して続けられた。
昼食を取り終えたミカは、開発部の部長室に出頭する事となっていた。
自動ドアを通ったミカは、数体の少女型アンドロイドに出迎えられた。
壁際にはさらに何体もの女性型アンドロイドが立ち並び、柵には様々な形をした器具が並べられている。社外の者には一見して何に使われるのか分からない物ばかりであるが、それらに関する説明を聞けば、いやでも赤面せずにはいられないだろう。
「ミカ・サイトウさんね。待っていたわ。まずは座ってちょうだい」
地上の緑の風景を映し出す窓のそばの机の前に、妖艶な金髪の女が座っていた。彼女の視線は机の上で蠢く立体映像に向けられている。それは、さきほど新製品の実験台にされたミカの様子を録画した映像だった。
ミカは、妖艶な金髪の部長の勧めどおり、用意された椅子に座った。
「ふふっ、新製品を試した感想はいかがだったかしら? とってもよくできた製品ではなくて?」
「とってもいやらしい製品だったわ」
「そのいやらしい製品で、もっといやらしくなったのは、どなたかしら?」
机の上の映像が拡大され、ミカの恥ずかしい部分がアップになった。服が薄くなって消失し、内側の様子が露になった。花園から透明な蜜が溢れている。ミカの身体とその背景は次第に暗くなり、蜜が明るいピンク色で強調表示される。その蜜は、ミカの太股を伝い、膝やふくらはぎの辺りまでをもぐっしょりと濡らしている。
「ほおら、いやらしい証をこんなに流すなんて。製品のセンサーから恥ずかしい秘密を隠す事はできないわ。他にも、あなたがあの製品でどれだけ愉しんだか、各種データから手に取るように分かるのよ」
ミカの映像の脇に、脳波や体温の分布図、脈拍データなどが所狭しとばかりに現れた。
それらを眺める部長の目は、妖しく耀いている。
「それなら、その製品の使用感について私はこれ以上何も答える必要がないように思われますが」
「そのとおり。あなたを呼び出したのは、個人研修の為よ」
「個人研修?」
「そう」
部長は初めて顔を上げ、実物のミカの顔を見据えた。
「明日からあなたは、営業部に異動になるの。その為に必要な研修よ」
――営業部……そ……そんな……
ミカは一瞬耳を疑った。ミカの不機嫌な顔が、序々に恐怖の表情へと変わって行く。
「そ……そんな……よりによって……」
ミカは思わず呟いた。
「何が、よりによって、なのかしら。営業部は会社の利益に最も貢献できる部署なのよ。あなたは会社の利益に貢献したくないというのかしら?」
「私はこれまで製品開発によって会社の利益に貢献してきたんです。急に営業と言われても……」
ミカの脳裏に、昨日のユキ・ヨシモトの事がよぎった。
自分に経験のない仕事であるという事以前に、その仕事の危険さが気にかかった。
「これはあたしが決めたことではないわ。人事部によって決定された事なの。さっきのあなたの製品評価の映像を評価する事によってね。あなたには、ここで製品開発をしてもらうよりも、営業活動をしてもらった方が、会社にとって良い結果になると思われるそうよ」
確かに、人員配置を決めるのは「人事部」の機能であり、「開発部長」の機能ではない。その代わり「開発部長」は「人事部」によって開発部の社員の異動が決定された時、その主旨を対象となる社員に説明し、説得する機能を持つ。
部長も人事部の社員も人間だった頃には、部内の異動者は部長が決定する場合がほとんどだった。
しかし今、ミカの目の前にいる女性は「開発部長」というプログラムによって生成されたホログラム映像にすぎず、人事部の社員も存在しない。
ミカが今いる部屋も、普段は部長室ではなく、最高機密資料室と呼ばれており、「開発部長」が社員と面談する時のみ、過去の部長室に似せて改装されるのだ。
現在の「開発部長」も「人事部」も、会社内外のさまざまな情報を瞬時に集め、それらを総合して検討する事により、人間だった「開発部長」よりも的確に製品開発方針を決定する事ができ、人間で構成されていた「人事部」よりも的確に人員配置を決定する事が可能となっているという事を、ほとんどの社員が認めていた。
しかし、人事異動者を説得する為の会話機能については社員の評判はいま一つであり、その改善も困難を極めていた。
現にミカは、部長の今の発言に納得する事ができなかった。
「それって、どういう事ですか……」
「あなたのいやらしい仕種が、男たちを虜にするっていう事よ。虜にしてしまえばこっちのもの。こちらにとって有利な契約がいくらでも取れるわ」
部長の話は聞けば聞く程腹立たしいものだった。
「お断りします」
ミカが椅子から立ち上がろうとした瞬間、椅子のあちこちから細い紐のようなものが椅子の肘掛や背もたれから飛びだし、あっという間にミカの手足に絡み付いて拘束した。両手は背もたれの後ろに回され、足首も紐に巻きつかれ、椅子の脚に固定されている。
「ちょ、ちょっと、何ですか、この椅子は!」
ミカは身体を椅子から引き剥がそうともがいたが、どうにもならない。
「これはね、昔この会社で主力だった製品の一つなの。あまりにも古すぎて、あなたにも分からなかったかしら」
「昔の主力製品って、まさか……」
「そうよ、ふふっ、会社の命令を拒否するなんて、あなたって、とっても生意気なのね。その生意気ぶりがいつまで続くか、とっても楽しみ……」
部長が妖しい笑みを浮かべると同時に、椅子の上の、ミカのお尻をのせていた面が真中で二つに割れ、下に開いた。
次の瞬間、ミカはお尻全体にいくつもの突起物が触れるのを感じた。
椅子の背もたれから、先が小さな手の形をした細い腕が何本も伸び、下の方からミカのお尻を撫でまわしているのだ。
「い、いやっ、お、お願い、やめて……」
むっちりとした敏感な膨らみの上で円を描くように移動する無数の刺激に、ミカはたまらず身体を震わせる。
新たに伸び出した数本の別な腕が、ミカの太股を撫でさすりはじめる。
ミカは必死に身をよじるが、拘束された身体は無数の腕の悪戯から逃れる事ができない。それをいい事に、細い腕の動きは次第に大胆になっていく。手に触れられている部分の一つ一つが、くすぐったくてたまらない。
「ふふっ、どう? 今でもなかなか使えると思わない?」
「そ、そうよ……ああっ、今でもなかなか…使えるわよ。くふっ……んあっ……お願いだから、もうやめて下さい……」
ミカは必死に笑いを堪えていた。一度笑ってしまったら、もう止められなくなりそうだった。
「だめよ。これは、訓練なのよ。営業先ではもっといろんな悪戯をされるのだから」
「そんな……ああっ」
ミカは、新たな刺激に悲鳴を上げた。いくつもの新たな腕が、ミカのスーツの襟から内側に入り込み、ブラの中に浸入したのだ。小さないくつもの手が胸の膨らみを撫でまわし、先端の蕾を転がす。
さらに別ないくつもの手が指を妖しく動かしながら、脇の下や脇腹、そしてお腹の辺りをはい回っている。
「だめぇ、そこ、弱いの。きゃはははははぁ……」
ミカはついににたまらず、かん高い笑い声を上げた。
体中に押し寄せる妖しい刺激に、ミカは気が狂いそうだった。しかし、いくらもがいても無数の細い腕を振り払う事はできない。
椅子の下では靴を脱がされたミカの足の裏に細い腕が群がり、靴下の上を執拗に這い回っている。足の指の間にも小さな手の指が入り込み、執拗に刺激し続ける。
「きゃはははは、くすぐったぁい、お願い、もうやめて、お願い、きゃははははは……」
ミカは身を捩りながら狂ったように笑い続ける。
「本当にやめてほしいのかしら」
ミカのお尻を撫でまわしていた小さな手の一つが前の方へ異動し、ミカのパンティの上から最も大切な部分に触れた。そこは自分でも分かるほど、ぐっしょりと濡れていた。
「ふふっ、センサーが女の子の愉しんでいる証しを検知したようだけど、それでもやめてほしいと言うのかしら? 嘘つきにはお仕置きをしなければいけなくてよ」
小さな指先がパンティの上からミカの最も敏感なメシベを探り当て、執拗な悪戯をくり返す。その度に、ミカの身体がガクガクと震え、感じている証しが溢れてしまう。それが恥ずかしくてたまらないのに、どうすることもできない。
やがて、ミカの敏感な女の子の部分を悪戯していた手がいきなりパンティの中にもぐりこんだ。ミカの固く膨らみきったメシベを2本の指で摘むように震わせ始めた。そして同時に他の指が先から小さな毛の束を出し、その毛の束で敏感なメシベを撫で始めたのだ。
「はうっ、ああっ、な、何なの、お願い、だめぇ、ああっ、きゃはははは……あたし、おかしくなっちゃう、お願い、ああっ……」
部屋の中に、ミカのかん高い桃色の悲鳴が響く。
体中の至る所に無数の手から妖しい刺激を送り込まれ、同時に敏感なメシベを悪戯されているのだからたまらない。
ミカの恥ずかしい部分から沸き出した透明な蜜がパンティから溢れ、ポタポタと床に落ち、水溜まりを作っている。
「ふふっ、どう? もっとしてほしければ、『もっとして下さい、お願いします』って言うのよ。そうしないと、もうやめちゃうわよ」
部長の意地悪な言葉にミカは答えた。
「きゃははは、して欲しいわけなんて……ああっ……ないでしょ! んあっ……さっさと……きゃはははは……やめてぇ」
「やめてほしいの? 身体はそうは言ってないようだけど」
ミカを悪戯していた手の動きが弱まった。
それと同時にミカの女の子の恥ずかしい部分に切なさが広がった。本当はもっとしてほしくてたまらないのだ。
「お、お願い、もっと……」
「そんな言い方じゃ、だめよ。さっき言ったでしょ?」
部長に促され、ミカは恥ずかしい言葉を呟いた。
「もっと……して下さい、お願いします……」
「よろしい。そのかわり、嘘ついたお仕置きをたっぷりとしてあげる」
部長の言葉に合わせて、無数の手が再び激しく動き始めた。
「はうっ、ああっ、きゃはははははは、ああっ、あたし、もう……もうだめぇ、きゃはははは……」
「ふふっ、いい声。でも、このままじゃ、床がよごれちゃうわ。これ以上床にこぼれないように、吸い取ってあげる」
パンティの中に別な手が浸入した。
その手は指の先から細い管を伸ばし、それをミカの濡れそぼった花園の奥へと差入れた。管はミカの中で複雑に枝分かれし、その枝の一本一本が敏感な襞の間に潜り込み、染み出している蜜をなめるように吸い取る。その動きはミカをさらに激しく身悶えさせた。
「ああっ、今度は何なの? いやっ、ああっ、すごい、あははははぁっ、ああっ……」
敏感なメシベを悪戯されながら、中をくすぐられてはたまらない。
無数の細い管の蠢きは、ミカの中に桃色の稲妻を送り込み、メシベから送り込まれる稲妻と融合して激しさを増し、全身を何度も貫く。
やがてひときわ激しい快感の波が沸き起こった。今にも天の高みへと打ち上げられそうだった。
「ああっ、もうだめぇ、もう……ああああっ!」
ミカが叫んだ瞬間、手の動きが再び弱まった。ミカは天の高みに辿り着く寸前で再び引きもどされた。
「お願い、お願い、もっとぉ、お願い」
あまりの切なさに、思わず恥ずかしい言葉をうわごとのように呟いてしまう。
「やっと素直になったようね。でも、これはお仕置きなの。これからあなたには、もっともっと恥ずかしい悲鳴を上げてもらうわ」
再び手の動きが激しくなった。
無数の手の執拗な悪戯に、その後もミカは何度も舞い上がりそうになったが、その度に手の動きは意地悪く弱まり、その度にミカの口から恥ずかしい言葉を引き出したのだった。
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