カイン作品

女子高生くすぐりバースデー

5.おしおき
 10分もくすぐられた私は、何か大きな嵐が過ぎ去った後のような心境です。脇腹に感じる違和感はまだ完全に消えません。でも私はまたくすぐられたい気持ちになっています。
「あ、あの。」
「ん?」
「なに、ゆかり。」
「も、もう一回くすぐってくれない?」
 いままで感じたことのない不思議な欲望をおさえきれない私の口は、思わずそうつぶやきました。
「えぇー!マジー!」
「ゆかり、お嬢さんタイプのあんたからそんな言葉が出てくるとは思わなかったわ。」
 みんな驚きましたが、私はもう一度くすぐられたくてたまりません。
あの感覚をまた味わってみたい・・・。
「あんたもしかしてくすぐられたくてワザとタイムオーバーしたんじゃないでしょうね。」
「ちがうよ、あれはホントに気がつかなかったの。くすぐるのが楽しかったから夢中になって。」
「んー、くすぐるのが楽しいっていう気持ちはよく分かるわ。でもくすぐられたいっていうのは分かんないわね。あんたたち本気で苦しそうだったもん。あたしは逆に怖くなってるのよ。」
 まだくすぐられていない亜紀が私を批判します。やっぱりこういう気持ちはくすぐられた人間にしか分からないみたいです。
「香苗と優美もまたくすぐられたいとか思ってるの?」
「ちょっとね、ゆかりほど思ってないけど。」
「うん、またババ抜きで負けてくすぐられることになっても別にイヤじゃないわよ。」
 香苗と優美もくすぐりに興味を持っているみたいです。ああ同士よ(笑)。
「あ、あんたたち3人とも・・・変?」
 亜紀が私たちを怪しいやつを見る目で見ます。
「あーその言い方ひどーい!!」
「朋子はどうなのよ?あんたもまだくすぐられてないけど、あたしたちのことバカにしてる?」
「え?あたしは別にどうも思ってないよ。くすぐるの面白いし、くすぐられるのにもちょっと興味が沸いてきたし。」
「よし決まり!朋子も仲間よ。こうなったら4人で亜紀をくすぐるわよ。」
「あ、それいい!」
「亜紀、あんたにも思い知らせてやるわ。」
「ち、ちょっと、そういうルールじゃないでしょ!」
 私たちは4人がかりであわてる亜紀を抱え上げてベッドにのせました。  
「や、やめてよ!コラー!」
 亜紀は激しく抵抗するので、3人でしっかり体を押さえて1人が手足を一本づつ縛っていくことにしました。くすぐりによって私たちは固い団結力で結ばれています。さすがの亜紀も1人ではどうにもできず、とうとうX字にハリツケにされてしまいました。
「やったわ。くすぐり同盟軍の勝ちよ。」
「きゃはは、なにその名前。」
 私たちは1つのことを成し遂げた喜びと充実感を分かち合っています(←ちょっと大げさ)。
「ほどいてよ!なによそのくすぐり同盟軍って!だいたい朋子はあたしの味方でしょ!?」
 亜紀がX字に固定された体をモゾモゾよじりながら言います。
「いや、あたしは単にくすぐるのが楽しいだけ。」
 朋子はサラッと答えました。
「ふっふっふ、そういうことよ。みんな、このわがまま娘にあたしたちの恐ろしさをたっぷり教えてあげるわよ。さあ亜紀、バカにした罪を体で償いなさい。」
「優美テレビの見すぎ(笑)」
 自分をくすぐってもらおうと思って言った私の言葉で、事態は思わぬ方向へ発展していきました。少し残念な気もしましたが、いやがる女の子をムリヤリくすぐるという今までと違うシチュエーションに私の胸は高鳴ります。
「あ、時間どうする?」
「いいんじゃない?適当で。あたしたちをバカにしたおしおきだから。」
 そして私たちはベッドの4隅にスタンバイしました。
「ヤ、ヤダってば!ロープほどいて!」
 亜紀は自分がこれからされることに恐怖を感じているみたいです。
私たちは”だいじょうぶよ、怖くないからね。”と子供に言い聞かせるように優しく亜紀の全身をくすぐり始めました。
「うくく、くははは。あはははは。ダメ、くすぐったい。ふふふふ。」
 亜紀は必死に笑いをこらえていますが、くすぐりの魔力はおかまいなしに彼女を笑わせようとします。
「いくわよ本番!!」
 香苗の合図で私たちのくすぐりは一斉に強力になりました。それはくすぐりに対して免疫のない女の子が我慢のできるレベルではありません。
「あ、あははははははははは!!!い、いや!きゃはははははは!!!」
「あら、いい反応。おしおきのしがいがあるわね。」
「ひはははは!あーーっははははははははは!!!や、やめて!!
ははははははははは!!こんなのズルイわよぉー!あははははははは!!
ゲームはーははははは!!ゲームはどうなったのよー!!きゃーははは
はははははは!!!いやあぁーはははははははは!!く、くすぐったーい!
あははは!きゃはははははは!!!」
 亜紀の動けない体が魚のようにピチピチと激しく跳ねます。だけど私は、いっぱいに開いたままの腋の下と、ピクピク痙攣するおなかを容赦なくくすぐってあげます。亜紀は白い半袖のワンピースを着ています。香苗と優美が、そのワンピースを胸の上まで一気にめくり上げました。とたんにほんのり薄いピンク色のブラジャーとパンツが丸見えになります。どうやら亜紀の下着は上下おそろいみたいです。
「いやあぁぁーー!!はーはははははは!!なにすんのよエッチィー!
きゃははははははははは!!ちょっとやめてってば!あははははははははははは!!」
「やっぱり素肌を直接くすぐらないとね。これが格段に効くのよ。」
「ふーん、そんなに違うの?」
 くすぐられ経験者の優美が朋子にアドバイスをしています。
「ひゃははははは!あーっはははははははははは!!もうやだ!あははははは!!苦しいぃーひひひひ!!きゃははははははははははは!!!おなか痛いよー!はあーっははははははははははは!!!」
「亜紀ちゃん、今の気分は?」
「きゃははははははは!!くすぐったいぃー!あははは!あーっはははははははは!!笑い死ぬー!ひゃははははははははははははは!!!し、死んじゃうよおぉ!!きゃはははは!きゃあーっははははははははははははは!!やめてえー!」
「はい、率直なご感想ありがとうございました!」
「いひひひひ!もうやめてー!!あーはははははははは!!ほ、ほんとに死ぬ!きゃーはははははははははははは!!息がとまるぅー!!ははははははははは!!やめてよぉー!!」
 亜紀は体をのたうちまわらせて懸命に助けを求めています。
「あたしたちをバカにしたこと、少しは反省してきたみたいね。」
「でもまだ口だけね、心の底から反省してもらわないと。」
「とりあえず汗出るまでがんばってもらおうか。」
 私たちは亜紀のスベスベした白い肌にくすぐったい刺激を休むことなく与え続けています。くすぐられて笑い狂っている女の子が、私には子供のようにかわいく見えます。きっと私もこうやってかわいく笑ってたんだろうな。
「あははははははははは!!ごめんなさい!いひひひひひひ!!あたしが悪かったわ!きゃーっははははははははははは!!!あやまるから許してぇー!!はーーっははははははははははははは!!!」
 亜紀はいっぱいに開いた無防備な腋の下を、バンザイで固定された両手で必死に閉じようとがんばっています。でも両手のロープは、私たちがくすぐりやすいようにしっかりと腋の下を開かせています。足の裏もくすぐったさのあまり、意志があるようにクネクネと身をよじっています。おなかはくすぐられる度、敏感に反応してビクビクと細かく痙攣し続けます。
「そんなんじゃダメ。もっと丁寧な言い方で気持ちを込めてあやまりなさい。」
 体中をくまなく襲う強烈なくすぐったさに亜紀は恥も外聞も捨てて精一杯あやまりましたが、優美はあっさり聞き流しました。
「はーはははははははは!!あやまったでしょー!ひゃははははははははははははは!!あーっはははははははははは!!や、やめてー!!きゃははははははははははは!!!わかったわよぉー!あはははははははははは!!ちゃんとあやまるからやめて下さいいー!」
「ほんとにあやまる気ある?」
「あははははははは!!あ、あやまりますぅ!ははははははははは!!!だからやめてー!ひひひひひ!ひゃーはははははははははは!!やめてくれなきゃあやまれないぃー!きゃははははははははははははは!!あーっはははははは!!くすぐったいよぉー!」
「笑いながらでもいいからこのままあやまって。ちゃんと自分の言葉で丁寧にあやまるのよ。」
「そんなのひどいー!あははははははははは!!ご、ごめんなさーい!!ひーひひひひひひひひ!!きゃーっはははははははははは!!!もう許して下さいぃー!ははははははははは!!バカにして悪かったですー!あーははははははは!!すみませんごめんなさいー!!ひゃはは!!はーーっはははははははははは!!もうバカにしません!ははははははははは!!2度としませんからあーはははははははは!!!た、助けて!きゃははははははは!!許して下さーい!!はははははははは!!お、お願いしますぅー!きゃーはははははははははーー!!」
 亜紀は泣きながら自分の知るお詫びの言葉をありったけ口にして、強烈に笑いながらも誠心誠意あやまりました。私たちはようやくくすぐりの手を止めました。
「よくがんばったわね。」
「・・・はあ!・・・はあ!」
 亜紀は何も言えず口を開けたまま呆然としています。
「亜紀ちゃん、今の気分は?」 
「はあ・・・はあ・・・、なんか・・・とりこになりそう・・・。」
「なにそれー!結局亜紀もくすぐりに興味持っちゃったわけ?最初あれだけいやがってたのに。」
「ほんと!変な目つきであたしたちを見てたあの生意気な亜紀はどこにいったのかしらね。」
「う、うるさいわね。・・・ねえそれより・・・まだロープほどかなくていいから
もう1回くすぐってくれない?」 

 亜紀もくすぐりの魅力に気づいたみたいです。自分がくすぐられてようやく私たちの気持ちが分かったのです。この後も4対1のくすぐり大会で盛り上がりました。私と香苗が3回、優美と亜紀が2回くすぐられ、朋子も1回だけくすぐられましが、朋子はくすぐりにわりと強くて他の4人のように涙を流して大笑いすることはあまりありませんでした(哀)。でも今日はすごく充実した1日で、私にとって最高の誕生日でした。
 
 ・・・そして帰り際、私たちは”第2回くすぐり大会”の日程を決めるのでした。


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