「美少女アニメ」というジャンルを世間に定着させる事となった、あの有名なアニメシリーズ「くりいむレモン」。
その中で、厳格なカトリック系の学園を舞台に繰り広げられる淫らな宴を描いた「エスカレーション」シリーズのノヴェライゼーション版です。
片思いの家庭教師に甘い期待を裏切られたショックが元で、全寮制のカトリック系女子学園に転入する事になった小松崎リエ。
彼女は生徒会長の早川なおみに人目惚れしてしまいます。
そして、なおみの方もリエに興味を持ち、接近します。
やがて寮で同室となった二人。
そこにクラスメイトの碧が加わり、妖艶な性の宴が繰り広げられます。
もともとはフェアリーダストのアニメ作品なので、もちろんビデオの方も存在します。
また、アダルトシーンに関しては、やはりフェアリーダストから出ているCDーROMに収められています。
でも、ミニメロンは個人的に小説が一番気に入っていたりします。
倉田先生は、この他にもいくつかのアニメビデオノヴェライゼーションとオリジナル作品を手がけていらっしゃいますが、それらの作品に共通して言えるのは、感じる女性の心と身体が美しく描写されているという事です。
他の作家のポルノ小説などでは卑猥な単語、ロコツな単語がズラリと並べられていたりする事がありますが、倉田悠子作品にはそのようなものは存在せず、あくまでも奇麗な言葉を駆使する事によって全てが表現されています。
だからこそ、女子高生たちの淫らな夜を濃厚過激に描いたこの作品にも、生臭い雰囲気は微塵も感じられません。
一時期信じられないスピードで小説を発表していた倉田先生ですが、今は新作の気配もなく、過去の作品も本屋の店頭には並ばなくなってしまいました。
さらに不思議な事に、倉田悠子先生の作品のうち、この「エスカレーション」を含むいくつかの作品は、ある時期を境にして、富士見書房の目録からタイトルごと抹消されてしまいました。
あまりにも刺激が強すぎたために、どこかの団体との間でもめごとがあったのか、それとも富士見書房とフェアリーダストとの間で著作権に関するやりとりがあったのか、よく分かりません。
とにかくこの作品は、運よく昔買った人だけがその存在を知りながら、今では出版元にすら忘れ去られた幻の本となってしまったようです。
どうしてこうなってしまったのか、情報をお持ちの方は連絡して頂けると嬉しいです。
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