聖華学園の鏡 |
「ちょっと……どうしてまだ階段があるわけ?」 ようやく1階にたどり着いた美奈子は、薄暗い地下へとさらに続く階段を指差した。 この学園には地下の階はなく、当然1階よりも下へと続く階段など存在しないはずである。 美奈子の女の子の部分は極限状態のさらに極地へと追い込まれ、ぴったりと閉じ合わせる太腿もじっとしていられない。 「それは……私が私のいた世界で使った……おまじないのせいよ。この階段を降りた所にある……地下の階のどこかに……この学校の秘密が……隠されているはずよ」 優子の方も激しく身悶えながら太腿を激しく擦りあわせ、恥かしい足踏みを繰り返している。 「さ……早く……行きましょう」 優子は激しい欲求を全身を震わせながら懸命にこらえつつ、薄暗い階段を降りていく。 「あ……ちょっと待ってよ……」 美奈子は少しでも動けば今にも恥かしい水に屈服してしまいそうな身体に渾身の力をこめ、手すりに寄りかかりながら懸命に優子の後を追う。 階段を降りきった所は1階に比べてかなり暗いが、何も見えないわけではなかった。 二人の目の前には、石でできた壁があった。 白い波のような筋を所々に見せる黒に近い緑色のその壁は、表面が非常に滑らかで平らだった。 鉄筋コンクリートでできた校舎の建物にはあまりにも場違いな印象を与えずにはおかない。 「ちょ、ちょっと……んぁっ……ここ……行き止まりよ……」 美奈子にとっては、その壁の印象はともかく、せっかく女の子の欲求を必死に我慢してここまできたのに、また引き返してどこか別の所に行かなければならないというショックが大きかった。 女の子を責め続ける欲求が、今や目の前の石の壁以上に重く大きく感じられる。 「ああっ……あたし……もうだめ……」 美奈子の口から恥かしい諦めの言葉が漏れる。 「美奈子……しっかりして……ここが入口なの……間違いないわ」 優子は全身の力を振りしぼり、せわしなく足踏みを繰り返しながら片手でスカートの前を力いっぱい押さえながら、もう片方の手で石の壁をさぐっている。 「ここだわ!」 優子が叫んだ。 「えっ……ええっ……?」 美奈子はあまりの驚きに、再び女の子の部分から気がそれそうになった。 噴出しようとする恥かしい水を渾身の力で食い止める美奈子の女の子。 美奈子が驚くのも無理はない。 優子の手は、腕の中ほどまで切れ目のない石の壁に埋まっていたのだ。 しかも、その手はさらに何の抵抗もないかのように、石の中を進んでいるようだ。 「美奈子も早く来るのよ」 優子は太腿をしっかりと交差させ、渾身の力を込めて付け根を女の子の部分に押し当てつつ、その部分をスカートの上から押さえていた片手を放し、その手で美奈子の片手を掴んだ。 「ちょ、ちょっと……優子……」 美奈子は片手を優子に引かれ、片手を股間にしっかりとあてがい、目の前の異常な現象に驚きの表情を見せている。 「美奈子、驚くのはいいけど、漏らしちゃだめよ。ここまで来た苦労が水の泡になるわ」 優子の忠告にハッとした美奈子は、美奈子の隙を狙って突進しようとしていた恥かしい水の噴出を食い止めるべく、再び女の子の部分と太腿と、そこを押さえる片手に渾身の力を込める。 優子の手に掴まれた美奈子の手がついに石の中へと入っていった。 手は、まるでその場所に何もないかのように、何の抵抗もなく入っていく。 「いや……入っていく……入っていく……」 美奈子は未知の現象への不安、そして女の子の部分の悲鳴に声を震わせている。 ついに美奈子の目の前に壁が迫り、視界が闇に包まれた。 そして数秒後、再び視界が戻った。 そこは、薄暗く長い廊下であった。 壁や天井、床は、さきほどの入口の壁を作っていたのと同じような、表面の平らな石でできている。 明かりらしきものはどこにもないが、廊下全体を緑色の光が淡く照らしている。 石の表面に明るく浮かび上がっている波のような筋の模様は、見方によって宇宙に浮かぶ星々のように見えたり、あるいは尻を引く火の玉のように見えたりする。 「なんだか、とっても奇麗だけど、不気味な所……あっ……だめっ、あたし、漏れそう……」 美奈子は小さく呟いたつもりだったが、その声は以外と大きく、そして長い時間に渡って廊下に響いた。 「だめよ……まだまだ我慢しなきゃ……せっかくここまできたのよ……頑張って」 優子が声をひそめて美奈子を励ます。 その優子も今や太腿を前後に擦りあわせながらその付け根をスカートの上から両手で力いぱい押さえ、腰を激しくゆすっている。 優子が足踏みをしながら前に進む度に、スカートに包まれた可愛らしいお尻が大きく揺れる。 美奈子も必死に太腿を擦りあわせ、腰をゆすりながら優子の後に続く。 「ねえ、優子……一つ聞いていい? どうして優子は……ここにこんな場所が……あるっていう事を……知ってるの?」 「それは……実は私の姉が心霊研究家で……私が学校での事を話したら……学園の事を……いろいろと調べてくれて……パラレルワールドの美奈子の空間に……この場所への入口があることが……分かったの。それから……姉はあなたの空間に……コンタクトするためのおまじないも……教えてくれたわ」 「調べたって……どうやって?」 「それは……現地調査とか……文献とか……いろいろと……シッ!」 十字路にさしかかった所で優子は人差し指を口元に当てた。 右の通路から、コツコツと固い足音が聞こえてくる。 二人は壁に身体を押し当て、様子を伺った。 修道女のような服装をした若い女性が二人のいる方に向かって歩いてくる。 二人はなるべく身体を動かさないようにしながら様子を伺っていたが、女の子の部分を責める執拗な力に、なかなかじっとしていられない。 全身がこわばり小刻みに震えるのをどうする事もできない。 まともに目を開けている事すら大変だった。 二人は渾身の力を振り絞って恥かしい水の噴出を食い止めつつ、身体をもじもじと動いてしまうのを必死にこらえながら、必死に目を開いて様子を伺っていた。 修道女の姿が次第に近づいてくる。 「どうしよう……見つかっちゃうわ」 美奈子が声をひそめて優子に言った。 「大丈夫みたいよ」 「え?」 美奈子が再び修道女の方に目を向けた。 彼女はその時彼女から見て右の方に曲がり、二人の視界から消えた。 「私たちも行きましょう」 優子は修道女の消えたあたりに向かって進みはじめた。 美奈子もその後に続く。 左手の壁に、人が通れるほどの間隔が開いており、その向こうは学校の教室を思わせる部屋になっていた。 木でできた机と椅子が並べられ、その椅子に制服を着た女子高校生と思われる大勢の女の子たちが座っている。 ただ、普通の教室と違うのは、そこが太陽の光や電灯で明るく照らされているのではなく、二人が通ってきた廊下と同じ薄暗い緑色の光で照らされている事、そして生徒たちの着ている制服が統一されておらず、さまざまな制服を着た女子生徒がいるという事、そして、教室というよりは体育館ほどもあるその部屋の広さだった。 二人のいる場所は、ちょうど教室の右斜め後ろの入口といったところだった。 教室と廊下との間の壁がかなり厚く、二人はその壁の陰にかくれて中の様子を伺っていた。 二人は前の方の様子を見ようと身を乗り出した。 教室の中の女子生徒たちは、外国人ららしく、髪の毛の色の薄い、おそらく金髪と思われる少女も多く混ざっている。 教卓らしきものの前で生徒達の方を向いて先生よろしく立っていたのは、さきほど見かけた、あの修道女だった。 「ねえ……優子……あの女の人の顔……どこかで……見たことあるような気が……するんだけど……」 美奈子が声をひそめて言った。 「あの人が……さっき廊下で……見た人よ」 「そうじゃなくて……」 「シッ……とにかく……しばらく様子を見ましょう」 優子はまた口に人差し指を当てて見せた。 美奈子が教室に目を戻した時、それまで何も置かれていなかった女子生徒達の机の上に、ティーカップと大きな壷が現れた。 修道女が口を開いた。 「それでは皆さん、これから再び乙女としての訓練を始めます。まずはあなたがたの机の上に置いてある聖なる水を飲みなさい」 先生の言葉に従い、女子生徒たちは、机の上の壷を両手で持ち上げ、その中の水を飲みはじめた。 水の量はかなり多く、水が喉に流れ込む音や、時々口を離して息を整える彼女たちの息遣いが教室に響く。 それは、水の悪戯によって女の子の極限状態の極みにある美奈子や優子にとって、耐え難い光景であった。 「ゆ……優子……あたし……もう……我慢できない……漏れそう……」 「あ……あたしも……もう漏れちゃう……でも美奈子……だめよ……頑張るの……我慢よ……」 二人は次第に高まっていく耐え難い女の子の欲求を必死にこらえていた。 やがて教室の生徒たちが水を飲み終えた。 「みなさん、飲みおわったようですね。それでは次に、おいしい紅茶を頂くのです」 生徒達は先生の指示に従い、机の上のティーカップを優雅な手つきで手にとり、ゆっくりと飲み干した。 「それでは、『乙女の誓い』を唱えながら、これからの12時間をこの部屋で過ごすのです。あなたがたの唱える誓いの言葉に反するような事のないように」 先生の言葉は日本語でも英語でもないことがすぐに分かった。 しかし、美奈子と優子にはなぜか日本語のようにその言葉の意味を理解する事ができた。 先生が言い終えた時、生徒たちは声をそろえて誓いの言葉を唱えはじめた。 「私たち乙女は決して人前で乙女として恥かしい事を連想させる言葉を口にしたり、その恥かしい事を人前でしてしまったり、それによって乙女の美しい衣服を汚してしまったりする事のないよう、恥かしい欲求をしっかりと我慢する事を誓います……」 彼女たちは声をそろえてゆっくりとその言葉を繰り返していた。 「ねえ……いったいあの誓いの言葉って……何なのよ、それに……彼女たちは?」 美奈子は小声で優子に尋ねた。 優子は自分の欲求に懸命に耐えつつ、必死に答えた。 「あの言葉は……彼女たちが……乙女としての美しさを守り抜くという……誓いの言葉よ。そして彼女たちは……ずっと昔の……フランスの女子高生たちなのよ……」 今目の前の教室にいる女子高生たちは、何百年か前に、フランス王子の婚約者の候補としてベルサイユ宮殿の大広間に招かれていた。 しかし、大勢の候補者の中から婚約者を選ぶための舞踏会が行われている間に恥かしい欲求を我慢できず、全員が噴出してしまったのだ。 そして、彼女たちはここに閉じ込められ、乙女としての過酷な訓練を繰り返しているのだ。 この空間は、彼女たちの恥かしい自然の欲求への弱さに対する彼女たち自身の持つ憎しみが生み出した空間なのだ。 そして、この空間を作り出した彼女たちの念が、聖華学園やその生徒たちにも影響を与えているのだ。 「それじゃ……私が毎日学校で……オシッコを我慢しなきゃならないのも……彼女たちのせいなわけ?」 「彼女たちに悪気はないわ……けれども……彼女たちにとっては……自分の身体からオシッコが出る事自体……許せない事なのよ……」 優子が答えた時、一番後ろの真ん中あたりに座っていた一人の生徒の様子が変化しはじめた。 さきほどまで身体を動かさずに椅子に座っていた彼女であったが、今は足をもじもじと擦り合わせ、それにつれて身体を小刻みに揺らしている。 そして、時間が経つと共に、足の擦りあわせや身体の揺れが次第に大きくなっていくのだ。 さらに、そのような変化を見せる生徒の数は、一人、また一人と増えていく。 彼女たちの女の子の部分を恥かしい欲求が耐え難い悪戯を仕掛け始めている事は誰の目にも明らかだった。 しかしそれでも彼女たちはあの誓いの言葉を懸命に唱え続ける。 それを見ていた美奈子と優子もまた、限界を超えた激しい欲求に耐える女の子を両手に力を込めて励まし続けていたのだ。 そんな状態の二人のたまらない欲求を、生徒たちの仕種がさらにつのらせる。 「ああっ……あたしもう……ああっ!!」 激しい欲求に、思わず美奈子が悲鳴を上げた。 その悲鳴が教室に響き渡る。 「そこにいるのは誰ですか?」 先生の声が教室に響いた。 生徒たちが一斉に美奈子たちの方を振り向く。 後ろの方の席に座っていた生徒からは、二人の姿が丸見えだった。 彼女たちの顔は、だれもが舞踏会に招待されるにふさわしい美しさだった。 そして、全員が外国人であった。 先生は、机の列の中を進み、美奈子と優子が隠れている場所へと近づいて来る。 「美奈子ったら何やってるのよ……とにかく引き返しましょう」 二人は急いで廊下を戻りはじめた。 しかし、女の子の部分を弄ぶ耐え難い欲求がさきほどよりもさらに強まっている今、思うように歩く事ができない。 廊下に出て数歩程度歩いた所で、先生に立ちふさがれてしまった。 「あなたたち、こんなところで何をしているのですか。それに、女の子がそんな所を手で押さえたりしてはいけません。さあ、二人とも、その手をその恥かしい所から離して、気を付けをするのです」 先生は厳しい口調で二人に指示した。 「ああっ、だめ……んぁぁ……」 「んんぁぁぁ……んくぅ……」 二人の女の子の部分の激しい悲鳴は、その部分から手を離す事など許すはずがなかった。 もうすでに女の子の部分はほとんど屈服してしまっており、その女の子を渾身の力を込めた両手で支える事によってかろうじて恥かしい噴出を食い止めているのだ。 その両手をその部分から離してしまったら、ひとたまりもない。 しかし、先生はそんな事にはお構いなく、二人に自分の指示に従わせようと、さらに厳しい口調で迫る。 しかし二人はさらに強まっていく欲求に必死に耐えるべく、さらに両手に力を込める。 「仕方がないわね。こうなったら力ずくでも乙女のたしなみというものを教えてあげるわ」 先生はついに強引な手段を取った。 なんと、右手で美奈子の片腕を、左手で優子の片腕を掴み、強引に引っ張ったのだ。 「ああっ……いやぁっ!」 「もうだめ……漏れちゃう!」 二人が同時に叫んだ瞬間、恥かしいぬくもりが女の子の部分で渦巻くのを感じた。 二人の足元に熱く恥かしいスコールが降り注ぎ、水溜まりが広がっていった。
「ちょっと、やだぁ、この子、またおもらししちゃったのぉ!?」 |
第2章 | 戻る | エピローグ |