TICKLER〜くすぐり屋〜 |
T高校に通っている少女、藤崎小夜子には秘密があった。彼女は、今世間を騒がせている『連続くすぐり魔』いわくある組織の人間なのだ。10歳のときに町でスカウトされ『くすぐり』という行為について英才教育を受けてきた。高校一年生になった小夜子は今年から組織の幹部に抜擢された。幹部とは8人しかいない各部署のリーダーである。つまり小夜子はここ、ダレル・シェイドを任されているという事だ。彼女たち組織は通称『くすぐり屋』と呼ばれ、依頼に応じてターゲットをくすぐり、報酬として代金を受け取り生活しているのだ。報酬は仕事の難易度によって多少変わってくるが、ほとんど安定していていて下手な仕事よりは経済的にゆとりを持てた。小夜子は一人暮らしをしているため、この点はありがたかった。 小夜子にはパートナーがいた。名前は詩乃である。小夜子と詩乃は、二人でこれまで何件もの仕事をこなしてきた。コンビネーションは抜群であった。詩乃もT高校に通っている高校一年生なので仕事がしやすかった。そしてそんな彼女達に、今日も新たな仕事の依頼が待っていた....。
小夜子は放課後になると、いつものように手早く筆記用具と教科書を鞄にしまった。特に用事も無かったので、まっすぐ家に帰る予定だった。しかし教室の出口で一人の男子生徒に呼び止められた。 |
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