俺はH2O。水分子だ。俺は今自動販売機に入っているペットボトルのメロンソーダの中にいる。誰かに買われ、飲まれることを待ちながら、じっとしている。
「ピッ」「ガシャッ」おっ。俺のいるメロンソーダを買った人が現れた。さて、どんな人に飲まれるのか、見てみよう。
おっ、か、可愛い。その女の子はブレザーに、灰色のスカートを履いていた。きっと高校生だろう。俺、この女の子の体に入れるんだ。想像しただけで体がうずくぜ。
女の子はきれいな指でペットボトルのふたを開け、ペットボトルの中のメロンソーダ、そして俺を飲み始めた。ああ、神様、まじでありがとう。
俺は女の子の口、食道を通り、胃にたどり着いた。
胃液で栄養が分解されている。俺は分解されないけど。
その後、胃を通り過ぎ、腸に向かった。
なんか眠くなってきたな…ウトウトしてきた。…zzzzz
目が覚めたら、俺は血管にいた。
血管の中を俺は流れている。出口はどこだろうな…
ん、あそこに出口らしきものが。入ってみよう。
入った先は、腎臓だった。そして輸尿管を通り、たどり着いた先は…
で、でっけーっ!
ピンクの壁にところどころ血管が浮き出ている大部屋だった。そう、いわゆる膀胱である。
それにしても可愛い顔をしている割に、大きい膀胱をしてるな。ギャップに萌えるな。
…そうもしているうちに、俺はあるたくらみを思いついた。
この膀胱という、巨大な敵に、立ち向かいたい。
この膀胱を俺たち水でいっぱいにして、苦しめて、屈服させたい。
俺は相手が強ければ強いほど、燃えてくるタイプだ。
この膀胱が巨大だからこそ、こいつを倒したい。そう思うのだった。
俺は女の子の体中の水に呼びかけた。「膀胱に集まれ!」と。
すると輸尿管の穴から新たなる水が入ってきた。その水は俺に「どうしたんだ?」と聞いた。
俺は「この膀胱を屈服させたいんだ…」とその水に言った。その水は、「いいな、やろうぜ、もっと」と俺に返した。
現在俺たち水の容量。容量1673mlの膀胱中500ml。
だが、膀胱はまだ余裕という感じだ。
時間がたつと、さらに水が輸尿管からやって来た。
新しく入ってきた水に俺は「お前はもともとどういう飲み物の水分だったんだ?」と聞いた。相手は「コーヒーだ」と答えた。「へえ、俺はメロンソーダだぜ」と俺は返した。
だいぶこの膀胱もにぎやかになってきたな。膀胱も少し余裕が消えてきたみたいだ。
現在俺たち水の容量。容量1673mlの膀胱中1000ml。
さらに水が輸尿管から飛び出した。もう膀胱もブルブル震えている。
膀胱よ、「スイミー」って物語を知っているかい?
小さな魚たちが集まって大きな魚を形作り、大きな魚を撃退した話だ。
水は一つ一つは弱く小さな存在だ。しかしその水が力を合わせると、強い敵も倒すことができる。俺たち水をなめんじゃねえぜ。
現在俺たち水の容量。容量1673mlの膀胱中1500ml。
もう膀胱は屈服寸前だ。でもあと少し。もう少しで決壊できる。もう少し水が入ってくれれば。
すると、輸尿管から、とどめを刺す水がやってきた。これで満タンだ。
さて…膀胱よ…とどめだ!俺たちは膀胱に強力な圧力をかけた。
すると膀胱は痙攣しだし…
水門が開いた!
俺は短い尿道という管を通り、パンティの縫い目を突き破り、黒いブルマの縫い目を突き破り、青い体操ズボンの中を流れ、灰色のスカートの中から出て、黒いハイソックスを伝い、床に落ちた。俺たち水仲間は、次々と白い床に広がった。
やった、巨大な膀胱に勝った。俺たち水は床で勝利のハイタッチし、泣いている可愛い女の子を指さしてせせら笑った。
その後、俺たちは雑巾で拭かれ、水道に流された。それにしても、巨大な膀胱を力を合わせ屈服させることができるなんて、超最高だぜ。
また、ドリンクになって女の子の体に入って、膀胱を決壊させてやりたいぜ。と思った俺だ。
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