今年4月からテレビ放送されている学園百合アニメの原作小説です。
単行本第1巻が2006年3月に出版され、その次の月である4月からテレビアニメの放映が始まりました。
第1巻の帯に「正統派学園百合ノベル」と書かれているだけあって、少なくとも第2巻までのお話には男性が一人も登場しません。
アニメとはタイトルが微妙に異なっている(タイトルに「!」が付いている)だけあって、ストーリーもかなり異なっております。
第1巻のP134とP295にくすぐりを連想させる会話があった事は以前当サイトのトップページで紹介したとおりなのですが、8月に発売された第2巻のP40では、主人公である蒼井渚砂ちゃんが、上級生の花園静馬様に、首の辺りを本当にくすぐられています。しかも渚砂ちゃん、くすぐられるのは小さい頃から苦手だったとの事。それを聞いても、静馬様はなかなかくすぐりをやめようとしません。
それでは、この渚砂ちゃんと静馬様、一体どのような人物なのかというと……。
物語の舞台となるのは、アストラエアの丘に建つ三つの女子校と、その学生寮であるアストラエア寮、通称「いちご舎」。「ストロベリー〜」というタイトルは、この寮の名前から取ったものと思われます。
家の都合で高校1年からアストラエア三校の一つである聖ミアトル女学園に編入する事になった、蒼井渚砂ちゃん。寮の場所が分からず森の中で道に迷ってしまった時、上級生の花園静馬と出会い、彼女の魅力に取りつかれてしまいました。
そして一週間後、渚砂は静馬と共に聖水当番を務める事になります。ホームルーム中の教室まで渚砂を迎えに来た静馬は、大勢の生徒たちの目の前で渚砂ちゃんを抱きしめたり、廊下で渚砂の額にキスしてしまったり。
しかし、静馬様は学園の生徒達のあこがれの的。当然彼女たちも落ち着いてはいられません。
悲鳴を上げた大勢の生徒たちの視線から一目散に逃げる二人。
渚砂ちゃんに学園を案内しながら静馬様が向かった先は、ミアトルの図書館。その薄暗い深部は、生徒たちの秘密の逢い引きの場所。
そこで、聖スピカ女学院という、ミアトルとは別な学校に通う二人の生徒の激しく妖しい現場を目撃し、渚砂ちゃんは目を回してしまいます。そんな渚砂ちゃんに妖しく迫る静馬様。
すんでの所で静馬様の腕をすり抜けた渚砂ちゃん。しかし後輩の女の子の目の前で、再び静馬様に捕まり、図書館を後にします。
そこに、渚砂のルームメイトである玉青ちゃん登場。後輩から話を聞き、渚砂ちゃんと静馬様をを待ち伏せ。予想どおり現れた静馬は、玉青ちゃんに見せつけるかのように、ある宣言をします。そえは、渚砂と共にエトワール選というイベントに出馬するというもの。
エトワールとは、アストラエア三校を代表する生徒の事で、必ずカップルで選ばれるとの事。しかし、今年は受験組であり昨年度のエトワールでもある静馬様が、再びエトワール選にエントリーするという事は、ずいぶんと異例の事のようです。
一方、渚砂ちゃんに秘密の逢い引きを目撃されたのは、聖スピカ女学院の此花光莉ちゃん。そして、その時彼女に妖しく迫ったのは、同級生の南都夜々ちゃん。しかし、光莉ちゃんには夜々ちゃんとは別に、憧れの人がいたのでした。それは、ボーイッシュな美貌からスピカの王子様と称されるプリンス天音こと鳳天音様。
無事、天音様とお近付きになった光莉ちゃんもまた、エトワール選に出る事に。
そしていよいよエトワール選の第1選が幕を開けて……というのが第1巻の内容です。
そして、それに続く第2巻では、エトワール選第2選の模様を中心に物語が展開される事になります。
エトワール選をめぐる三校の混乱ぶりを聞き付けて留学先から帰国し、自分もエトワール選に中途参加しようとする、キザな美少年風の少女、草薙真箏。そして、エトワール選第2選における突然の種目変更。
ミアトル、スピカ双方が、自分たちに有利に働くと考えた種目変更だったのですが、その結果、渚砂ちゃんや光莉ちゃんがどうなってしまうかというと……それは読んでみてのお楽しみです。
というわけで、女子校に通う女の子が憧れの上級生にくすぐられる状況に萌え萌えな方、そして、女の子同士の仲の良い姿に萌え萌えな方には、特におすすめです。
ちなみに、第3巻は年内発売予定だそうです。
第3巻で描かれるはずのエトワール選第3選、私としては「カップルの一人がライバルに全身をくすぐられながらパートナーとの秘密を守る」みたいな内容だったらいいなぁと思うのですが、さすがに世の中それほど甘くないのでしょうね……多分。
(2006/9/18)
……というのが、第2巻を読んだ段階の状況だったのですが、第3巻に目を通した所、P70にまたまたくすぐりシーンが含まれていました。
今回もくすぐられる子は渚砂ちゃん。そしてくすぐる子は玉青ちゃんです。
何やら思いつめた様子で一人荷物をまとめている渚砂ちゃん。どうやら彼女、いちご舎から出て行こうとしているようです。
そこへかけつけた玉青ちゃん。なんとか渚砂を引き留めようと、いろいろとまくしたてながら、渚砂に抱き付き、お腹あたりに顔をすりつけます。渚砂ちゃんが「くすぐったいよぉ」と言うと、玉青ちゃんは「もっとくすぐったくしてあげましょうか」と言いながら、今度は本当にあちこちをくすぐりだします。
くすぐられるのが苦手な渚砂ちゃんですが、汗だくで笑った後で何らかの心境の変化があったのか、「家出じゃなくて帰省」と言って誤魔化そうとするのをやめ、家出しようとしていた事を玉青ちゃんに打ち明けます。
思いつめて何かとんでもない事をしようとしている人がいたら、まずはくすぐってみると何かいい事があるかもしれない、という事でしょうか。
というわけで、女の子が同級生の女の子にくすぐられる状況に萌え萌えな方には、特におすすめです。
ちなみに現在、ストロベリー・パニック関連の商品としては、当サイトで紹介した小説やテレビアニメDVDの他に、コミックやドラマCDも発売されています。
コミックにはまだくすぐりシーンは出現しておりませんが、ドラマCDミアトル篇「お姉さまと下着そうどう」には、眠っている渚砂ちゃんが玉青ちゃんに羽でくすぐられ、飛び起きるシーンがあります。また、ミアトル篇の最後に集録されている「スピカ篇予告」では、光莉ちゃんがシャワー室で夜々ちゃんに手で身体を洗われてくすぐったがるシーンがあります。
ドラマCDスピカ篇「お姉さまと身体測定」では、ラスト付近に光莉ちゃんが夜々ちゃんの手と下級生の奧若蕾ちゃんの全身で身体を洗われたりします。予告篇のように「くすぐったい」とは誰も言わないのですが、かなりくすぐったそうな状況です。
映像は見えなくても、女の子がくすぐったがる声を堪能したい方にはおすすめです。
(2007/1/16)
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