近未来、コンピューターネットワークは社会により深く浸透し、完全に無くてはならない存在となっていた。
全ての情報はネットワークを経由し世界に伝えられ、人々の生活と企業の運営までもがネットワークを主流として成り立っていた
だが一方で、ネットワーク犯罪も増加し、特にハッカーによる大小様々なコンピューター犯罪はネットワーク設立以来、いや、以前から問題となってた。
自然的に発足したネットワーク管理委員会が設立した「ネットポリス」と「ハッカー」とのネットワーク戦争は、数年の間一進一退を繰り返したが、日々進歩する電脳技術はハッカー達に新たな力を与えることになる。
『ダイレクト・リンク・システム』
人間の五感と意識そのもののを信号化し電脳界に送り込む。
一見馬鹿げた発明ではあるが、この革新的システムの完成により、ハッカーはモニターの情報越しにではなく、仮想世界にて『直接』ガードプログラムと相対すると言う、非現実的表現が現実の物となり『現場での直接対応』が可能となったのである。
ダイレクト・リンク・システムを使用するハッカー達は自らを『電脳ダイバー』と名乗り、より柔軟性を持って、己の楽しみのために、ネットワークを蹂躙し始めたのであった。
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