毎年、千人近い人が行方不明になったまま、発見されずに警察の捜査は打ち切られている。
これも、そのような"千分の一"の事件のお話である。
とある一軒家の地下室。
両手両足を斜めに伸ばしたままの格好から身動きができないように"X字拘束"され、衣服の前の部分がブラジャーがはっきり見えるように開かれた女子高生がそこにいた。
「・・・このことは絶対に警察には言いません。だから、お願いします」
「どうか、お家に帰してください・・・」
彼女の名前は優衣(ゆい)
県内の高校に通うごく普通の1年生の生徒だ。
ごく平凡な女子高生である彼女の日常は、今日、突然変調した。
「きゃ!・・・あ・・・・」
夕方、学校帰り。
突然、何者かによって口に湿った布を当てられ、すぐに意識を失った優衣。
そして、次に目を覚ました時にはもう、事態は最悪の状況となっていた。
「え!?なんで!?どういうこと!?」
「なんで私、動けないようにされてるの!?それに目隠しまで!?」
優衣は両手両足を斜めに伸ばした状態で拘束されていた。
拘束具は固く、彼女の自由を完全に奪ってしまっている。
目隠しをされているため、ここがどこなのかはわからない。
ただ、太もも付近と腹部から胸元のあたりに直接あたる風の感覚から、自分の服装が学校帰りの制服のままであり、上半身はブラジャーを露出させるようにワイシャツが完全に左右に広げられている状態であることはわかった。
「あの・・・誰か!誰かいませんか!?」
まわりが一切見えない中、優衣は懸命に助けを求めた。
「落ち着いて。優衣ちゃん。そんなに怖がらなくても大丈夫だよ」
「ここは、オレと優衣ちゃんだけの楽園なんだから」
優衣の声に唯一反応した人物。
残念ながら、それは優衣に救いの手を差し伸べる存在ではなかった。
「これから、二人で幸せになろうね」
そこにいたのは優衣を誘拐した張本人だったのだ。
目隠しをされたままの暗闇の世界の中で唯一聞こえる声に、優衣はビクッと体を反応させたのだった。
誘拐犯からの話で優衣はようやく、自分が拉致・監禁されたという事実を認識した。
どうやら、以前から、この男に目をつけられていたらしい。
そして、今日、ついに男は優衣の誘拐作戦を決行したのだった。
作戦は成功した。
優衣は全くひとけのない場所でクロロホルムを嗅がされ、あっさり意識を失った。
その優衣を、細心の注意を払いながら、一人暮らしの自宅へと連れて帰った男。
手始めとして、逃げられないように優衣をベッドに拘束したらしい。
そして、上半身を露出させて下着を眺めている最中に優衣が目を覚ましたようだ。
「嫌・・・だれかぁ・・・・」
優衣の悲痛な声がむなしく響く。
どうやら、今、優衣が監禁されている部屋は完全防音機能があるらしく、たとえ廊下からであっても、この部屋の中の音は一切聞こえないらしい。
また、部屋の中に窓はなく、唯一の出入り口である扉も外鍵式のようだ。
「オレさ、優衣ちゃんのために、"初めて"をずっととっておいたんだ」
「一緒に気持ち良くなろうね?」
そう言って、男は優衣の発育良好なバストを隠していたブラジャーを取ると、今まで隠れていた敏感な乳首をクニクニと揉み始めた。
「嫌!やめて・・・ください・・・おねが・・・・」
「いや・・・やだ、やだぁ・・・」
拘束され、一切の身動きが出来ない優衣は、その乳首から送られてくる耐え難い刺激をただただ我慢することしかできなかった。
「ねえ、優衣ちゃん・・・まだ気持ち良くならない?」
今まで性行為の経験が一切ない男が何度も優衣に尋ねる。
男はかれこれ20分以上、優衣の乳首だけをクニクニと揉んだり、こちょこちょとくすぐったり、ペロペロと舐めたりしていた。
本当に性行為に慣れている人なら、相手の体を愛撫したり、下半身も責めるなどもするのだが、どうやら、この誘拐犯は本当にそのようなノウハウは持ち合わせていないらしい。
優衣はずっと乳首から送り続けられている刺激にたまらず小さく体をよじりながら、首を横に振る。
「こんなの・・・気持ちよくなんて・・・ないですよぉ・・・」
「くすぐったいだけで・・・とても気持ちよくなんて・・・」
この時、優衣は目隠しをされているため、気が付かなかった。
本当は、いつまでも快楽におぼれない優衣に、男が相当な苛立ちを覚えていることに。
「くすぐったい?それは違うでしょ。だってここ、乳首だよ?」
「ふつう、くすぐったさって、もっと別の場所で感じるものじゃないの?」
男の機嫌を損ねないためには、ここは嘘でもいいから相手に話を合わせておくべきだった。
だが、拉致監禁され、強姦されているというこの異常な状況下で、かれこれ20分以上乳首を責め続けられている優衣に冷静な判断はできなかった。
「そんなこと言われたって・・・はうぅ・・・いや・・・」
「くすぐったいとしか・・・言いようが・・・」
いっこうに"気持ちいい"と言わない優衣に、男は静かに怒りを爆発させる。
「・・・そう。わかった。あくまでもただ、くすぐったいだけなんだね?」
男は不意に、優衣の乳首を責めるのをやめた。
「・・・!?はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
「やっと・・・終わった・・・・の?」
優衣には男の機嫌が最悪なまでに悪くなっていることに気付く余裕などない。
ただただ、ようやく乳首から送られてくるむず痒い刺激から解放された安堵から、新井呼吸を繰り返していた。
「じゃあ、くすぐる場所を変えてみようかな?」
そういって、おもむろにX字拘束されているため、無防備になっている優衣の脇の下に男がゆっくりと手を伸ばしたが、目隠しされ、何も見えない優衣はそのことに気が付かなかった。
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