月夜視点
私はあーちゃんに「アカリちゃん攻略法」を伝授した。
「ねーあーちゃん。アカリの事、愛してる?」
あーちゃんは真っ赤になった。初々しくてかわいい。食べちゃいたいくらいだ。
「もちろん愛してます。本気です」あーちゃんは答えた。
「私とアカリどっちが好き?」
「アカリです」あーちゃんは即答しやがった。ちょっとむかつく。
「もし私があーちゃんに告白したら、あーちゃんどうする?」
「もう、からかわないでくださいよ」
「私、本気だよ」
言ってしまった。この10年間言えなかった気持ちを口にしてしまった。
あーちゃんが沈黙する。私にとっては無限にも等しい沈黙。
「オレのアカリへの気持ちを試してるとかじゃないですよね?」
「私はそんなことしない」
「……月夜さんの事は好きですよ」
「姉として?」
「一人の女性としてですよ」
あーちゃんが真剣な目で私を見つめる。正直ちょっと照れる。
「でも、今はアカリが一番好きです」
あーちゃんはきっぱり宣言した。うんうん、それでこそ私のあーちゃんだよ。
最愛の妹を任せるにあたいする人材だね。
あーあ、ふられちゃったのかな?私。
「私、アカリの次でもいいよ?」なに言ってんだろ私。
あーちゃんは動揺したような表情を見せる。
このままあーちゃんを口説き落としてしまおうか。アカリも文句は言うまい。
『いつも独りだぁ♪孤独戦隊ヒトリナンジャー♪〜幸せが憎い』
ガッデムせっかくのいい雰囲気が台無しだぜ。
私はポケットから携帯を取り出した。携帯は相変わらず馬鹿な着うたを流しつづけている。
歌は私の中でプチ流行している特撮ヒーロー、孤独戦隊ヒトリナンジャーのテーマ曲だ。
はっきりいってムードぶち壊しである。
私は電話をかけてきた相手を心の中呪った。
画面に表示されている名は私の親友でもある生徒会副会長の佐倉桜。
またなんかミスをしでかしたな。あのドジっ娘め
「あーちゃんゴメン。私、帰るわ。アカリの事よろしくね」
私は早口で言うと電話を受けながら、あーちゃんにひらひらと手を振った。
秋視点
月夜さんが騒々しく帰った後、オレは部屋の掃除を始めた。
オレは整理整頓が苦手だ。そのためかオレの部屋は数日で混沌と化す。
さすがに部屋を汚くしたままで、恋人を迎え入れるのは気が引けるのだ。
散らかっていた私物を押入れに強引に押し込んで視界から消す。
「まっこんなもんか…」オレは呟いた。
壁にかけられた古めかしい鏡にオレの姿が映っている。
月夜さんが「ちょっとは容姿に気を使え」と言って勝手に掛けていった物だ。
鏡に写る自分の姿を睨む。オレは自分の容姿があまり好きではない。
鏡面とにらめっこする事数分、オレはチャイムの音で我に返った。
「秋くーん。きたよー」アカリの声が聞こえる。
「開いてるから、勝手に上がれよー」
1分と待たずにアカリは部屋にやってきた。
白いミニスカートに黒のカーディガン。いつもよりちょっぴりおしゃれな気がした。
「よぅ」声が裏返ってしまった。
「うん」アカリが無表情のままコクンとうなずく。
アカリはポーチを床に置き、愛用のクッションに座った。
「しよっか?」アカリが淡々とした口調で言った。
「いいのか?」
「秋君になら、なにされてもボクは平気だよ」
オレのゴクリと唾を飲みこんだ。
「秋君。ボクね……」アカリは一瞬、言いよどむが言葉を続ける。
「くすぐられるの…大好きなんだ」アカリの頬がわずかに赤らむ。
「え?だって昨日…」
「昨日のは半分嘘。女の子くすぐるのも好きだけど。くすぐられる方が好き」
「なんで嘘なんかついたんだよ?」
「アブノーマルな趣味だから、嫌われるかと思って…」
「じゃあオレにくすぐられるの嫌じゃないの?」
「むしろ嬉しいくらいだよ。大好きな人にくすぐってもらえるなんて幸せだよボクは。
さあ思う存分くすぐっていいよ」
アカリはベッドに身を投げ出した。いつのまにかカーディガンを脱いでいる。
カーディガンの下は淡いピンクのノースリーブのタンクトップ一枚だ。
ミニスカートから伸びる、すらっとした足がオレの欲情を刺激する。
「秋君。ボクのポーチ取ってくれる」
「ポーチ?なんで?」オレはポーチをアカリに手渡した。
アカリはポーチの中からひも状のものを取り出した。
「これでボクを縛って欲しいな」アカリはとんでもないことを言った。
「いいのか?縛って?」
「ボク、暴れると思うから縛って欲しいの。逃げたり抵抗したりできないように」
「じゃあ遠慮なく」オレはアカリをベッドに縛った。
手足を大きく伸ばした状態でベッドの支柱に縛りつける。
「これで逃げられないよ」オレはアカリの目の前で指をワキワキと動かして見せる。
「んんっ」まだ触れてもいないのにアカリが身をよじる。
「秋君。ボクの事いじめて欲しいな」
「い、いじめるって…どうやって?」
「昨日したみたいに、ボクに意地悪して欲しいの」
「わかった。その代わりさ、『ダメ』とか『やめて』とか『許して』とか叫んでくれると燃えるんだけどな」
「それなら大丈夫だよ。ボク、くすぐったがりだから必死に懇願すると思う。
あっでも、ボクが泣き叫んでもやめなくていいからね」
オレはアカリの上にまたがると、すべすべした二の腕を優しくくすぐり始めた。
アカリがビクンと反応する。くすぐりから逃れようと必死にもがく。
「ここ弱いのか?」オレは意地悪く聞いた。
「そこは…わりと平気なほう…ああぅ!く、くすぐったい〜」
アカリは頭をブンブンと振り乱す。
「秋君…お願い。許して…くすぐったいよぉ」
その言葉がオレの理性を破壊する。オレは腋の下を優しくかきまわすことにした。
「ああっん。腋の下は…弱いのぅ…くん!ひゃぁぁぁぁ〜ん〜んん!」
アカリが激しく身悶えする。腋の下はかなり敏感なようだ。
「アカリ。くすぐったい?それとも気持ちいい?」優しく囁く。
「あうっ!…うん。くすぐったくて…気持ちいいよ」アカリが喘ぎ喘ぎ答える。
「じぉあもっと激しくするね」オレはアカリの返事を待たずに指を加速させた。
アカリの反応が格段によくなる。
「ダメダメダメ!くすぐったいくすぐったいくひゅぐっひゃい〜」
あまりのくすぐったさに呂律が回らなくなってきたようだ。
「アカリ、声だしちゃダメ。我慢我慢」
「ん!わかった…我慢くふぅ!する…ね」アカリは声を出すまいと必死に耐える。
オレは腋の下への責めをアカリがギリギリ我慢できるレベルに手加減した。
アカリの体がビクビクと反応する。両足がバタバタと空を蹴る。
「アカリ。暴れるのもダメ。おとなしくして」
アカリの望み通りオレは意地悪を開始した。アカリは手足に力をこめて暴れないように耐えている。
両手でシーツをぎゅっと握る。体がプルプルと振るえる。
「アカリ、手を開いて。握っちゃダメ。あと体から力を抜いてね」
体に力を入れないでくすぐりに耐えるのは至難の技だ。
「んんんん!ん!ん!んんん!」アカリの口からうめき声が漏れる。
「アカリ、歯を食いしばるのもダメ。口半開きにして」
アカリは言われて通りにわずかに口を開く。その瞬間を狙ってオレは指先をドリルのように腋の下につき立てた。
「ふみゃあああああああああああああ!!」アカリはたまらずに悲鳴を上げる。
オレの容赦なく指先で腋の下のポイントを責めつづける。
「あうあうあう!それダメぇ〜!や、やめて!秋君許して!」
オレはアカリの上に覆い被さるようにして彼女の体を押さえこんだ。
アカリを押さえつけたまま腋の下をくすぐりつづける。
『押さえつけながらくすぐると、くすぐったさ倍増で悶絶するよ』
月夜さんの助言通り、押さえつけくすぐりはかなりキクようだ。
アカリのほとんどペッタンコな胸がオレの体に押し付けられる。
「我慢できなかった罰だ。しばらく悶えてもらうからな」
オレはアカリの首筋に吐息を吹きかける。
「あああーーーーーー!く、首は…敏感なの…刺激しないで…」
オレは首筋に口付すると舌先でチロチロと攻め始めた。
アカリはブンブンと頭を振って逃れようとする、オレはアカリの動きに合わせて舌先を移動させ、無防備なポイントを責めたてる。
「んぁつ!あん…ああう。あう!きゃ!きゃう!」
先ほどまで笑い悶えていたアカリの声が色っぽいものに変わってくる。
『首は性感ポイントだから優しく攻撃する事』アカリ攻略法の一つだ。
「や、やめてぇ。お、おかしくなっちゃう…ふみゃあああ!」
アカリの顔は真っ赤に染まっている。
「じゃあこんなのはどう?」オレは首を解放すると、真っ赤に染まった耳たぶに口をつけた。
「耳はダメぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
オレはアカリの頭をかかえこんで逃げられないようにする。
『アカリは耳相当弱いわよ。なんせ敏感過ぎて自分で耳掻きできないくらいだもん。
まあ、それは私もなんだけどね…』と月夜さんは言っていた。
オレは唾液でベトベトにしないように注意しながら耳たぶに舌を這わせる。
無論腋の下をくすぐる手を緩めたりしない。
耳はあまり責めすぎるとすぐにイってしまうらしいので、少し加減する。
「お願いだから、耳舐めないでぇ」アカリが悶えながら懇願する。
「じゃあ耳責めない変わりに服脱がしてもいい?」
「うん。いいよ…秋君の…好きなようにして」
オレくすぐりを中断するとタンクトップを捲り上げる。
フリルのついたかわいらしいブラジャーが丸見えになる。
アカリのバストは相変わらず平たい。ふくらみもわずかだ。
「あんまり見ないで欲しいな。ボク…姉さんみたいに胸大きくないから…」
アカリは恥ずかしそうにもじもじする。その姿がたまらなく愛らしい。
オレはアカリの肋骨に指を伸ばす。そのまま骨と骨との隙間に指を滑らせる。
「アカリ。この辺コリコリされると、ものすごくくすぐったいって知ってる?」
オレは彼女が痛みを感じない程度にコリコリと刺激する。
指先が数ミリ動くだけでアカリの体が痙攣する。かなり効いているようだ。
先ほどの気持ちいいくすぐりとは違って、今度のは快感を伴わない純粋なくすぐり地獄だ。
「あははっ。秋君。そこ、すごく……あああん!ダメダメダメぇ!」
オレは執拗にくすぐりを続ける。
「アカリ。立ってるぞ?」オレは意地悪に囁いた。
アカリの乳首はブラジャー越しでもわかるくらいに立っていた。
「違う…これは秋君が…ひゃあああああああああああああああああああああああ!!」
アカリが反論しようとした瞬間を狙って指をわき腹に移動させた。
わき腹はアカリの最大の弱点だ。わき腹くすぐりは半狂乱になるほどキクらしい。
アカリは声にならない悲鳴を上げてのた打ち回った。
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