「くすぐり゛き゛も゛ち゛い゛ぃ゛ぃぃいいひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
何度も何度も同じ言葉を叫び続けると、ある種の自己暗示がかかるらしい。
動画の日付は日曜日。二日間のくすぐり責めを受け続けた星野さんは、自発的に「くすぐり気持ち良い」と叫ぶようになっていた。
彼女の顔は涙と鼻水、涎でぐしゃぐしゃ。衣服も汗と尿で汚れている。
かなりの異臭を放っているだろうが、そんななかで、芦浦は星野さんの右足の指をしゃぶりながら、右手で左足の裏をくすぐっている。
「ぐぎぎぎっぎぎぎっ、くしゅぐりゅきもひぃいひひっひっひっひっひっひふにゃぁああ゛ぁ゛がががががっ!!!」
星野さんは普段の面影がないほどに破顔している。
白目を剥き、舌をだらりと出して笑い狂っている。
芦浦は、舌でれろれろと彼女の足指の股を舐め、指をくわえては、じゅるじゅると涎の音を鳴らした。
「ひぃいいいっひっひっひひっひっひ!!? ぐぎぎひひひ、く゛す゛く゛り゛ぎもぢぃいい゛ぃ゛ひひひひひひひひひひひひ〜〜!!」
芦浦が彼女の足指から口を離す。びろん、と彼女の足指に涎の糸が引いた。芦浦の顔には不適な笑みが浮かんでいた。
「俺さ、今日出かけるから」
芦浦は突然くすぐりを止めて言った。
「……ぐほぉ、ぎ、え、げぇ、へぇ、……くしゅぐり……きもひ」星野さんは咳き込み、嗚咽を漏らす。体はびくびくと痙攣しっぱなしだ。
芦浦は彼女の顔の傍まで歩いていく。
「帰ってきたら、またやってやるから、大人しく待ってろよ」
すると星野さんは、息絶え絶えに芦浦の顔へ視線を寄せた。
彼女の体はびくびくと痙攣している。ときどきぶるり、と妙な震動が起きる。
彼女は歯を食いしばるようにして、
「……だ、だれが。あん゛たなん゛か待つか……。は、やく、解放……し――」
言いかけたところで、芦浦が彼女の腋をくすぐる。
「うぎやぁ゛ぁ゛ははははっ!!? くすぐりきもちいぃいぃいいいぎひひひひいひっひっひひひっひっひっひっひ!!!?」
星野さんは、甲高い笑い声を上げると同時に、失禁した。
芦浦は手を止めてた。
その瞬間「あ、あ、あ゛……」と、彼女の体は禁断症状のように震え始める。
「もう体は受け入れてんだよ。素直になれ馬鹿」
「ぐ、……あが……」星野さんは、それでも白目を剥きながら歯を食いしばっている。口元に泡が吹き出ている。
「……そうだなあ、じゃあ、お前の意志で選べ」
芦浦はそう言うと、彼女の手首の拘束を解いた。
「……いぃ゛、ぎ……っ」星野さんは当惑した表情。
「このまま帰るか、待つか、選べ。優美香」
星野さんの体の震えが大きくなった。
「もう一回」
芦浦がそう言った瞬間、星野さんは、体を弓なりに仰け反らせ「くすぐり……きもひぃ……っ」と漏らす。くすぐられている間なんども聞かされた言葉で、体がトリップしまったのだろう。
星野さんは、ガクガクと体中を震わせて、
「ま゛、待ち、ま゛す……」
落ちた。
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