カイン作品

くすぐりストーカー満里子

2.脅迫くすぐり責め
 満里子は良介と由奈が恋人同士であることを確信した。しかし、2人は見てる方が恥ずかしくなるほどのラブラブ状態。第3者が割って入れる状況ではない。良介ともう一度つきあうには、とにもかくにも由奈がジャマなのだ。満里子のあふれる嫉妬とねたみの矛先は、まだ満里子の存在すら知らない由奈に向けられた。
 次の朝満里子はニヤニヤしながら学校へ向かった。というのも昨日一晩寝ながら、満里子は恐ろしい計画を思いついたのである。

「高野くん!」
 教室に入るなり満里子は同じクラスの男子生徒を呼んだ。彼は満里子に一目惚れして、1週間ほど前に告白してあっさりふられてしまった。
「あなた私のこと好きって言ってくれてたわよね?あれってまだ有効?」
「え・・・う、うん。まあ。」
「ほんと!ここじゃあれだからちょっと外まで来てくれない?」
 ふられたとはいうもののまだ満里子に未練がある彼は少し期待を抱いて満里子について行った。
「今日の放課後私の言う通りにやってもらいたいことがあるの。
もしちゃんと言うこときいてくれたら、あなたとつき合うこと考えてもいいわよ。」
「ホントかい?なんでもするよ!なんでも言って!」
 期待通りの満里子の言葉に高野は喜んだ。しかし満里子は高野とつき合う気など毛頭ない。見えているのはただ良介だけ。

 満里子の悪魔の計画はこうだ。
 まず高野に由奈と同じ料理部員のフリをさせ、校門で待つ良介に、『由奈さんは遅くなる』と伝え先に帰らせる。次に満里子が由奈に近づき、『良介さんは部活が長引いて今体育倉庫にボールを片づけに行ってる』と伝え倉庫に向かわせる。そして科学の実験室から盗んでおいたクロロフォルムを、倉庫におびきよせた由奈に吸わせて眠らせる。あとは校内に人がいなくなるまでひたすら待つ。
 この計画は、由奈が満里子の顔を知らなかったことと、由奈の素直な性格のおかげでまんまと成功した。

 午後8時、駐車場から教師の車が全て学校を後にした。全校舎の電灯が消え、校門も全てカギがかけられた。満里子は校内に人がいなくなったことを確認した。残っているのは由奈と満里子と高野だけである。
 午後8時15分、クロロフォルムが切れた由奈はようやく目を覚ました。
「んん〜、あ、あれ?」
 由奈は一瞬わけが分からなかった。自分はなぜか体育倉庫の中にいた。しかも両手は天井から吊されており、両足も足首の所で縛られ、つまり体をYの字に拘束されていた。立ち位置はちょうど倉庫の真ん中辺りだ。
「な、なによこれ!・・・んっと!動けない。」
「うふふ、いいかっこうですね、由奈先輩。」
「あ、あなたはさっき私をここに来るように言った子じゃない!どういうことよこれ!私に恨みでもあるの?」
 由奈はYの字になった体をモソモソさせながら満里子をにらんだ。
「恨みっていうわけじゃありませんけど、私には由奈先輩をこうする理由があります。」
「なんでよ!私はあんたなんか知らないわよってちょっとなにすんのよ!!きゃあああ!!」
 満里子は由奈のブラウスのボタンをはずして、ゆっくりと胸を開いた。顔の割に発育したCカップの胸があらわになった。ちなみにブラジャーは純白である。由奈は恥ずかしくて胸を隠したいのだが、体はYの字のまま全く動かない。
「かわいいですね。背も低いし、年上には見えないなー。なんか妹にしてみたいです。」
「冗談じゃないわよ!ほどいてったら!男の子までいるじゃない!恥ずかしいからほどいて!」
 高野はさっきから顔を赤くして目を背けている。しかし女にとって、下着を男に見られるのと女に見られるのとでは恥ずかしさが全然違う。由奈は、ブラジャーを男に見られる恥ずかしさに顔を真っ赤にして、満里子にロープをほどくように頼んだ。もちろんそんな願いが受け入れられるはずはなかった。
「私は・・・中学の時良介先輩とつき合ってました。」
「え・・・?」
 満里子がそう言うと由奈は目を大きく開いて驚いた。
「単刀直入に言います。良介先輩と別れて下さい。」
「なっ!・・・」
 由奈はさらに驚いたが、同時になぜ自分をこんな目にあわせたのかが理解できた。
「わかったわ、良くんを奪い取るつもりね。それで私がジャマだからこんなこと。」
「そうです。あなたの口から言って下さい。良くんと別れますって。」
「いやよ!だいたいこんなことぐらいで私たちが別れるわけないじゃない。死んでも言わないわよ。」
 由奈の強気な発言に満里子は少しムッとした。
「言わせてみせますよ・・・絶対。」
 由奈は満里子の言葉にゾクッとした。満里子の妙な自信が怖いようだ。
「な、なにする気よ。」
「すぐに分かりますよ。じゃあ高野くん、始めて。」
「で、でも。」
 満里子の計画は全て聞いているものの、いざとなるとためらってしまう。好きな満里子のためとはいえ、気がひける。
「言うこときいてくれなきゃもう高野くんとは口もきかないんだから。」
 満里子の言葉に高野の気持ちは決まった。どうせ由奈は自分とは全く無関係。それよりも満里子に嫌われる方がずっとイヤなのだ。高野は、いきなり後ろから由奈の左右の脇腹を両手でくすぐり始めた。
「きゃははははは!!な、なに!あはははははー!!」
 殴られたり蹴られたりすると思っていた由奈は、満里子の意外な攻撃に完全に意表をつかれた。
「や、やだちょっと!あーっはっはっはっはっはー!!くすぐったーい!きゃはははははははは!!」
 由奈はくすぐりから逃げようと、Y字に拘束された体をくねらせてピョンピョンと小さく飛び跳ねている。
「あはははははは!!やめてー!いひひひひ!はーっはははははははは!な、なんでくすぐりなのよぉー!」
「だって殴ったりして体にキズをつけたら、良介先輩にバレちゃうじゃないですか。それに、殴るよりくすぐる方が苦しいでしょ?」
「だ、だからって!きゃーはははははははは!!苦しいぃー!くははははははー!!息ができなーい!!あははははははは!!」
 ブラジャーに包まれた柔らかいおっぱいをプルプルと弾ませて、由奈は必死に抵抗しようとする。しかし両手をバンザイの状態で拘束されているため、腋の下や脇腹、おなかを無防備にさらけ出したまま抵抗らしい抵抗は全くできない。
「そろそろ言いたくなってきました?『良介先輩と別れる』って。」
「きゃーっはっはっはっは!!いやよ!はははははははは!!別れないもん!ぜ、絶対ぃーひひっひひひひひひ!!」
「強情ですね。でも、言うまでやめませんよ。」
「そ、そんなあーはははははは!!きゃははははははは!!そんなのやだぁー!ひゃはははははははははは!!」
 言ってしまえば終わりである。前にも書いたが由奈は良介にベタ惚れなのだ。結婚まで考えている由奈にとって良介と別れることは、それこそくすぐられることよりもずっと苦しくてつらいことなのだ。
 とその時満里子はカバンからカメラを取り出した。
「由奈先輩の恥ずかしい姿を、お近づきの記念に撮らせてください。」
 由奈は笑いすぎてまともに開けていられない眼で、満里子が自分にカメラを向けているのを確認した。
「あはははは!!ダメェ!きゃははははははは!!やめて!あははははははー!!写真はダメェー!!」
 言うが早いか満里子はくすぐられて笑い狂っている由奈の恥ずかしい姿を次々とカメラに収めた。すると高野のくすぐる手が止まった。
「はあ・・・はあ・・・。」
 由奈は大きく肩で息をしている。
「ちょっと高野くん。まだやめていいなんて言ってないわよ。」
「・・・・・・満里子ちゃん、ちょっとやりすぎじゃないか?写真まで撮るなんて普通じゃないよ。それにこの人と彼氏を別れさせてどうするんだよ?この人は別れたくないって言ってるじゃないか。」
「決まってるでしょ、良介先輩はもともと私の彼氏なの。それをこの女は奪い取ったのよ。だからまた奪い返してやるの。」
「う、奪っただなんて・・・私そんな・・・。」
 すっかり体力を消耗してしまった由奈が弱々しく言い返す。
「じゃあ満里子ちゃん。君は俺とつき合うつもりなんて最初からなかったのか?」
「そうよ、今ごろ気づいたの?遅すぎるわよ。」
 満里子は不敵に笑いながら勝ち誇ったように言った。
「冗談じゃない!だったら俺は帰らせてもらう!!明日このことを先生に報告するからな!」
「勝手にしてくれたらいいけど。でもこの写真、あんたも写ってること忘れちゃいないでしょうね?」
 怒った高野は体育倉庫から出ようとしたが、満里子の一言でその足は止まった。いや、止められた。 
「由奈先輩をくすぐってるあんたの姿、顔までバッチリ写ってるわよ。焼き増しして屋上からバラまいちゃおっかなー。」
「や、やめて!!そんなことされたら私!もう良くんとおつき合いできなくなっちゃう!!」
「満里子ちゃん・・・君って子は・・・。」
 由奈は涙を流して泣き、高野はわき上がる怒りを押さえ込み、そして満里子は高々と笑う。これで由奈と高野は、完全に弱みを握られたことになる。なにもかも満里子の思惑通りだった。
「さあ続けるわよ高野くん。位置について。」
 高野にはもはやその気はない。ただうつむいたまま小さく震えている。
「・・・ふん、使えないわね。いいわ、そうやってそこでじっとしてなさい。私がやるから。」
 そう言うと満里子は由奈に近づいていった。何をされるか分かっている由奈は、近づかれるだけで恐怖を感じていた。
「も、もういやー!もうくすぐらないで!!」
 しかし満里子がそんな言葉に耳を貸すはずがない。満里子は身動きできない由奈を容赦なくくすぐり始めた。
「きゃははははははー!!もうヤダ!あーっははははは!!くすぐったいよぉー!!ひーひひひひひひ!!はーははははははは!!」
 Yの字のまま動けない体をピクピク震わせて、由奈は髪を振り乱して大笑いしている。
「別れます?」
「ははははは!!いやー!ひひひひ!きゃーっはっはっはっはっはー!!わかれないー!」
「別れたくなってきたでしょ?」
「ひゃはははははは!!な、ならなーい!あーはははははははああ!!もうダメ!きゃあぁーっははははは!!死ぬー!!」
「死にたくなかったら別れましょ。」
「きゃはははははは!!死にたく!はーははははは!!死にたくないけど別れなーい!ひゃっははははははは!!」
「ホントは別れたいくせに。」
「いやぁーはははははは!!こ、こんなことしたって!いひっひひひひ!!別れないったら別れないー!くははははははは!!きゃーっはっはっはっはっはー!!」
 由奈は息も絶え絶えになりながらも、『別れない』を連呼した。しかしくすぐりの手は一向に止まる気配はない。満里子は由奈の敏感な体を指先巧みにくすぐり続ける。腋の下のくぼみからは汗がにじんでいる。脇腹とおなかはくすぐられるたびにビクビクと痙攣する。いつ終わるのか分からないくすぐり地獄に、由奈はただひたすら笑わされ続けるのであった。


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