小説作品紹介

千里眼 洗脳試験

(tanaさんからの情報)

『洗脳試験』だったと思います。
映画、ビデオ等で有名になった『千里眼』シリーズの完結篇?(第4部)の相当します。
大きい書店に行けば大抵あります。
主人公の岬が悪玉の罠にはまり、万歳直立不動の体制で水をかけられ、口にガムテープを張られ、2足歩行ロボットに全身をくすぐられます。
状況としては、机の上で爆弾を両手で支えています。
すこしでも動かせば約4千人が吹っ飛ぶ状況です。
笑い声をスピーカーで大衆に流されたりし、いいように遊ばれていました。
服装はノースリープ、デニムタイトスカートとなっていました。


(ミニメロンによる確認結果)

貴重な情報をありがとうございました。
『千里眼』シリーズは、『千里眼』に始まり、『ミドリの猿』『運命の暗示』『洗脳試験』と続いており、シリーズに登場する主要人物のうちの何名かは『千里眼』の前に書かれた『催眠』という小説に最初に登場しています。
シリーズ最終巻である『洗脳試験』の中に、確かにくすぐりシーンがありました。しかも、その状況の描写も数ページに渡っております。

くすぐられる岬美由紀は元自衛隊パイロットのカウンセラーで、そのずば抜けた経歴については『千里眼』巻末の「『千里眼』用語の基礎知識」にまとめられています。
そして、悪玉の女性もまた元カウンセラーなのですが、『千里眼』において空港のレーダーを混乱させるための大掛かりな装置を作るなど、ハイテクにも相当精通しています。
ロボットに岬をくすぐらせる事によりあのような状況の岬をあれほど激しく笑わせるという芸当は、まさに「人間はどのような刺激をくすぐったいと感じ、時間経過による慣れを防ぐ為にはその刺激パターンをどのように変化させなければならないのか」といった心理学的(?)な知識とロボットのプログラミング知識の両方を持つ彼女だからこそ可能であったと言えるでしょう。
彼女の持つ知識を以ってすれば、くすぐりマシーンの実現も夢ではないかもしれませんね。

著者が臨床心理士でもあるためか、作品の中で起こる様々な現象や人間の不可解な行動のほとんどについて、心理学に基づく説明が登場人物によってなされます。しかし、くすぐりシーンの中で、悪玉が古代ローマで行われていたくすぐり拷問の記録に言及した時、くすぐられて気がヘンになった事を表す病名はなく、病名を付ける必要もないと言っています。くすぐりに関しては現代の心理学においても説明できず、研究テーマにもなりえないという事なのでしょうか。という事は、くすぐりマシーン実現の為に必要な技術は作品の中の悪玉の女性だけのものであり、実現の可能性はまだ遠いという事なのでしょうか。

それにしても、古代ローマでくすぐり拷問が行われていたという事は、この本を読んで初めて知りました。実際にどのように行われていたのか、くすぐりマシーン実現の暁には再び行なわれるようになるのか、とっても興味深いですね。


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