朝霧作品

感じ方を言葉にすると

第2章
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 突如、むき出しの両脇の下から、耐え難いくすぐったさが優衣の体に送られ始めた。
 「えっ!?ちょ・・・きゃは!」
 「きゃははは!あーはっはっは!なに!?なんなのぉ!?」
 何も見えない中、突然の男からの敏感な両脇へのくすぐり責めに、優衣はたまらず大声で笑い始める。
 「あはははは!きゃーはっはっは!ちょっと・・」
 「まって・・・あはははは!あーはっはっは!」
 あまりにも予想外だった男からのくすぐり責めに、優衣は身動きできない体をビクンビクンと反応させ、必死にくすぐりから逃げようとする。
 だが、両手両足を拘束している拘束具は決して優衣がくすぐりから逃げることを許さない。
 「きゃはははは!いや!やめ・・・おねが・・・」 
 「あはははは!あーはっはっは!」
 優衣はなすすべなく、脇の下から送られてくるくすぐったさに、顔を左右に振りながら、笑い狂うことしかできなかった。
 「だめ?だめってことはないでしょう?」
 優衣をくすぐり責めにしながら、男は冷め切った声で言う。
 「さっきだってその立派なオッパイをさわられてくすぐったかったんでしょ?」
 「だったら、ほかの場所をこちょこちょしたって同じじゃない?」
 男の説明に、優衣がすぐに抗議する。
 「こちょこちょとは違うんですよぉ!きゃはははは!あーはっはっは!」
 「くすぐったさの意味がちが・・・きゃっはっは!ひーっひっひっひ!」
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 「もういやぁ!こちょこちょいやぁ!あっはっは・・・」
 「あーはっはっは!お願いします!もうやめ・・・きゃーはっはっは!」
 優衣がどれだけ懇願しても、男は決してくすぐり責めをやめない。
 それどころか、男はくすぐる場所をときよりわき腹や太もも、足の裏へ変えてしまうため、優衣はくすぐりになれることすらできなかった。
 「あはははは!あーはっはっは!」
 「もうだめぇ!これ以上はほんとに・・・あっはっは!」
 "それ"は人間の体の機能上、必然のことだった。
 まさか、誘拐されると思っていなかった優衣は普段通りに水分補給をしていた。
 最後にトイレに行ったのは、まだ、学校にいたころだ。
 「トイレ!トイレに行かせてくださ・・・あーっはっはっは!」
 「漏れちゃう!本当に漏れちゃいますからぁ!」
 時間の経過による生理現象と、長時間のくすぐり責めにより、優衣は激しい尿意に襲われていた。
 だが、男は優衣のわき腹を一切の手加減なしにくすぐりながら言う。
 「優衣ちゃん・・・君に一回だけチャンスをあげるよ。お家に帰るチャンス」
 「もし、オレがバテてくすぐり責めをやめるまでお漏らしを我慢できたら、君を解放してあげるよ。その代わり・・・」
 男はくすぐる場所を優衣の弱点である脇の下に変えながら、優衣の耳元に囁くように言う。
 「もし、お漏らしをしたら、罰として、君は一生、オレのくすぐり奴隷だ」
 「そうなりたくなかったら、絶対にお漏らしをしちゃだめだよ?優衣ちゃん」
 男の提案に、優衣は相変わらず笑い狂いながら、何度も首を横に振る。
 「無理です!そんなの無理ですよぉ!あはははは!ひっひっひ!」
 「今にもおしっこでそうなのに・・・ひっひっひ・・・あーはっはっは!」
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 こちょこちょこちょこちょ・・・
 男は一切の手加減なく優衣をくすぐり続けた。
 「きゃはははは!もうやだ!もうやだぁ!」
 「たすけてぇ!だれかたす・・・あっはっは!」
 もともと、結果の見えている勝負だった。
 「もうだめ!本当にもうだめぇ!」
 「あはははは!あー!!!」
 男の提案以降、優衣はそれでも懸命に30分以上、尿意を我慢し続けた。
 だが、ついに限界は訪れた。
 ジョォォォ・・・・
 優衣がお漏らしを始めたのを確認した男は、いったんくすぐり責めをやめる。
 女子高生特有のミニスカートを完全に上に持ち上げると、その下から、純白のパンツがお披露目される。
 「はぁ・・・はぁ・・・おねが・・・します・・・」
 「みないで・・・お漏らし・・・だめ・・・・」
 ようやくくすぐり責めから解放された優衣だが、一度出始めてしまったおしっこはもう、止めることはできない。
 ただただ、荒い呼吸を繰り返しながら、うわ言のように見ないでほしいと訴える優衣。
 「あーあ・・・残念だったね。せっかくお家に帰れるチャンスだったのに」
 「じゃあ、勝負はオレの勝ちだね?約束通り、優衣ちゃんにはオレのくすぐり奴隷になってもらうよ?」
 両手両足をX字に伸ばした格好で拘束されているため、両足は大きく左右に開いている格好の優衣。
 純白だったパンツには黄色い大きなシミができ、そのパンツだけでは到底受け止めきれるはずがない、独特のアンモニア臭を放つ黄色い液体が、優衣が拘束された状態で寝かされているベッドの一部を黄色く染め上げていく。
 「嫌・・・くすぐり奴隷なんて絶対に嫌・・・」
 「誰か・・・誰か助けてぇ・・・」
 うわ言のように助けを求める優衣の声が、部屋にむなしく響くのだった。

 優衣の家族は、いつまでも帰ってこない娘を心配し、その日の夜には警察に捜索願を出した。
 そして、警察の懸命の捜査の結果・・・
 優衣が誘拐されてから、1ヶ月後のある日の話。
 「さて、本日は行方不明者の捜索を生放送で行います」
 「情報提供は、下記の電話番号、またはメールアドレスへお願いいたします」
 その日、とある番組が夕方から生放送で行われていた。
 行方不明者の捜索を行う番組だ。
 次々と紹介される行方不明情報の中に、それはあった。
 「・・・以上が優衣さんが行方不明になる前の足取りです」
 「視聴者の皆さん。優衣さんに関する情報をお持ちでしたら、どうか、情報提供をよろしくお願いいたします」
 優衣に関する情報提供を求める内容のものだ。
 それもそのはず・・・
 「おまたせ。優衣ちゃん。ごめんね?待たせちゃって」
 「さあ、今日もいっぱいくすぐってあげるからね?オレだけのために、たくさん笑顔を見せてね?」
 優衣は今なお、監禁されたままだった。
 誘拐されたあの日以来、優衣は一度もこの部屋から外へ出たことはない。
 いや、正確には、優衣はもはや自分の意志で外に出ることなどできる身ではないのだ。
 あの日以来、優衣は本当に男の"くすぐり奴隷"へと成り果てていた。
 男が食事を提供してくれなければ生きていけないことを悟った優衣は、ただただ男の欲望に忠実に答えるしかなかった。
 監禁開始から最初の1週間はずっと、両手両足をベッドに繋がれたままだった。
 "きゃはははは!もういや!もういやぁ!"
 "なんでも言うことをききま・・・きゃっはっは!"
 "聞きますからもうこちょこちょしないでくださぁい!"
 連日、数時間にも及ぶくすぐり責めと、それにともなう強制的なお漏らしにより、優衣の心身は完全に蝕まれていた。
 "はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・おねが・・・します・・・"
 "ご主人様の言うこと・・・なんでも聞きますから・・・だから・・・"
 優衣は完全に抵抗する意思を失ってしまったことが、男の目から見て明らかになったので、ようやく優衣は1週間ぶりに手足の拘束を解いてもらえた。
 それ以来、優衣は逃げようとするそぶりは一切見せていない。
 両手両足が自由になっても、男に襲いかかってくる様子はなかったし、男が細心の注意を払いながら、優衣を部屋から出して浴室へ連れて行った時も、優衣はただ黙々と男の指示に従うだけだった。
 「・・・・・・・・・・」
 そして、今となっては優衣は完全に変わり果ててていた。
 終始無言であり、何も言葉を発しない、ほとんど動こうともしない。
 「じゃあ、拘束するから、いつも通りに・・・ね?」
 「あと服装は・・・・そうだね、今日は裸でお願いしようかな」
 男が具体的に言わなくても、優衣は無言で動作を開始する。
 優衣は言われたとおりに裸になってすぐ、自分からベッドに仰向けに寝る。
 そして、拘束具をはめてもらうために、両手両足を斜めに伸ばすのだ。
 「いい子だ。優衣ちゃん。あとでちゃんとご飯はあげるけど、その前に・・・」 「
 「まずは優衣ちゃんの大好きなくすぐりの時間だよ?」
 男が拘束具を優衣に取り付けると、すぐに優衣はX字のまま、身動きが封じられる。
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 こちょこちょこちょこちょ・・・・
 そして、今では"唯一"優衣が自発的に声を出す瞬間がやってくる。
 「きゃは!あはははは!あーはっはっは!」
 「いや!こちょこちょはいや・・・あっはっは!きゃーはっはっは!」
 今や、くすぐり責めの間だけが、唯一、優衣が声を発する時間なのだ。
 同時に、その間だけ、優衣ははっきりと自我を見せる。
 「きゃはははは!あーはっはっは!こちょこちょいやぁ!」
 「たすけてぇ!誰かたす・・・きゃっはっは!」
 優衣はくすぐり責めを拒否する言葉を並べ、決して外へは届かぬ助けの言葉を叫び続ける。
 少しでもくすぐり責めから逃れようと、必死に体をよじったり、両手両足に力を入れたりするが、残念ながら優衣を襲い続ける刺激を和らげることはできない。
 「あはははは!もういや!もういやぁ!」
 「きゃはっはっは!誰か助けてぇ!あっはっは!」
 優衣に待っている未来は当然、なすすべなくくすぐられ続けたあげく、必然的にお漏らしをしてしまうというものである。

 優衣が行方不明になってから1ヶ月。
 いまだ、優衣が男に監禁されている真実に気付く者はいない。

感じ方を言葉にすると
(完)

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