「もうだめ…、がまんできない…」　「どうしよう…、私もう…」

　そんな不安そうな言葉を口にする利香子の姿を横目に、さっきから裕美は複雑な心境になっていた。試験の出来がよくなかったことについて、利香子は励ましてはくれるけれど、それで結果が変わるわけでもないし、もし利香子だけが合格するなんてことになったら…。そんな嫉妬心が邪魔をして、裕美はいま一つ、利香子の窮状について真剣に心配する気にはなれないのだった。

　そうこうしている間にも、危機に直面している女子高生の尿意は、さらに激しさを増してゆく。利香子は、もうものすごくおしっこがしたくて、裕美の隣でそわそわしながら尿意を訴えていたが、さらに尿意が激しくなるにつれて、心理的にも落ち着きをなくしていった。そんな中、自分の横で激しい尿意をもよおし、辛そうな表情を見せながら、残酷な尿意を必死にこらえている女子高生の姿を見て、裕美もまた、自分の中の残酷な気持ちを抑えきれなくなっているのだった。

　ざまあみろ、入試で自分だけいい点とって…。それが、裕美の偽らざる心境だった。

　もっと苦しんだらいいのよ…。もっともっとトイレに行きたくなって、もっと必死におしっこを我慢したらいいのよ…。そして、どうしようもなくおしっこがしたくなって、荒れ狂う尿意を必死に耐え続ければいい…。ああ、私の目の前で必死におしっこを我慢している利香子を、もっともっと激しい尿意に悶えさせたい…。

　動かないバスの車内で、ものすごくおしっこがしたいのを我慢しながら、こみ上げる尿意に焦りを隠せないまま、迫り来る尿意に身悶える女子高生…。バスの中で激しい尿意に襲われて、膝を擦り合わせてもじもじしながら必死におしっこを我慢している女子高生…。そんな同級生の、さらなる不幸を願うなんて、自分は何と意地悪な人間なのだろう…。

　でも…でも私はやっぱり…、利香子をこのままトイレに行かせないで、身をよじる思いでずっとおしっこを我慢させていたい…。今にもおしっこをちびりそうになって、あられもない「オシッコ我慢のポーズ」のまま、いよいよ切羽詰った尿意に利香子が慌てふためく様子が見てみたい…。そして、小さな膀胱を女性尿でパンパンにふくらませ、今にもおしっこがもれそうになっている利香子が、人に見られているのも構わずに、股間を両手で押さえて激しい尿意に悶絶する様子が見てみたい…。そのあとは、本当におしっこを失禁しそうになって、女の下半身を激しく突き上げる猛烈な尿意に喘ぎながら、目の前に迫った「おもらし」という結末を、どうすることもできずにうろたえている利香子の姿を、ずっと見ていたい…。そして次の瞬間、ついに尿意が限界を超え、おしっこの穴を無理やりこじ開けられる感触に利香子が錯乱してゆく様子を、この目でじっくり見てみたい…。そして最後は半狂乱で髪を振り乱し、「いや、いや」と絶望的な声を洩らしながら狼狽したあげく、本当におしっこが我慢できなくなって、
みんなに見られながら恥ずかしそうにおしっこをおもらしする利香子の泣き顔を、一度でいいからこの目で見届けたい…。そんな利香子のみっともない失禁姿をこの目に収めたら、私はきっと納得するだろう…。

　自分だけ試験が出来た「罰」として、あなたはここで、泣きながら「おしっこのおもらし」をしてしまう運命なのよ…。トイレにも行かせてもらえず、恥ずかしさに体を震わせながら…。

　なんとも非常識な欲求であることか。嫉妬心からとはいえ、あんまりじゃないのか…。裕美は、猛烈な尿意を喘ぎながら必死に耐える同級生の姿を、横から好奇の眼差しで見つめる自分に、いつしか自己嫌悪に陥っていた。もしも、恥辱に体を震わせながらおしっこのおもらしをしてしまうのが、利香子ではなく裕美自身だったらどうだろう…。トイレに行かせてもらえないまま、意地悪な運命によって、衆人環視の女性が強制的におしっこを失禁させられる…。それがもしも自分だったら、一体どんな気持ちになるだろうか。我慢に我慢を重ねたあげく、やがて尿意に耐え切れなくなって、パンツの中におしっこをもらしてしまう女子高生の気持ちは、とても言葉では言い表せない惨めなものに違いない。激しい尿意をもよおしていたのに、友達にも協力してもらえないまま、みんなが見ている前で、着衣のまま尿を失禁してしまう女子高生…。それがもし私だったら、絶対に冷静でなんかいられないだろうに…。

　そんなことを思いながら、裕美は自分で自分のことがすっかり嫌になってしまった。そして、そんな心の葛藤に悩む同級生の心も知らぬまま、どんどん急速に高まる尿意に、利香子の表情はみるみる苦しさを募らせていくのだった。

「トイレいきたい、ああトイレいきたい」

　激しい尿意をもよおし、小声で喘ぎながら、猛烈におしっこがしたいのを必死に我慢している女子高生。裕美は、自分の隣の席で、同じ年の女子高生が懸命に尿意をこらえている姿を見て、少しだけ心配になり、初めて、「大丈夫？」と、自分の方から利香子に声をかけた。さっきから裕美の横では、渋滞でトイレに行けないまま、抑えることのできない生理現象に下半身を激しく責めたてられている女子高生が、そわそわと体を前後に揺すりながら、必死になっておしっこを我慢している。

　どんどん激しくなる尿意、動かないバス…。

　もう、女子高生はおしっこがしたくてしたくてたまらなくなっていた。渋滞中のバスの車内に閉じ込められたまま、どうしてもトイレに行きたくなってしまった女子高生は、太ももの上に手をのせて、体を前後に揺すりながら、下半身に迫り来る猛烈な尿意に身悶えていた。

「トイレいきたい…、トイレいきたい…。」　「ああ、すごいトイレいきたい…」

　ずっと激しい尿意と戦っているのに、渋滞でトイレに行くことができなくて、もじもじしながら必死におしっこを我慢している女子高生。

　やがて裕美が、軽い口調で、「運転手さんに言ってみたら」と言うのに促され、望みが乏しいとは分かっていたが、利香子は前に向かって歩き始めた。他の乗客も乗っている中で、「トイレに行きたいんです」などと、高校３年にもなって、そんなことを言い出すのが恥ずかしい、という気もあったが、それ以上に、もう利香子はどうしてもおしっこがしたくなっていて、そんなことを考えている余裕など全くなかった。

　利香子は足踏みするほどトイレに行きたくて、傍から見れば、この女子高生が切迫する尿意を告げるために前に進みでようとしていることは明らかだった。

「お客さんどうしたの？」

　後ろから聞こえる会話が気になっていた運転手から、利香子に先に声をかけた。

「あ、あの、トイレにいきたいんですけど、上野駅まであとどのくらいかかるんですか？」

　利香子は小刻みにステップを踏み、ときどき前屈みになりながら運転手に尋ねた。

　そこには、猛烈な尿意をもよおしているのを必死にこらえている女子高生の姿があった。

「いやあ、ちょっと分からないなあ…」

と、運転手は申し訳なさそうに答えた。それを聞いた利香子の顔が、みるみる絶望的な表情に変わる。

「八潮パーキングも加平の出口も過ぎちゃったしなぁ。うーん、本当はだめなんだけど、いちばん近い高速の出口で降ろしてあげるとして、あと…うーん、３キロぐらいかなぁ」

と言って、運転手が気の毒そうな顔をする。

　この辺の高速道路は片側２車線で、利香子らを乗せたバスは、その右側車線に止まっている。周囲にいるのは背の低いマイカーばかりで、どこをどう見まわしても、女子高生が物陰に隠れて用を足せるような場所はなかった。激しい尿意をこらえながら３キロ歩き通すのも、今の段階ではもう無理だ。

　運転手が、さらに追い討ちをかける。

「ふつうは、つくば号の車にはトイレがついてるんですよ。だけど、この車は貸切の観光バス用の車だから、トイレがないんだよねぇ」

　普段のつくば号にはトイレがついているのだ、自分が今陥っている不幸は、偶然のレアケースなのだ、という非情な事実を、利香子はようやく自分の耳で聞いて知ったのだ。

　利香子は泣きそうな顔になった。なんて運が悪いんだろう…。もしもトイレがついていてくれたら、こんなに苦しまなくてもよかったのに…。

　動かない高速バスの車内で、ものすごくトイレに行きたくなって、何度も足踏みしながら必死におしっこを我慢する女子高生。そんな利香子の姿を見て、運転手が再び口を開いた。

「とにかく、いちばん近い出口で高速から下りてお客さん降ろしてあげる。すぐ横に大きな病院があるから、それまでなんとか頑張ってよ。」

　運転手も、それ以上のことは言えなかった。激しい尿意をもよおしたまま、トイレのついていないバスに閉じ込められた女子高生は、体を「く」の字に折り曲げたまま、すごすごと自分の席に引き下がった。

　せっかく意を決して尿意を告白した女子高生だったが、事態は何ら好転せず、女子高生は恨めしそうにバスの前方を見ながら、自分の中に迫り来る猛烈な尿意に身悶えていた。

　女子高生はそのとき初めて、このままバスは動かず、自分は最後におしっこをもらしてしまうんじゃないか、という不安に襲われた。

「そんなのイヤ！…」

　女子高生は心の中で叫んだ。トイレに行けないまま、みんなが見ている前でおしっこが我慢できなくなって、服も足も床も、自分が垂れ流した黄色いおしっこでびしょびしょに濡らしてしまう…。人に見られながらおしっこをもらしてしまって、女性のデリケートゾーンから勢いよくほとばしる黄色の液体が、自分の下着を濡らし、白い短パンを黄色く汚してゆく…。

　うら若き女性が、尿意を耐え切れずに、服を着たまま下着の中に尿を失禁し、みんなの前で、恥ずかしい液体を床に撒き散らす…。人前で恥ずかしい粗相をする女性の、はしたない失禁姿…。そんな、みっともないおしっこのおもらしを、もしも自分がしてしまったら…。尿意に耐えられなくなって、立ち姿のまま下着の中に排尿しているみっともない姿を、もしもみんなに見られてしまったら…。そんな光景は、思い浮かべるだけで、必死に尿意を耐え続ける女子高生に恐怖心を抱かせるのに十分だ。

　利香子は、今までこんなにおしっこを我慢したことは一度もなかった。ものすごくトイレに行きたくなり、経験したことがないほど猛烈におしっこがしたくなって、かつて味わったことのない激しい尿意と戦っている女子高生にとって、あとどれぐらい自分がおしっこを我慢できるのかなんて、分かるはずもないことだった。

　どうしてもトイレに行きたくなってしまい、今にもおしっこがもれそうになって、身をよじる思いで懸命に尿意をこらえる女子高生。

「トイレ…トイレ…」　「ああトイレいきたい…」

　女子高生の、たった一つの願い…、一刻も早くトイレに行きたい。膀胱にパンパンに溜まった女性尿を、一刻も早く排泄したい…、そんなわずかな願いさえ、いつ叶うものなのか、分かるような状況ではなかった。利香子は、「ああ、いつ着くんだろう」と、うわずった声で裕美に尋ねたが、猛烈におしっこがしたいのを必死にこらえている女子高生の姿を横目に、裕美は何も答えることができなかった。

　徐々に忍び寄るおもらしの恐怖に苛まれ、ずんずん高まる尿意に顔を歪ませながら、みんなの前で膝を擦り合わせて必死におしっこを我慢する女子高生。

　女子高生の尿意は、押しては引き、押しては引きで、徐々に激しさを増してゆく。そして、尿意は時折思い出したように急激に強くなり、そのたびに女子高生の息遣いは荒くなり、顔はこわばり、女子高生は唇をかみしめながら懸命におしっこを我慢した。

　猛烈な尿意に襲われて、もじもじしながら必死におしっこを我慢する女子高生。そんな女子高生の小さな膀胱は、すでに大量の女性尿を溜め込み、そこから発する残酷な尿意が、１８歳の高校３年の女生徒を延々と苦しめる。それでも彼女の腎臓は利香子を許そうとはせず、もうパンパンの女子高生の膀胱に、まだまだとばかり新しい女のおしっこを流し込み続ける。そのために利香子は喘ぎ続け、自分の意思に反してずんずん高まる女子高生の尿意は、女の下半身をなおも苛んでゆき、弄んでゆく。

　どうしてもトイレに行きたくなり、身をよじる思いで激しい尿意をこらえ続ける女子高生。もはや、利香子はトイレのこと以外は考えられなくなってしまっていた。どんなところでもいいから女子便所に駆け込み、個室にカギをかけ、パンツを下ろして白い便器の上にしゃがみこんで思いっきりおしっこがしたい…。我慢に我慢を重ねたおしっこを、白い便器に向かって勢いよく放ったら、どんなにスーッとして気持ちがいいだろう、哀れな女子高生の今の欲求は、一刻も早くおしっこがしたい、全てを解き放って便器に向かって勢いよく放尿してしまいたい、ただそれだけだ。

　しかし、今その欲求をどうすることもできないのだと、当の利香子自身がいちばんよく分かっていた。

　利香子はもう真っ直ぐ立っていられなくて、でも、一刻も早くトイレに行きたくて、自分の席には座らず、裕美の横で通路に立ったまま、恨めしそうにバスの前方の道路を見つめていた。

「おしっこ…」　「おしっこが…もれそう…」

　凄まじい尿意と戦っている女子高生の口から、「おしっこ」という言葉が聞かれるようになった。高校３年といえば、もう一人前の女である。だから、女性が「おしっこ」という言葉を発するのは恥ずかしいはずである。だからこそ、「トイレいきたい」とか、「お手洗い行きたい」とか言って、間接的な表現を女の子はみんな使うのだ。でも、あまりに激しくなり過ぎた女子高生の尿意は、乙女心からそんな冷静さを奪い、幼少の頃と同じように、「おしっこ」の４文字を、みんなのいる前で口させてしまっているのだ。

「ああおしっこしたい…おしっこしたい…。ああん…はやくぅ…。もうほんとに…おしっこが…もれそう…。も、もうだめ…。おしっこ…。ああ…おしっこがもれるぅ…」

　みんなの前にいるのは、自分だけが尿意をもよおしてしまい、でもトイレに行くことができなくて、苦痛に顔を歪めながら、たった一人で必死におしっこを我慢しているかわいそうな女子高生なのだ。

「おしっこもれそう…。ああおしっこが…。もうだめ…。ああトイレいきたい…。も、もう…おしっこが…でちゃう…。ああおしっこがもれるぅ…。だめ…も、もうがまんできない…」

　利香子は、何度も足踏みしながら膝を擦り合わせ、両手を股間の前で重ね合わせながら、それでもみんなの前で懸命におしっこを我慢していた。渋滞でトイレに行くことができないまま、もう今にもおしっこがもれそうで、女子高生は、繰り返しジダンダを踏んではワナワナと膝を震わせて、今にも失禁してしまいそうなほどの激しい尿意に身悶えていた。

　明るくはしゃぐ性格のはずが、どうしようもなくおしっこがしたくなって、あられもない姿を周囲に晒しながら、下半身に迫り来る尿意と戦う女性。そんな女子高生の下半身の水門は、もはや決壊寸前だ。

　一時間以上にわたって壮絶な尿意との激闘を強いられてきた女子高生は、もう絶体絶命の崖っぷちに追い込まれていた。