ミニメロン作品

聖華学園の悪夢

1
――ああっ、もうだめ。早く、早くトイレに行かせて、お願い!
身を焼くほどの激しい欲求に耐えながら、大橋美奈子は心の中で絶叫した。
彼女はさきほどから、制服のミニスカートから伸びた太腿をせわしなくもじもじとすり合わせ、全身を小刻みに揺らしている。
彼女の全身を巡り彼女の全てを知り尽くした恥ずかしい水の企みを、渾身の力を込めて食い止めているのだ。
額には大粒の汗が浮かび、赤く染まったかわいらしい顔が時折苦痛に歪む。
1時間目の授業終了まであと15分。
美奈子のクラス担任である美人教師の斎藤恵子先生が読み上げるなめらかな英文が教室に響く。
しかし、その英文に合わせて教科書の文字を追いかける余裕など、すでに美奈子にはなかった。
今美奈子の頭の中にあるのはただ一つ。
一刻も早くトイレに行って個室に入り、パンティを降ろして、美奈子の中で暴れながら恥ずかしい所をこじ開けようとしている邪悪な水を思いきり噴出したい。
ただそれだけだった。
美奈子は苦痛にきつく閉じていた目を少し開いた。
教室の出入り口が目に入る。
美奈子の席は、教室の真ん中あたりだ。
休み時間に席を離れた女子生徒たちをよけながら出入り口にたどりつくまでの時間は、極限状態の美奈子にとって非常に長く感じられる事だろう。
さらにそこから長い廊下を歩いてトイレまでたどり着くのには1分はかかるだろう。
走ればもう少し早く着くかもしれないが、廊下を走ってはいけない事になっているし、第一走ったりしたら、辛く悲しい女の子の部分がすぐに悲鳴をあげてしまいそうだ。
しかも、トイレはこの階にはそこしかないから、美奈子が着く頃には他のクラスの女子生徒もかなり並んでいるかもしれない。
それに、トイレにたどり着くまでの間に、美奈子を今の状態に追い込んだいじめっ子たちのちょっかいがないとも限らないのだ。
そんな事を考えているうちにも、美奈子の中の恥ずかしい水は、容赦なくその勢力を増し、哀れな女の子の部分を無理矢理こじ開けようと躍起になっている。
――もうだめぇ! オシッコでちゃう!
美奈子の左手が無意識のうちに、女の子が苦しんでいる現場の辺りへと伸びる。
――あ、ダメッ。乙女がこんな恥ずかしい事をしちゃいけないわ。
慌てて手を机の上に戻したが、すでに美奈子の女の子の部分は左手の助けを切実に求めていた。
美奈子は意を決し、恥をしのんで手をあげた。
「せ、先生」
「大橋さん、どうしたのですか」
斎藤先生は、美奈子に厳しい目を向けた。
「あ、あの、トイレに行ってよろしいでしょうか」
美奈子がその恥ずかしい言葉を口にした瞬間、クラス中がどっと笑った。
「ねえ、聞いた?」
「トイレですって。それも授業中に」
「ねえねえ、どっちなの。オシッコかな? それとも……」
「そういう事は本人に聞いてみれば?」
「そんな事、聞けるわけないじゃないの」
「それにしても、なんてはしたない子なのかしら」
「ほんと。あんな事言う子だとは思わなかったわ」
女子生徒達が、美奈子の恥ずかしい申し出をネタに、ヒソヒソと囁きあっている。
「みんな静かに。今は授業中ですよ!」
斎藤先生の一声で、クラスは再びシンとなった。
「大橋さん、この学校では、女子生徒は授業中にトイレに行く事が許されない事くらい、あなたも知っているはずですね」
「はい。でも、もうあたし……」
「でもも何もありません。乙女は人前でトイレなどという言葉を口にしてはいけないのです。それを我慢する事も、乙女のたしなみです」
「そ、そんな……」
「ちょうどいいわ。大橋さん、続きを読んでもらいましょうか。」
「は……はい、わ、分かりました」
教師に逆らう事はできない。
美奈子はゆっくりと立ち上がった。
――ああっ、もれちゃう!
美奈子は太腿を懸命に擦り合わせる。
その恥ずかしいしぐさは、クラス中から丸見えだ。
「あ、あのぉ……」
美奈子は女の子の辛さに必死に耐えながら教科書に目を走らせるが、どこを読めばいいのか全く分からない。
「なんですか、美奈子さん。先生が読んでいるのを聞いていなかったのですか。64ページの5行目からです」
「は、はい」
美奈子は慌てて読み始めた。
美奈子の朗読を邪魔するように、膀胱の中で怪物が暴れ、出口を刺激し、必死に耐える女の子を容赦なく苦しめる。
美奈子は懸命に太腿を擦りあわせ、その攻撃に耐えた。
ミニスカートから伸びた太腿が激しく擦り合わされる様子は、クラス全員から丸見えだった。
その恥ずかしいしぐさを、美奈子は数分間にわたって披露し続けなければならなかった。
あまりの尿意の強さに、美奈子の教科書を持つ手も小刻みに震え、声に小さな悲鳴が混じる。
やっとの事で読み終わり、席についた。
その時である。
「うっ!」
美奈子の口から小さな悲鳴が上がった。
美奈子の恥ずかしい部分が、ひときわ大きな悲鳴をあげたのだ。
もう上品ぶっている余裕はない。
美奈子は思わず左手を女の子の部分へと持っていき、思い切り押さえた。
周りの生徒が、美奈子の方にチラチラとからかうような目を向けているのが分かる。
しかし、今の美奈子には、その恥ずかしい格好を晒すのをどうしてもやめる事ができないのだ。
美奈子は、恥ずかしい視線の中で、クラス委員長の新藤優子の目を認めた。
彼女は美奈子と目を合わせると、静かに微笑んだ。
――美奈子ちゃん、とってもいい格好よ。もっともっと苦しんでちょうだい。
優子の目は明らかにそう言っていた。

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