コスキージャス作品

メルヘンワールド大戦争

「おい。聞いたかい?」
「何だよ突然。?」
浦島太郎が桃太郎の家に挨拶のなしで飛び込むとこう切り出した。
「かぐや姫がさらわれたらしい。」
「えー。何時一体誰に?」
「昨日の夜中のことらしい。じいさんとばあさんも気がつかなかったらしい。ただかぐや姫の部屋にばあさんが行ってみるともぬけの空で、争ったあとがあったらしい。俺が聞いたのはそこまでだ。」
「又鬼が島の鬼が動き出したのかなあ?」
「たぶん違うでそれは。」
金太郎がやってきた。
「おう。金太郎じゃねえか。どうしたい?」
「いやさらわれてるのはかぐや姫だけちがうで。シンデレラや白雪姫オデット姫といった奇麗どころがみんなさらわれていってるらしい。」
「一体誰の仕業なんでい?」

童話の国は大騒ぎ、さっそく緊急会議を開かれた。しかし一体誰が何の目的でやっているのかが解らない。そこで偵察隊を出すことになった。
空からはピーターパンと孫悟空、海では人魚姫、川では河童、あとはみんなで捜索した。
時間だけが経過するが一向に解らない。山こて谷こえやがて孫悟空はあまり童話の国の住民が近づこうとしない山岳地帯のある古ぼけた山城を見つけた。

「おまえがかぐや姫か?」
「あなたたちは誰です?帰してください。」
「そうはいきません。かぐや姫あなたはさんざん男をその気にさせておいてわざと無理難題を男達に押しつめ、結局すべての男をふって、育ててもらった老婦まですてて月へと出て行きました。その罪許せませんよってお仕置きをします。」
「そんなごむたいな。助けてください。」
「そうは行きません。あなたにふられた男達の恨みをはらします。」
「え?何をなさるの?」
「だからお仕置きです。依頼人からはかわいそうだから体に傷をつけないようにと頼まれましたので、考えた結果こちょこちょの刑にします。」
「そ、そんなー。わたくしはものすごいくすぐったがりなのです。」
「そんなこと聞くとなおさらくすぐり責めにしたくなりました。」
「ちょ・ちょっとやめてください。」
かぐや姫は十字架に縛り付けられ、身動きができなくなりました。
するとなぞの男の命令すると後ろの壁から無数の手が現われかぐや姫の着物の中へ侵入して脇の下、脇腹、脚の付け根、足の裏、耳の後ろをくすぐり始めた。
「ぎゃー。やめてー。ほほほほほほほほほほほほほ。きゃーはははははははははははお願いそこだけは障らないでーきゃーーーーーーはははははははははは。」
かぐや姫は童話のヒロインとは思えない形相で笑いつづけた。
「あはははははははははは。だめーほほほほほほほほほほほほほお願いやめてーははははははははははははは。」
「どうです。もう男をだましたりしませんか?」
「ははははは。はあはあはあ。そんなこといったってそういうお話なんだからしかたないでしょ?」
「まだ言いますね?」
「きゃーーーーー。きゃははははははははは。きゃはははきゃはきゃははははははははいやーんお願いもう許してはははははははは。もうさわらないでーははははははあ・ああーんだめーんうふふふふふふふふふあはーーんいやーんくすぐったーいんうふふふふふふふ。」
だんだんかぐや姫の目がとろんとなってきた。
「ばかやろう。気持ちよくさせてどうする。笑い殺すぐらいに笑わせろ。」
「いやーん。きゃーはははははははははははははははやめてーぎゃははははははははもう許して謝るから私が悪かったから許してあ、あははははははははははははは」

「大変です。大王様。」
「なんだどうした。」
「メルヘンワールドの連中が大挙してこっちへ向かってきます。」
「何ー。こしゃくな。全員戦闘配置につけ。」

そのころ桃太郎を総大将にメルヘンワールドの義勇軍がなぞの山城を取り囲み、戦闘準備にかかっていた。
「おい誰だか知らんがかぐや姫や白雪姫を返せ。」
「なにを猪口才な。わしを誰と心得る?」
「知らんわい。誰やねんおまえは?」
気の短い金太郎が怒鳴った。」
「冥土の土産に教えてやろう。わしは世のもてない君の依頼であらゆる世界のヒロインをお仕置きする”くすぐり大王”様だ。」
「な・なんだとこの変態やろう。すると何か?かぐや姫もおまえの魔の手にかけたのか?」
「そうだ。何ならビデオにして1本5,000円で売ってやろうか?その辺のくすぐりビデオよりいい出来だぞ?」
「売ってくれ。いや違ったおのれ許せん。みんな攻撃開始。」
桃太郎の一声で戦いが始まった。
古ぼけた山城とはいえ防御は硬かった。
しかしやがて一寸法師がこっそり城の中に忍び込んで、門を開けた。
いっせいに桃太郎軍が攻め入った。
「どこだ。姫たちはどこへ閉じ込められているんだ。」
あせる桃太郎。
やがて地下牢の入り口を見つけ中に入った。
下へ行くにしたがってやがて女のうめき声が聞こえる。
「ん。誰かいるぞ。」
やがて地下牢にたどり着いた。
そこではシンデレラや白雪姫・オデット姫らがくさりでつながれていた。
「大丈夫か?今助けてやるからな。」
姫たちは目がとろんとしてぐったりしている。
「しっかりしろ。おいピノキオ、ジャック、アラジンおまえ達は姫たちを安全な場所へ連れ出すんだ。俺はかぐや姫を探す。」
「はい。解りました。」
更に奥へと進むと、より暗く不気味な洞窟が続いた。
そして見張りを倒して中に入るとまだかぐや姫はくすぐり責めにあっていた。

「あひゃはははははもうやめてもうやめてはあはあはあ。もういやーんはははははいやんいやんいやんやめてーんきゃっははははははははははははははははは。」
「おいかぐや姫今助けてやるぞ。」
「桃太郎さん早くたす・け・て・」
そのままかぐや姫は失神して気を失った。

かぐや姫を助け出した桃太郎は「くすぐり大王」とか言うやつを追った。
やがて最上階でくすぐり大王を見つけた。
「桃太郎よくここまでたどり着いたな。誉めてやるが、おまえもここまでだ。」
「それはこっちのせりふだ。変態大王勝負だ。」
「誰が変態だ。」
戦いが始まった。
くすぐり大王は意外と強い。
そこへ孫悟空や金太郎たちが加勢に現れた。
「ほう多勢に無勢だな。今日のところはこれでおひらきとしよう。」
くすぐり大王が窓から飛び出すとそのまま消えてしまった。
「なんなんだあいつは?」
「さあ。逃げられたが、何とかかぐや姫たちを取り戻した。帰ろうか」

こうしてメルヘンワールドの大事件は終わった。
しかしくすぐり大王は存在しています。
今度はどこへ現れることやら・・・。

終わり


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