舞のくすぐり受難 |
男は、再び舞の両手をハリツケ台に固定した。 「約束通り、死ぬほどコチョコチョしてあげよう。」 男はそう言うと、別のスイッチを押した。すると、舞の回りに無数のマジックハンドが現れた。 「きゃああ〜っ!!」それを見て舞は、悲鳴をあげた。その間にも、マジックハンドは舞の回りをクネクネ動いている。 「ほら、漫画やアニメとかでよくあるだろう?ヒロインが、敵に捕まってくすぐられるのが。そういうのに僕はハマッてしまってね、今日はちょうど『君』というヒロインを捕まえたんでね。このくすぐりマシーン『いじわる君』の実験台にさせてもらうよ。」 「も、もう止めて、お願い!何でもしますから、くすぐりだけは止めて下さい〜っ!!」舞は、最後の抵抗を見せたが相変わらずそれは無意味な行動だった。 「ダ〜メ、じゃあいくよ、スイッチオン!!」 男はがスイッチを入れた途端、マジックハンドは無防備な舞の体をくすぐり始めた。 「もういや〜っはっはっはっは、きゃ〜ははははは!!」 舞は狂ったように笑い出した。 「きゃ〜っはっはっはっは、ダメ〜いや〜!!」 小さな体をいっぱいに捩らせ、髪の毛を振り乱して舞は笑わされた。 「じゃあ、僕は別室でゆっくり観察させてもらうよ。」 男はそう言うと、部屋をでていった。 「待ってっ!きゃはっくくくっ卑怯もの〜ははははは!」 舞はただ一人、部屋に置き去りにされた。 「きゃ〜っはははは、助けてぇ、だれか助け....きゃっはっはっはぁぁ!!」 無論、叫んでも誰も来るはずはない。 「きゃ〜っはっはっは、すけべ、変態、ロリコンっ!!」 舞は、思い付くだけの悪口を叫んでみた。 しかし、状況は変わる事はなかった。 「いやぁぁ〜っはっはっは、やめて〜!!もうやだぁ〜!」 舞はただ、泣き叫ぶしかできなかった。目にはいっぱい涙を溜めている。 すると、男が再び部屋に入ってきた。 「そろそろ、レベルを上げようか」 男がスイッチを押すとマジックハンドの動きが激しくなる。 「ふぁ?きゃ〜っははははは!きゃぁぁぁっはっはっは!!」 舞は、手足枷が壊れてしまうのではないかという勢いで激しくのけ反った。マジックハンドは、容赦なく舞の精神を消耗させていった。 「きゃ〜っはっはっは、ひ〜っひっひっひ!」 舞は意識が朦朧としてきた。 (もう、死ぬぅぅ!死んじゃう〜!!) 舞の顔は、汗と涙でクシャクシャになっていた。可愛らしい顔が、くすぐったさに歪む。そのとき、急にマジックハンドが止まって引っ込んだ。 「はぁ、はぁ、ケホッ!」 舞は、必死に呼吸をした。それ以外の事は考えられなかった。 「そういえば、さっき僕の悪口を言っていたね?まだ、状況が分かっていないのかな?そういう娘は、もう許しちゃおけないな。」 そう言うと男は、舞のキャミソールを引き裂いて脱がせた。 「きゃあああっ!!」舞は悲鳴をあげた。男はニヤリと笑みを浮かべ、なにやらコンピューターをいじくっている。パンツ一枚になった舞はただ、顔を真っ赤にして俯いていた。「君は、僕を侮辱した。ただ黙って従っていればいいものを....。」 気がつくと天井には無数のマジックハンドが蠢いていた。体の周りにも、マジックハンドが出てくる。 「君みたいな生意気な小娘をくすぐり殺すために開発したこの『絶望くん』で、君を処刑してあげよう。」 男がそう言った瞬間に、部屋が轟音を立てて動きだし、全方向の壁が迫ってきた。無論、そのすべてにマジックハンドがついている。「え〜っ!!う、嘘でしょ?!やめてっ、これは絶対無理〜!!」男は舞を無視して続けた。 「人の死に方で一番苦しいと言われているのは、窒息死と笑い死にだ。その一つを体験できるんだからありがたいと思ってくれよ。」男は、そう言うと舞に目隠しと猿グツワをして部屋を出て言った。舞は目隠しをされたため、どこまで壁が迫っているか分からない。分かったところでどうにもできないが、見えないと恐怖が芽生えてくる。残酷なくすぐりである。部屋にはただ、轟音だけが響いていた。 |
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