てぃっくらーまいむ作品

夢の中へ

第1話
 其処はジャズバー。日夜仕事に明け暮れる大人達が今は亡きデューク・エリントン、アストル・ピアソラ、ルイ・アームストロング、ベニー・グッドマン等数ある名匠の影を追い、その高みへ近づかんとする者達の素晴らしい演奏を肴に、カクテルや目当ての異性に現を抜かす場所。カウンターに置かれたオレンジに揺らめく灯りは、そんな彼らを命ある限り照らし出す。
 コントラバスの奏でる重低音にピアノが軽やかに乗り込む。そして妖艶に絡み合うサックスとトランペットのソロバトル。その響きを、その場には見慣れない、そしておおよそ似つかわしくない可愛らしい少女が、落ち着かない様子で聞いていた。
 一番端のカウンター席に大人しく収まった少女は、ただ一人アルコールの入らないウーロン茶のグラスを傾け、その場の空気に飲みこまれない様に警戒し、挙動不審に視線を泳がせた。ジャズの素晴らしさも、アルコールの恐ろしさも、異性の味も知らない少女、はただ時が早く過ぎることを祈りながら、その空気の重圧に耐えていた。
 少女は誰かを待っている様に見えた。いやそうでなければこんな所にこのような少女が居る訳が無い。少女は恐々と顔を上げた。目線の先には10時の少し先を示すアンティークの置き時計が飾ってあった。
 少女は悩んでいた。こんな所に来て、本当に良かったのだろうかと。勿論、まだ学生服を着ているような少女が、このような場所に来るには、それなりの理由と経緯がある。しかし、少女は覚悟を決め兼ねている。それを表すかのように時々立ちあがろうとし、再び時計に視線をやり、深く息をついてから座りなおした。
「すみません、ミルクを一つ」
 そのとき、少女の隣にソフトハットを被った黒いコートと紺のスーツを着た細身の男が座り込んだ。少女は瞬時に視線を男に持っていった。
「浅井祐子(あさいゆうこ)さんですね」
 男は走ってきたのか息を切らし、店主が運んできたミルクを大急ぎでのどに流し込み、それを飲み干すと、白い濁りの残ったコップを店主に返した。
「そんなに堅くならないで下さい。こんな商売ですから若い人と話すのは久しぶりで、私の方が緊張しているぐらいなんですから」
 男は着衣の乱れを直しながら自嘲気味に笑った。その振る舞いは至って紳士的な態度である。
「あの・・・」
「なんですか」
「仕事はどのくらい・・・」
「下調べは終わりましたよ。フフッ、心配性なので再度確認しますけども、お相手は 川原天音(かわはらあまね)さんで宜しいのですね」
 細く鋭く尖った顎が笑った顔を崩さない男を余計コミカルにする。対照的に祐子と言う名の少女は疑り深い猫のように体を丸めて肩ごと頷いた。
「もう後には引けませんよ。私と出会ってしまった以上、ね」
 祐子はその言葉に体を震わせた。出会ってすぐの人間に自分の心の葛藤を見抜かれていたのだ。
 しかし、そのことは逆に祐子に決着をもたらせた。祐子はすぐ隣の男の顔をしっかりと見た。帽子で隠された眼以外は、案外普通の顔だった。
「報酬金額はどれくらいになりますか」
「・・・心は決まった様ですね。それじゃぁ・・・・・・ここの御代と、私のお勧めのカクテルを一つ飲んで頂くことですかね。あなたはまだ若いからサービスです」
 男は笑ってそう言うと、店主に目配せをした。威圧感のある大柄な店主はその意思を受け取り、驚く早さでカクテルを作り上げ、二人の前に出した。
「このカクテルの名付け親は私なんですよ。Tickle Contract.擽りの契約、ですね」
 祐子は男の話を聞いてか聞かずかそのカクテルをぐいっと一気に飲み干すと、一万円をカウンターの上に置いてすぐにバーを出ていった。男はその後姿を見送ると紳士とはかけ離れた、下卑た笑顔を剥き、カクテルを飲み干し、店主に追加を頼んだ。
「まだまだ子供ですね、大人というものがわかるのに、後五年か10年か・・・」
 今度は軽くカクテルを口に注いだ。丁度サックスのソロが天頂に達したところだった。


 午後の授業は退屈だ。
 特に私のように成績優秀、頭脳明晰、容姿端麗、おまけに・・・大きくは無いけども形の良い乳房とそれに見合うスレンダーなボディを兼ね備えた女には無知で愚かでヒステリックな女教師のつまらない、発音の悪い英語など習っても今後の生活はおろか、受験にすら役に立たない。
 私は反抗の意思を見せ付ける為に、一つ大きく欠伸をしてすぐ側の窓の外を見た。相変わらず都会の空は大人のように意地汚い色をした雲に包まれている。
「天音さん、この訳はわかりますか」
 少し目を離せばこれだ。何が楽しいのか授業に集中していない、可愛い、子をハイエナの様に探し回り、見つける度に訳やら意味やらを答える役を押し付けてくる。
 全く以って厚顔無恥な女、いや、厚いのは面の化粧かしら。そう思いながらも、正直にそれを伝えると学年主任のごつい顔から丁寧なお礼をが返ってくるので、私はすっと立ちあがった。
「私達の日常にはごみが溢れている。しかし人々はそれを見て見ぬ振りをするのである。で良いですか」
「・・・流石天音さんですね。皆さんもこれぐらい予習してきてください」
 どういたしまして、おかげで少し目が覚めちゃいましたよ、でもそんなことよりも気安く下の名前で呼ばないで下さい。とは言わずに私は静かに座った。もうずいぶんと慣れたものだ。
 私は不良である。周りはそうは思ってはいないようだけれども。
 確かに、不良にしては髪は黒いし、化粧もしていないし、付け爪、ネイルアート、装飾品等は一切付けていない。しかしそれは単に私が面倒くさがりなだけで、第一そんなものに頼らずとも男共はよってくるし、それに今のうちから化粧をして皮膚を傷めたり、ネックレスを付けて教師の評価を下げてみた所で何の得も無い。そんなものは賢くないブスがやるものだと信じている。
 それでも少しは不良らしいところもある。不良らしいと言って自慢になることは無いけど、不良らしいところはある。
 私にはストレスの捌け口にイジメをするための奴隷・・・とは聞こえが悪いから、なんというか、イジメ友達?という友達がいる。これはその名の通り、イジメたくなった時の為の友達である。しかし、イジメるにも親や教師、クラスメイトにばれては仕方ない。そのための肝がいくつかある。
 一つは、イジメる時以外は友達としてうまく付き合うこと。仲が良ければ教師に告発することは無い。
 けど、イジメが過ぎると、流石に自分達の関係に疑問を持つかもしれない。だから私はイジメる方法にも気を使わなければいけない。それには、相手を傷つけず、なおかつ十分に苦しむ姿の見られる、擽りでイジメる。という方法をとるのである。
 擽りならただ仲良しがじゃれ合っている様にも見えるし、相手も擽られているだけではそんなに強くでることもないだろう。
 この二つ目の肝は少しこじつけかもしれない。というのも私にはやはり少し擽り好きの血が流れている様で、この方法でイジメるのが、一番興奮するのだ。
 三つ目の肝は、イジメ友達、基擽り友達を一人に絞らず、四人ぐらいにするのである。こうすれば、相手は余計イジメられている感を感じなくなるし、相手の反応も多種多様でバリエーションが出てくるし、なにより、一人を擽るときに他の人に手伝わせれば一人でやるよりずっと楽なのだ。
 私は目の前の小さな背中を見た。その子こそ擽り友達の内の一人、浅井祐子だ。
 祐子はこの擽られ友達の中で一番の小柄で擽ったがりだ。それに内気であまり友達もいないから、私自身が言うのもおかしい気もするけど、私だけが唯一の友達、のようなものなので扱いやすいのだ。
 私はボールペンの蓋をしたまま祐子の背中にぴたりとボールペンの先を付け、ゆっくりとボールペンをなぞり下ろした。あからさまに我慢しているのがわかる震え方をし、 椅子を引いた。そんなことをしても無駄ですよ祐子ちゃん。
 発音の悪い女教師に気づかれない様に、少しずつ机を前に出し、今度は逆に、一気に背中を上りうなじをくりくりと擽った。祐子は小さな体をさらに縮めて、亀の様に首を窄め、もぞもぞと逃げる。前に一度変な動きをしているところを教師に見られたことがまだ尾を引いているのか、それ以上は激しく動かない様にしていた。本当に祐子は素直で、擽ったがりで、可愛い。そして私は大人以上に意地が悪い。
 そのまま暫くずっと祐子の悶える様を楽しんでいた。
 私はボールペン越しに祐子を愛撫しながら時計を見た。女教師が丁度授業を終え、チャイムが鳴ったところだった。起立の号令が掛かり、私はボールペンを仕舞って立ちあがった。祐子はほっとため息を吐きながら立ちあがった。私が男だったなら確実に反応しているモノがあるところに疼きを感じていた。
 今日のターゲットは残念ながらたった今祐子に決定した。
「ねぇ祐子、今日は柔道場に早く行くよ」
 それは合図だ。祐子は少し不満そうに、そして不安そうに私を見たが、私は気にしなかった。私は祐子と他の三人を連れて柔道場で今日の仕事をこなすのである。
 この学校の柔道部は弱小だ。柔道の推薦で入った私がいなければ去年にでもつぶれていただろう。
 柔道部の部員は私を含め五人である。顧問の教師は耄碌したおじいちゃんで、誰かが呼びに行かなければずっと職員室でお茶を飲んでいる。故に邪魔は一切入らないのだ。
 私以外の四人の部員はは祐子を含め全員私の擽り友達である。
 そして今日も祐子の逃げ場は無い。


 柔道場は校舎とも体育館とも敬遠された校庭の隅に離れとして、申し訳なさそうに建っている。私達部員以外は近寄ろうともしないという、私にとっては最高の立地条件に在り、実に有効に使わせてもらっている。
 私達は手馴れた様子で、いつもの様にドアも、窓もカーテンも全て締め切った。
 畳の上には既に青いレジャーシートが敷かれている。私達はこれを外して練習をしたことが無い。
 この学校の体育の授業には柔道の項目は無い。勿論物臭な顧問のおじいちゃんも様子を見に来ることは無い。おじいちゃんは試合で勝ってくれさえすれば良い思っている様で、実際そこそこの成績を残している私達に御節介をする気持ちはないらしい。指導者としては問題なのだろうけど、私としてはとても有り難い事である。
 でも、練習をしないというわけではない。寧ろきちんとした部活の時間は練習に当てている。ただその内容は少し変則的だけども。
>  私の部活には代々総掛かり稽古というものとりいれている。これは部員全員で一遍に稽古する方法で、予めある程度の時間を決めて、その時間の中で手の空いている相手を探し、組稽古をすると言うものである。
 さらに私はこの稽古に改良を加えている。一つは当然だけど、組み手中は私は絶えず相手を擽る。立っている時はまだ自由に動けるから比較的激しくは擽れない。
 しかし寝技に持ち込んだ場合にはそうはいかない。身動きの取れない状態にさせ、時間いっぱい、気絶するまで擽るのだ。
 そしてこの稽古の最大のミソは次である。通常は強い人が多く組み手をこなすことになるのだが、私達のルールで、稽古を始める前に予め誰を狙うか決めるのである。そして全員で一斉に掛かり、擽るのだ。
 最後に欠かせないのは、稽古を行う際の服装だ。擽る側の四人は当然柔道の稽古だから、柔道着を着用する。けれど、擽られる一人は、肌触りの良い、丈夫な、シルクの、部費を使いこんで買ったパジャマを着る。これなら投げ技で掴むところに困らないし、擽るときにも厚くて堅い柔道着の生地に邪魔されることが無い。
 私達はしっかりと柔道着を着込んだ。そして祐子は私の指示通り、パジャマを着て構えていた。
 この練習方法は、なかなか効果的だと私は自負している。相手は寝技には持ち込まれたくないから、必死で技を返し、耐えようとする。寝技に持ち込まれ擽られるときも、擽られる側は相当抵抗するし、擽る側は逃げられない様にうまく技を掛けていく。事実、ついこの間まで素人同然だった祐子が、今では有段者並みの実力をつけつつある。
「じゃあ始めて、今日は祐子と・・・あなたね」
 その日のターゲットがシートの上に尻をつけるまでは外野はほぼ手を出さない。
 あまりにも立っている時間が長引いている時か、もしくはその日の機嫌が悪い時ぐらいだ。
 祐子は仲間内では私の次、つまり二番目にうまいと思っている。それでも私は手を出さない。先に地面に落ちるのは祐子だと確信を持っているから。
 大抵の子は早めに勝負を決めようと、隙を突いては相手を擽って抵抗力を無くさせようとする。それに対し祐子は何故かは分からないけど、頑なに柔道の技のみで対抗していた。
 擽られて身を捩りながらも、譲らず果敢に攻めていく。決して賢い判断ではないと思ってい るが、私はそんな純粋な祐子がこれ以上無く好きだ。
 畳みにたたきつけられた綺麗な音と、シートの揺らめく無機質な音が聞こえた。
 もう決着はついたでしょう。
 観戦していた子達はここぞとばかりに、一斉に祐子に飛びかかった。私が祐子の所にたどり着く前に、すでに三人によって体の動きは封じられていた。
「祐子ちゃん、今日はいつもより早いんじゃない?努力が足りないよ?」
 仰向けに固定された祐子の小さな体の上にまたがると、私は意地悪く耳元でそう囁いた。どうやらさっきのボールペンの悪戯が利いているらしく、いつも以上に擽ったさに敏感に反応する。
「だって・・・ふむぅっ!やだっ、いきなり・・・」
 私は喋りかけた祐子の首筋にそっと指を差しこんだ。そうだ、私が祐子を好きな理由がもう一つあった。そう、この可愛らしい声だ。高くて、甘くて、細い声。これにビヴラートを掛けた響きが私の今一番好きな音楽だ。
「ほ〜ら、頑張って脱出しないともっとくすぐったいよ、・・・こしょこしょこしょこしょ」
「んふっ、やだっ、クスグル真似もだめぇっ」
 本当に今日の祐子は可愛い。まだまだいたぶり初めなのに私の理想通りの反応をしてくれる。その反応に気を良くした私はゆっくりと指を脇腹に近づけてゆき、そしてシルクの布に軽く触れる程度の繊細な力加減で指先を蠢かせる。
「・・・・ぅっ・・・・・ぅふっ・・・・・・・ひっ!・・・・」
 指の触れる位置を少しずらすだけで、指にいれる力を少し強くするだけで祐子は小さく呻き声をあげる。まだまだお楽しみまでは程遠いというのに。
「頑張るねぇ・・・じゃぁそうだね、足の裏と甲を擽っていいよ、優しくね」
 私は、耐える祐子にさらに意地悪をする。足を押さえていた子に足の優しく擽るよう命令した。
 待っていましたと言わんばかりに、その子は十本の指を駆使して、さらに祐子を悶えさせる刺激を与え始めた。
「・・・くくくくくくくぅぅっ・・・・むぅふふっ、・・いやっ・・・・」
「擽ったい?」
 私は耳元でそう祐子に尋ねた。擽ったさに震えながらもぷるぷると首を横に振るった。擽ったいと言えば、私はもっと祐子をイジメたくなるのを知っているからだ。
「じゃぁもっと擽っちゃおうかなぁ?」
 私は祐子のほっそりとした柔らかな二の腕に、今度は十本の指で刺激を与えた。
 数ある祐子の弱点の中で、私がじっくりいたぶる時に一番好きなのがこの二の腕だ。
 程よく感じやすいし、感触も良い。さらに顔に近く、指の動きが見て取れる位置に在る為、余計に裕子の擽ったさを煽ることが出来る。
「ダメってばぁ!・・ぅくくくくくくふふふふぅ!」
「ほら、これでもか?これでもか?」
「やだぁっ!」
 娘とじゃれる親父のような口調で祐子を攻めたてる私。興奮は押さえきれず、欲望はどんどんと裕子の身体の上を這い回る。
「あはっ!あはっ!だっ!はっ、だめぇ!ごめんなさ・・ははっ!いひひひ!くすぐったい!くすぐったいの!」
 気がつけば二の腕だけでなく脇の下も擽っていた。それでも私はまだまだ祐子をじらす。
「これならどうかな〜?いっぽんば〜し〜こ〜ちょこちょ」
 使い古された懐かしい遊びを裕子の身体で勝手に試す。腰の骨から指の足が歩き回り、時々こちょこちょと皮膚を刺激する。そろそろ祐子も笑いが止まらなくなり、言葉を発するのが辛くなってきているみたいだ。
「きゃぁっ、はははははははは!きゃは!きゃは!やはははふふふふふぅん!」
「むふふ、はははははははぁ、ああ〜〜〜〜っぁあっはははは!やめぇえ〜!」
「うぬ?っはぁ!だめだよぅ!だめってばぁ!天音ちゃんやめてぇ!くすぐったい!くすぐったい! くすぐったい!くすぐったいよぉ!」
「あなたたちも擽っていいわよ」
 そろそろ祐子は限界が近づいてそうだった。私は一旦擽りを止めると、いままで押さえつけているだけだった子らに擽りを許可した。祐子は刺激が増えてより一層擽ったがって声をあげた。そして私自身は、裕子のパジャマのボタンを下から四つほど外すと、これまた可愛いお臍の見えるお腹に手をやった。
「祐子ちゃ〜ん、お腹なでなでしますよ〜、なでなで〜」
 終いには、小児科の看護婦さん口調で裕子のお腹を撫で始めた。ここは裕子のベストスリーに入るほど擽ったい場所で、特に強い刺激を与えなくても、十分反応する場所だ。
「あははははっはは!うひひひ!くくくくくぅくくくく!おなか!きゃははは!おなかぁ!」
 半ば泣くように笑いながら必死にお腹が擽ったいと主張しようとする。しかしあまりの擽ったさにちゃんとした言葉にはならず、お腹が、と連呼するだけになってしまう。裕子の限界を悟った私は、くるっと後ろに向き直った。そして裕子の最も擽ったがりな太腿とその裏側を擽り始めた。
「きゃあぁぁぁああああっははははははははははは!」
「ふひゃあはぁ!うへへへへへ、うはははははは!もうダメ!もうダメだってばぁぁぁ!」
「だめぇぇぇぇぇええええええええええ!あははははははっ、あぁあああぁああぁぁあぁあ!」
 突然激しく痙攣し始めると、今度は猛然と最後の力を振り絞って四人を振りほどいた。そして絶叫と共に最後の力を使い果たすと、溜まりに溜まった刺激が、オシッコという形で勢い良く溢れ出した。
 絶頂に達し、頭の中は真っ白だったはずなのに、この子は私をオシッコから遠ざけようとした。奴隷、などと嘯いてみても、やっぱりこの子は純粋で可愛いと思いたくなる。レズのケは無いが、ひどく愛しく感じてしまう。
 私はパジャマをするりと脱がせると、用意してあったバスタオルで全身と、溢れ続けるオシッコを拭った。寝ている最中だと言うのに未だに体の各部に触れれば必ず反応する。どこまでこの子は可愛いのだろう。


 しかし、私は知らなかった。祐子が密かに、私への反逆を企てていたことを。


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