危険な遊戯 |
亜矢との戯れは、日ごとにエスカレートしていた。お仕置きと称して一晩中くすぐったり、書道で使用する筆で体をくすぐってみたりもした。初めは服の上からくすぐり責めを行っていたが、徐々に亜矢の体ははだけていき、今日に至っては全裸の姿となった。 1ヶ月経った頃には、弘志のくすぐりの腕も上達し、亜矢の弱点も浮き出しになってきた。脇の下が一番の弱点であるが、意外にお尻も感じやすいようだ。桃尻のお尻を責め続けて失禁させてしまったこともあった。 弘志とは対照的に、亜矢の敏感な体がくすぐりに順応することはなかった。最近では亜矢の体に少し触れるだけで、声を上げるようになってしまった。弘志の指先に恐怖心を抱いているようだ。 「ただいま」 弘志が居間でテレビを見ていると、昼過ぎに亜矢は帰ってきた。 「試験、出来た?」 「うん。昨日、お兄ちゃんに教えてもらったから」 亜矢は3学期の期末試験の真っ最中であった。かくいう弘志の方は、大学受験も終わり、高校も自由登校となっていた。 「ねえ、お兄ちゃん」 「どうかしたの?」 「今日も教えて欲しいの。私、英語が分からなくて…」 「いいよ」 弘志が優しく答えると、亜矢は満面の笑みを浮かべて、コートを脱いだ。 弘志と亜矢は以前と変わらぬ、仲睦まじい兄妹のままであった。ただし、禁断の遊びを興じている時だけは、弘志は亜矢の優しい兄ではなく、サディストになる。しかし、ひとたび遊びが終わると同時に、弘志の変身も終わる。 「ママ、夜までお仕事なんだ」 テーブルに残した書置きを見て、亜矢は言った。 「そうみたいだね」 「う、うん」 二人の会話が詰まった。もう言葉は不要なのだろうか。 「二階にいるよ」 弘志はそれだけ言うと、階段を上った。しばらくして、亜矢は下着姿で弘志の部屋へと入ってきた。部屋にはストーブが焚かれ、寒い季節を思わせない。 弘志は無言で亜矢をベットの上に張りつけた。準備の整った弘志は、 「さあ、どこからくすぐろうかな」 と開始の合図を送った。 「……」 「今日はママもいないし、時間もたっぷりあるからね。亜矢ちゃん、耐えられるかな」 「う…うん」 亜矢は、願望と恐怖が入り混じった顔をしている。 弘志は亜矢の頭上に立ち、両手で首の周りをくすぐってみた。亜矢は必死に首を引っ込めるが、弘志の指は亜矢の首の奥底まで入り込んでいる。 「キャハハハハ……キャハハ……」 今度は亜矢の脇の下に両指を伸ばし、無防備な脇の下をくすぐり始めた。今まで亀のようだった亜矢がキリンとなり、必死に脇の下を閉じようとするが、無駄な足掻きのようだ。 「やっぱり、脇の下の方が感じるのかな」 「ア、アーン……ヒャハハハハ…」 亜矢はそれでもなお、全開となっている脇の下を閉じようとした。すると、弘志の指は先程の首の周りへと戻った。亜矢が首を引っ込め始めると、すぐさま、弘志の指は脇の下へと移動した。 「キャヒャッ……ハハハハ…」 弘志は、忙しく首と脇の下を交互にくすぐった。亜矢は悶えながらも、ようやくこのくすぐり責めの趣旨を理解した。 「亜矢ちゃんは、首と脇の下、どっちがくすぐったい?」 「……キャ…ハハハ…」 「ほら、きちんと言わないと駄目だよ」 弘志は催促しながら、指に全精力を注ぎ、脇の下を集中的にくすぐった。 「ヒャハハハハ…イヤッ…………キャヒャヒャー……」 「早く言ってよ」 「キャハハハ…く……く…びです……」 亜矢は簡単に白状した。この遊びで亜矢の性感帯を知り尽くしている弘志には、容易い事であった。 「じゃあ、首の周りを責めてあげるね」 しかし、弘志の指は首の周りではなく、相変わらず亜矢の脇の下と脇腹を右往左往している。 「ア、アッ……お、お兄ちゃん……キャハハ…」 「嘘は駄目だよ。本当は、脇の下の方がくすぐったいんでしょ? 」 「……」 「亜矢ちゃんの弱点は分かってるんだから」 弘志が詰問すると、亜矢は無言で頷いた。 「お仕置きに、徹底的に脇の下を責めてあげるね」 「や、やめてーーーー……」 弘志は亜矢の両脇を責めたてた。時には両指で片方の脇の下を責め上げ、亜矢を発狂させた。学校や近所では清楚な美少女で通っている亜矢がこんなにも乱れるとは、誰も知る由はなかった。
小一時間が経ち、弘志のくすぐり責めは亜矢の全身に及んでいた頃、電話が鳴った。弘志は自室のコードレスホンを取った。
俺達の危険な遊戯は、いつまで続くのだろうか。近親相姦の壁を超えてしまう時、俺は何を思うのだろうか。ただ、今はこの遊戯を亜矢とやりたい。なぜなら、俺は妹の事を愛しているからだ。 |
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