REDSHO MAFFY 作品

危険な遊戯

第1話 真夜中の密戯
 妹の亜矢とこのような関係を持つようになったのは、因果なものだ。だが、俺にとっては至福であるのは言うまでもない。

 俺が高校三年生、亜矢が中学二年生の時であり、ちょうど1年前の話であった。ある晩、俺はどうしても寝つけなかった。受験勉強の最中であったのも確かだが、性の処理に困っていたのも事実である。
 そんな時はさっさとマスターベーションに耽ってしまえば良いのだが、その日はなぜかおかしな行動を取ってしまった。なんと妹の部屋に行ってしまったのだ。理由は分からなかった。だが、マンネリの性の処理を解消したかったのかも知れない。
 久しぶりに訪れる妹の部屋はきれいに整頓されており、動物のぬいぐるみが所狭しと並んでいる。肝心の妹はベッドの上で、すやすやと眠っていた。
 俺はそっと声を掛けた。
「亜矢…」
 亜矢は俺に応答せず、安眠していた。俺はそんな亜矢をじっと見つめた。
(可愛いよな)
 自分の妹に恋愛感情を抱いてしまうほど、亜矢は可愛いかった。小さい顔なのに、目がクリッとしており、ポニーテールの髪型を装飾している。
 亜矢のクラスの男子生徒はもとより、俺の友達までもが亜矢のハートを射止めようと尽力しているのだが、全て不発に終わっている。しかしながら、いずれ誰かに略奪されると思うと、おちおち勉強も出来ない。
「亜矢ちゃん…」
 再度、声を掛けても返答はなく、その代わりに半開きの口元をお目にかかれた。突如、俺のいちもつが過敏に反応した。
(あの口に、俺のものを入れてみたい。亜矢に舐めてもらいたい)
 妄想が加速していくと、俺の下半身はかつてないほど、ギンギンとなった。俺が右手で自分のいちもつを擦ってみると、すでにオーガニズムに達していた。
(何やってるんだ。俺は。亜矢は妹だぞ)
 暗黙の秩序と自分の理性を戦わせながら、俺は苦悶した。だが、この異次元な環境と自分の行為に妙な興奮を覚え、俺は秩序を屈してしまった。
 パンツ越しに右手で上下運動を繰り返し、亜矢の寝顔を直視した。
(亜矢…出ちゃうよ…)
 大量の精子がパンツの中に氾濫し,生臭い匂いが部屋に充満した。荒い息のまま,亜矢を見つめていると、突然、亜矢が目をパチクリとさせた。
「う、うーん」
 寝ぼけ眼で、目の前の俺を見上げた。
「……」
 俺は、この緊急事態になす術がなく、亜矢が目を閉じてくれるのを念じた。
「お、お兄ちゃん?」
「あ、ああ」
「良かった。泥棒かと思った」
 ついさっきまでオカズにしていた亜矢の口から発せられた言葉に、俺は自己嫌悪に陥った。
(ごめんね。亜矢)
「どうかしたの?」
「な、何でもないよ」
 俺は平静を装い、足早に部屋を出ようとした時、
「変な匂いがする」
 亜矢がふと呟くと,即座に俺の顔が硬直した。大量に出した俺の精液が発信元である。
「そ、そう?」
「うん。どこからだろ」
 亜矢は起き上がり、子犬のように探し始めた。俺は仁王立ちをして亜矢の様子を伺った。
「お兄ちゃんのズボンからだよ」
「気のせいだよ」
「絶対そうだよ。なんか変な匂いだね。お兄ちゃん、病気なの?」
「そんなわけないよ」
 俺は、妹の性の知識に安堵したのもつかの間、
「明日、ママに話しておくね」
 と,俺を驚愕させた。妹をオカズにしてマスターベーションをしていることを親にばれてしまったら、幻滅どころの騒ぎではない。
「ねえ、亜矢ちゃん。このことは二人だけの秘密にしようよ」
「駄目だよ。変な病気かもしれないもん」
「病気じゃないんだって」
「美華ちゃんのパパだって、病気じゃないって言ってたのに入院しちゃったんだから。お兄ちゃん、受験の勉強してるんでしょ。駄目だよ。体、壊しちゃ」
「言ったら、お兄ちゃん、怒るよ」
 亜矢を脅してみたが、あまり効果はなく、ますます意固地になってしまった。しばらく押し問答が続いた。
「分かったよ」
 俺は、観念したかのように呟いた。
「うん。やっと、分かってくれたんだね」
 亜矢は、屈託のない顔で問い掛けた。俺は、亜矢をベッドの上に押し倒した。
「ど、どうしたの?」
「これだけはしたくなかったけど、亜矢ちゃんには考えを変えてもらおうかな」
 妙な言い訳をして、驚きを隠せない亜矢の両手を,自分の右手で押さえつけた。
「な、何するの? ねえ、お兄ちゃん」
 普段と違う兄の姿に、亜矢はいくらかビックリしているようだ。俺は何も言わず、余った左手で、亜矢の左の脇をくすぐってみた。
「えっ! キャー」
 亜矢は、急に身悶えを始めた。亜矢は、昔からくすぐったがり屋であり、まだ二人が幼い時にふざけてくすぐりあった記憶があった。
「へえ、小さい時と変わってないよ。敏感なんだね。亜矢ちゃんは」
「そこ、弱いの…やめて…」
「駄目だよ。お兄ちゃんの言うこと、信じてくれなかったんだから」
「だ、だって……」
 鮎のように足をバタバタさせ、必死にこらえようとしている亜矢に俺の下半身は自然と疼いてきた。
(こうなったら、徹底的にくすぐっちゃおう)
 くすぐりによって、今や主導権は完全に入れ替わった。俺は、亜矢の可愛い顔をますます歪めさせた。
「ほら、ここはどうかな」
 俺は亜矢の小さいおへその周りをくすぐった。
「お、お願い…だから。これ以上…」
「じゃあ、さっきのこと、ママたちに言わない?」
「で…でも…」
 くすぐったくて仕方が無いが、兄の体のことも心配だ。亜矢の頭はますます交錯した。
「仕方ないなあ」
 俺はボソッと呟き、両手を押さえていた自分の右手を離した。亜矢は両手が自由になったことに、ほんの一瞬、安堵の息を漏らした。
(そうはいかないよ)
 俺は羽交締めにして、亜矢の左右の脇の下に、自分の両手を忍ばせた。
「や、やめて……」
 亜矢は真顔で言った。そう、亜矢の一番の弱点は脇の下である。俺は軽く十本の指を動かしてみた。
「キャー、ハハハハ」
「そんなに大声を出すと、パパもママもビックリしちゃうよ」
「だ……だって…ハハハ」
「なら,パパとママにも参加してもらおうかな。ねえ、亜矢ちゃん、どうする?」
「アアアーン。だ…駄目…」
 必死に声を押し殺す亜矢の姿がますます可愛い。
「亜矢ちゃんは可愛いなあ。お兄ちゃん、もっといじめたくなっちゃうよ」
「お…お願い……だから」
「じゃあ、約束は守ってもらうよ」
「……」
「返事がないよ。亜矢ちゃん」
 両指を加速してみると、亜矢は発狂した。
「わ、分かった…お兄ちゃん、分かったから…」
 最後の力を振り絞って亜矢は言った。
「分かってくれて嬉しいよ」
「キャハハハ…だから…もうやめて」
「うーん。どうしようかな」
 心の中では、亜矢をこういうふうに尋問できる機会など、二度と訪れることがないと察していた。
(今日だけ勢いにまかして、くすぐるか。せっかくのチャンスだもんな)
 俺は自分自身に言い聞かせて、一晩中、亜矢をくすぐり明かすことにした。
 夜が明ける頃、俺のくすぐり責めは終わった。亜矢の顔は明らかにぐったりとしており、精魂尽き果てた感があった。だが、俺に対して嫌悪しているというよりはむしろ一晩限りの嗜みといったほうが,辻褄が合った。


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