ジョーカー作品

くすぐり倶楽部物語

第四話:倶楽部活動
翌日、夏海は最悪な気分だった。それは紛れもなくあの「くすぐり倶楽部」のせいである。今日の放課後に、またあの部室に行かなければならないと思うと夏海は憂鬱だった。そして、もう一つ気になる事があった。あの日以来佳代と話していないことである。もっとも夏海自身もどう声を掛けていいかわからなかった。おそらく佳代も同じだろう。そんなことを考えているうちに放課後を告げるチャイムが鳴った。夏海は溜息をついて部室へと向かった。


部室には、向井部長含む数名の部員がすでに待機していた。
「やあ、遅かったね。みんな待ってるぞ。」そう言うと、向井部長は夏海の手を引き部室の中に入れるとドアの鍵を閉めてしまった。「じゃあみんなそろったことだし、そろそろ始めようか。」
そう言うと向井部長は夏海を部室の奥まで促した。

部室の奥にはもう一つドアがありそこには「立入り禁止」の文字があった。向井部長はその怪しげなドアを開けた。そこは真ん中に鉄製の大きな机があるだけの普通の部屋だった。向井部長含む部員たちはみんな部屋に入ってきている。夏海は嫌な予感がして部屋から出ようとしたが、大きな音を立ててドアは勢いよく閉まってしまった。閉じ込められてしまったのだ。
「夏海ちゃん、逃げようとしても無駄だよ。ここは君のために作った特製の部屋なんだ。さあ、そこの机に横になるんだ。」
夏海は後退りした。
「ちょ、待って下さいよ!何なんですかこれは?」
夏海は焦った。一体向井部長たちは何をしようとしているのか想像もつかなかった。
「君はくすぐり倶楽部のメンバーなんだから部長の僕に従わないといけない。君も了承したはずだ....」
「そ、それは....あの....く、くすぐるんですか?やっぱり....」夏海は恐る恐る尋ねた。
「あたりまえじゃないか。さっさとしてくれ。できないって言うのなら佳代ちゃんをまたくすぐるよ。」
向井部長の言葉に夏海は溜息をつくと渋々机に横たわった。夏海はブラウスにミニスカートという服装だった。今日は比較的暖かかったため薄着をしてきたのだった。夏海は今更後悔していた。
「それじゃ夏海ちゃん、まず×字に体を広げてくれ。」
夏海は抵抗があったがあきらめてx字に大きく体を広げた。
「じゃあ今から君の身体検査を行うよ。僕が君をくすぐるから、君はその態勢を保っているんだ。ん?ああ大丈夫、くすぐるっていっても僕は両人差し指2本しか使わないから。もし態勢を崩したりしたら首から下を全て動けないように拘束して、死ぬ一歩手前まで部員全員でくすぐるから覚悟してくれ。」
夏海はそうなったときの事を想像して体がムズムズしてきた。夏海の体に以前くすぐられた感触が甦ってきて、笑ってしまった。こんな状態でくすぐりに耐えられるのだろうか?そんな疑問の中、身体検査は始まろうとしていた。


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