カイン作品

女子高生くすぐりバースデー

2.くすぐりゲーム
 私たちはお菓子やジュースを片づけました。
「どうやって遊ぶ?」
「あんまり時間がかかるのもあれだし、シンプルにババ抜きでいいんじゃない? ゆかりトランプ持ってる?」
 朋子がそう言うので、私はなかなか使う機会のないトランプを待ってましたとばかりに机の引き出しから取り出しました。
「じゃあルール決めようよ。」
「まあとりあえずくすぐられるのは1番負けた子ね。」
「そんなの分かってるわよ。」
「負けた子はゆかりのベッドに寝て、動けないように手足をX字型に縛って残りの4人がくすぐり役。ゲームは一応5回ってことにしない? もしかしたら1人1回づつくすぐられるかもしれないし、1人が5回くすぐられるかもしれないから、はっきり決められないけど。」
「いいよそれで。あとくすぐられる時間なんだけど、全部同じじゃ面白くないからサイコロ振って出た数で決めるのってどう? 例えば1だったら2倍の2分、6だったら2倍の12分とか。」
「そうね、その方がスリルがあっていいわね。」
「それから時間は厳守。もしくすぐる時間が終わってもまだくすぐる子がいたら、その子は無条件でサイコロを振ってくすぐられるのよ。」
「人間って笑いすぎると筋肉がゆるんでおしっこがもれちゃうらしいから、負けた子はまずトイレに行くこと。」
 その他いろいろみんなとの話でルールが決まりました。ババ抜きで負けた子がサイコロを振って出た数の2倍の分、1なら2分、6なら12分です。その間の休憩は無し。部屋の中なのでおしっこがもれないように、必ず1度トイレに行く。くすぐる時間をオーバーした子は無条件でサイコロを振ってくすぐり罰ゲーム。回数はとりあえず5回。
 全ての準備が終わり、ババ抜きが始まりました。私たちは5人とも妙な期待と不安を感じています。私はくすぐられた経験がないので、心の奥の好奇心が押さえ切れません。自分がくすぐりに弱いのかどうかもよく分からないのです。
「ああーー!!」
 そうこうしてるうちに最初のゲームが終わりました。声を上げたのは1番負けた香苗です。
「ほら、縛る準備しとくからトイレ行って来て。」
 私は心の中でほっとしたような、残念なような気持ちになりました。香苗がトイレから戻ってきてサイコロを振りました。4です。私たちはベッドに横になった香苗の両手両足を4隅に縛り、Xの形に固定しました。これで香苗は8分間、くすぐられても何の抵抗もできません。香苗の着ている薄いピンクの半袖ワンピースに浮き出て見えるブラジャーとパンツの線が、ハリツケの姿になってよけいエッチに見えます。私は香苗がほんとに動けないのかどうかを確認するため、スカートをめくってみました。純白のパンツはもちろん、ワンピースなのでその上の白いブラジャーときれいに手入れしている腋の下まで丸見えです。
「ちょ、ちょっとゆかりなにすんのよ!」
 香苗が言います。でも言うだけで体はX字のままなので、私はもちろん他の3人も香苗が全く動けないことを完全に確認しました。
「じゃあ始めるわよ。4だから8分ね。ストップウォッチ押すわよ。よーい、ドン!」
 優美の合図で、私たちは香苗の体を一斉にくすぐり始めました。
「き、きゃはははははははは!!や、やだ!あはははははははー!!」
 香苗がかわいい声で笑い出しました。優美は下半身の右側で、足の裏を中心に右脚全体を片手でくすぐりながら、もう片方の手で右の脇腹をくすぐっています。朋子は優美の反対側で、左脚全体と左の脇腹をくすぐっています。亜紀は上半身の右側で、半袖の上から腋の下を片手でくすぐりながら、もう片方の手でおなかの上あたりをくすぐっています。そして私は香苗の左の腋の下とおなかをくすぐっています。
「あーっはははははははー!!く、くす!ひはははははは!!くすぐったいいーー!
!!はははははははー!!」
 香苗は体を激しく震わせながら大きく口を開けて笑っています。
「きゃーっはははははははははははは!!あははははははははははーー!!や、やめてぇー!!ひゃはは!!あーっははははははははは!!!」
 私たち4人のくすぐりから、香苗の体が必死で逃げようとしているのが指先を通って伝わってきます。でも香苗は何もできません。ただひとつできることは、私たちに体中をくすぐられて手も足も出せずに笑い続けることだけです。香苗の体は、まるで意志があるかのようにビクビクと痙攣を続けています。
「もう!あはははははははははは!!もうダメー!!きゃはははははははははははは
はーー!!!」
「なんかこれって楽しくない?」
「うん、くすぐられてる方は分かんないけど、こっちは面白ーい。」
「あ、あははははー!!面白くないーー!ひゃーはははははははははは!!やめ!はははははははは!!やめてー!!きゃーっはははははははははは!!!く、くすぐったいってばーははははははははははは!!!」
「くすぐったい?」
「きゃははははははは!!くすぐったーい!いひひひ!はははははははーはははははははは!!」
「苦しいの?」
「ははははは!!苦しいぃー!!あはははははははははー!!お、おなか痛いーー!!ひゃーっはははははははははは!!きゃはははははははははははは!!!」
「でもやめなーい。だってまだ3分だもん。」
 私たちは意地悪な笑みを浮かべながら、身動きできない香苗の体を思う存分好き放題にくすぐっています。時には優しくなでるように、時には激しくえぐるように。
「きゃーーっはははははははははははは!!!し、死ぬぅー!!あーははははははははははーー!!ひーひひひひひ!!死んじゃうよぉー!!ははははははははははは!!!」
 6分が過ぎた頃、香苗の体から脂汗がにじんできました。ワンピースの腋の下の辺りが濡れてだんだん色が変わってくるのが分かります。全身からにじんでくる脂汗が、部屋の明かりに照らされて香苗の体をうっすらと光らせています。私たちは、体中をくまなくくすぐられて涙を流して笑い狂っている香苗の姿がなんだか妙にかわいくって、くすぐる指先もしだいに調子に乗ってきます。
「あはははははははははー!!ま、まだ!ひゃはははははははははは!!まだなのーー!!きゃーはははははははははははは!!!」
「もうすぐよ、あと30秒。」
「はーっはははははははははは!!さ、30秒くらい!きゃははははははははは!!まけてよぉー!!ひははははははははは!!苦しいぃーー!!ひゃーっはははははははははーー!!」
 私のベッドの上で香苗の体は激しく踊っています。おなかはくすぐられるたびにピクピクと細かく痙攣し、腋の下からは脂汗がにじみ出てきます。足の裏と指も別の生き物のようにクネクネと動いています。このままもっとこの子をくすぐっていたい・・・。頭の中でそう思ったとき8分が経ちました。
「はーいストップ。そこまで、ロープほどくわよ。」
「はあ・・・はあ・・・」
 私たちは香苗の手足のロープをほどきましたが、香苗はやっと自由になってもまだ呼吸が整いません。
「どうだった?」
 優美が聞きます。
「こ、こんなの全然気持ちよくないわ。・・・でもなんか・・・クセになりそう。」
 香苗が肩で息をしながら答えました。
「えーそうなのー。香苗あんたアブノーマルな方向にイっちゃってるんじゃない?」
「う、うるさいわね。そんなことより次のゲーム始めるわよ。たっぷりし返ししてやるんだから。」
「あら、し返しできるとは限らないわよ。次も香苗がくすぐられる可能性は十分あるもの。」
 そうこう言いながら、私たちは今まで経験したことのない緊張感の中で2回目のババ抜きを始めました。

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