休み時間が終わる少し前、西山聡子は3時間目の授業で使う国語の教科書がない事に気づいた。
机の中や鞄の中をいくら探しても見つからない。
かわりに、今日の授業では使わないはずの、歴史の教科書が出てきた。
――しまった。あたし、国語の教科書と歴史の教科書を間違えて持ってきちゃったんだわ。
しかし、そうと気づいても、あとの祭りである。
隣のクラスの友達に借りようか。
そう思った瞬間、3時間目の授業開始のチャイムが鳴っていた。
――しかたがない。授業が始まったら正直に先生に言いに行こう。
しかし、そう決めたところで、聡子の不安はおさまるどころか、さらに深くなっていった。
今は6月。
聡子がこの女子校に転入してから、まだ1ヶ月ほどしか経っていない。
その間、聡子のクラスの生徒はだれ一人として授業の用意を忘れた事はなかったのだ。
だから、聡子が教科書を忘れたと知った時に国語の先生がどう反応するか、誰にも分からない。
やがて、静まり返った教室にコツコツと規則正しい足音が聞こえ始め、ドアが開いた。
国語担当教師、高橋令子先生が入ってくる。
髪を短く切り揃えた若い美人教師である。
「起立。礼」
授業開始の号令がかかる。
「お願いします」
「着席」
生徒たちが着席すると、先生はてきぱきと授業の準備を始める。
「さて、前回の授業では……」
令子先生が教科書を開いている間に、聡子は一人、教室の前へと向かう。
「西山さん、どうしたのですか?」
前に出た聡子に気づいた令子先生が質問した。
「は、はい。私、教科書を忘れてしまいました」
「そうですか。教科書は大切なものですよ。分かってるのですか?」
「は、はい」
聡子はただ返事をするしかなかった。
「それを忘れたあなたには、お仕置きが必要ですね」
「は、はい」
聡子は思わず、そう答えていた。
それを聞いて、ニヤリと意味ありげな笑いを浮かべる令子先生。
「それでは、お仕置きの準備を始めましょう」
令子先生は聡子に制服の上着を脱ぐように言い、教室の前の方に座っていた生徒4名を前に呼び寄せた。
そして、他の生徒には原稿用紙を配った。
ブラウス姿となった聡子は、令子先生によってカカシのように両腕を横に広げさせられた。
前に出て来た生徒のうち二人が聡子の右腕を、残り二人が左腕を手で掴む。
「4人とも、西山さんが腕を閉じないように、しっかりと持ってるのよ。もしも西山さんが途中で腋の下を閉じてしまったら、あなたたちも彼女と同じ目にあいますからね。それから他の人たちは、今からどんな事が行われたか、西山さんの様子はどうだったか、詳しく記録するのです」
聡子の両脇の4人と席に座る生徒たちにそう言うと、令子先生は聡子の背後につき、耳元で彼女に言い聞かせた。
「これからあなたが教科書を忘れた事を本当に反省しているかどうか試してあげます。もしもあなたが反省しているのなら、『私は大切な大切な国語の教科書を忘れてしまいました。だからこうして高橋先生のお仕置きを受けています。わたしは高橋先生のお仕置きをうけながら、私の犯してしまった罪を深く反省しています。もう二度と教科書を忘れてくるような罪は犯しません』と20回言いなさい。反省しているという事が先生に分かるように、笑ったりせずに真剣な表情で正確に言うのですよ」
言い終わると、令子先生は10本の指先でブラウスの上から紀子の左右の腋の下を意地悪な手つきで撫ではじめた。
「い、いやぁ、きゃ、ひゃぁはははははぁ、くすぐったぁーい!!」
聡子はブラウスを通してくっきりと伝わる令子先生の指の妖しい刺激にたまらず大声で笑い始めた。
身悶えながら必死に腋を閉じようとするが、彼女の腕を掴んでいる4人の女子生徒はそれを許さない。
「先生お願い、きゃははは、お願い、あははは、もうやめて、きゃははははぁ」
しかし、令子先生は意地悪な指の動きを止めようとしない。
「西山さん、先生の言った事が理解できなかったのですか。今言った事が実行できなければ、いつまででも続けますよ」
「そ、そんなぁ、きゃ、きゃぁはははははーっ、ああっ、はははははぁ〜〜〜」
聡子はあまりのくすぐったさに、まともに口をきく事ができない。
しかし、それでも令子先生の指は聡子の敏感な腋の下を容赦なく刺激し続ける。
先生の言うとおり、あの言葉を20回言うまで、この刺激から逃れる事はできないのだ。
聡子は意を決してその言葉を言いはじめた。
「わ、わたしは、きゃははぁ、大切な、きゃははぁ、大切なぁ、きゃははははぁ」
笑いながらも必死に言葉を絞り出す聡子。
しかし、令子先生は納得しなかった。
「西山さん、笑いながらそんな事を言っても、だれも反省しているとは思わないわ。もう一度最初から言い直しなさい」
「そ、そんなぁ、ははは、きゃははははははぁ」
自分を激しい刺激から開放する呪文を必死に唱えていた聡子は、それが全く無駄になってしまった事に絶望し、再び激しい刺激の波に押し流されていた。
このくすぐったさの中で、あのような長い言葉を途中で笑う事なく20回も言うなど、とても可能とは思えなかった。
それに、こんな事をいつまでも続けていれば、授業をまるまる1時間つぶす事になる。
そんな事を先生がするはずはない。
そう思った聡子の心を読んだかのように、令子の声が聡子の耳に飛び込んできた。
「西山さん、何をしているのですか。早くあの言葉を言わなければ、いつまでたってもやめるわけにはいかないわ。この学校は忘れ物をした生徒にはとっても厳しいの。他の生徒たちは、作文を書く事によって、ちゃんと国語の勉強をしているから、授業をつぶしているわけじゃないのよ。それに、この授業中にあなたが反省しなかったら、今度は保健室でもっともっとハードなお仕置きが待ってるのよ」
「そ、そんなぁ、く……んんっ……、くはぁはっはははははははぁ〜〜」
聡子は再びあの言葉に挑戦しようと必死に笑いをこらえようとする。
しかし、腋の下の刺激は彼女のそんな努力を一瞬にして粉砕する魔力を持っている。
それでも先生の指がその居場所を変えなかった事が幸いして、しばらくして聡子はようやくなんとか笑いをこらえる事ができるようになった。
「私は……くうぅんんっ……大切な……むんんっ……大切な……んぁっ……国語の……むっ……くぅぅ……教科書を……んんっ……忘れてしまいました」
聡子は腋の下から吹き込み全身を震わせる猛烈な嵐に必死に耐えながら、先生から言われた言葉を唱えていた。
「……教科書を……あうっ……忘れてくるような……むんんっ……罪は犯しません」
やっとの思いで1回目を言い終える事ができた。
「よくできたわね。その調子であと19回続けるのよ」
令子先生は、聡子の身体をもてあそびならが言い放った。
あと19回。
聡子にとって気の遠くなるような言葉だった。
しかし、彼女を襲い続ける嵐から開放されるには、言うしかないのだ。
聡子は2回目を唱えはじめた。
「私は……くぅっ……大切な……んんっ……大切な……」
しかし、その時、無情にも令子先生の指先がその居場所をわずかに下の方へ動かした。
まだくすぐりを経験していない新たなポイントに激しい刺激が加わる。
それだけで、聡子の敏感な体は耐えられなかった。
「んんっ、うっくうぅっ、んっははははははぁ〜〜」
ついに聡子は再び激しい笑い声をあげてしまった。
「何を笑っているのですか。ちゃんと反省していないようですね。もう一度1回目から言い直しなさい」
やっとの思いで1回目を言い終えた聡子にとって、それはあまりにも冷酷な言葉であった。
その聡子をさらに打ちのめすかのように、令子先生の指は、腋の下から脇腹、腰、腹と、激しく動き回る。
指の当たった部分を強く押して体の奥深をビリビリと小刻みに震わせながら神経に激しい刺激を与えたかと思うと、ある時は爪で体を大きくなぞり、ある時は複雑な動きで一個所を責める令子先生の指先に、聡子はもうなすがままになるしかなかった。
「きゃはは、くぅん、いやぁ、はははははははははははぁ」
狂ったように笑い声が迸るのを、もうどうしようもない。
笑いつかれて声を出すのも辛いのに、体は令子先生の執拗な指の悪戯に勝手に反応し、身悶えている。
聡子を激しく責め続ける令子先生の指は、どこをどのようにくすぐれば聡子が我慢できないかを的確に覚え込んでいた。
腋の下から腰にかけていくつも存在する我慢できないポイントを、我慢できないやり方で集中的に責められてはたまらない。
「もうやめて、お願い、もうだめぇ、ああん、あたしもう狂っちゃうわぁ、きゃははははははははぁ」
聡子は狂ったように笑い続けた。
やがて喉も体も疲れ果て、頭が朦朧としてきた。
そして、間もなく目の前が真っ暗になった。
授業終了まで残り数分となっていた。
猛烈な尿意によって、聡子は目覚めた。
保健室のベッドの上だった。
「ああっ」
聡子は思わず悲鳴を上げた。
いつの間にか体操着に着替えさせられており、手足は大の字に大きく広げられて、ベッドの端に固定されている。
「西山さん、気分はどう?」
白衣姿の保健教師の松崎エリカ先生のにこやかな顔が、聡子の不安に震える顔を覗き込んだ。
彼女も令子先生に負けない美人教師である。
「あ、あの、あたし……」
聡子は自分を追いつめる自然の欲求と戦いながら、その恥ずかしい事実を口にする事はできなかった
膀胱は固く張り詰め、中の意地悪な熱湯は聡子の恥ずかしい女の子の部分を責め嬲る。
じっとしようとしてても身体は勝手に反応し、腰がもじもじと動いてしまう。
その動作をエリカ先生は見逃さなかった。
「ふふふ、可愛らしい女の子が腰なんか振っちゃって、どうしたのぉ?」
エリカ先生の恥ずかしい質問に、聡子の頬が赤く染まる。
「な、何でもありません」
恥ずかしそうに目を閉じ顔をそむける聡子。
しかし、そんな聡子の様子を気に入ったのか、彼女の尿意は容赦なく彼女の女の子の部分を責め続け、彼女にベッドに固定されたままの恥ずかしい腰振りダンスを強要していた。
「そう言えば、もう点滴がなくなっちゃったわね」
エリカ先生は、聡子の腕につながれた点滴を交換する。
空になった点滴の袋はかなり大きい。
そして、それと同じくらいの袋にたっぷりと透明な液体の入ったものをチューブにつないだ。
「どう? 2リットルの水で薄めたカフェインよ。このカフェインは、体中の神経を敏感にして、腎臓の活動を活発にするの。どんな気分かしら?」
「う、んぁっ」
聡子の尿意がさらに激しくなった。
腰が大きく動いてしまう。
「隠したって無駄よ。もうすぐあなたがどうしたいのか、はっきり分かってしまうもの。そしたら、あたしがこのカメラでそれをはっきりと写してあげるわ」
エリカ先生は、彼女の全身を写す事のできる位置で、カメラを構えていた。
「そ、そんなぁ、先生、いやぁ」
聡子は激しく身悶える。
せめて足を閉じあわせ、今にも噴出してしまいそうなオシッコを必死に食い止めている女の子をしっかりと護ってあげたい。
しかし、身体を固定しているロープは、それを許してはくれない。
「もうだめぇ、ああん、ああっ」
しきりに悲鳴をあげる聡子。
「西山さん、何がだめなの? 今、あなたはどうしたいの?」
エリカの歌うような声が聡子をさらに身悶えさせる。
「あ、あたし、お、オシッコがしたいのぉ。お願い、トイレに行かせてぇ〜」
ついに聡子は思わず恥ずかしい悲鳴をあげてしまった。
「だめよぉ、あなたみたいな可憐な乙女がオシッコなんて言葉使っちゃ。罰として、もうしばらくこのままにしておいてあげる」
「そ、そんなぁ……ああっ、もう……だめぇ……」
「西山さん、可愛い顔して、腰のあたりの動きがとっても大胆ねぇ」
エリカ先生は、聡子の願いをかなえようとはしない。
「ああっ、オシッコ漏れちゃう、お願い、トイレ、トイレ〜」
聡子の口から、女の子が口にしてはならない恥ずかしい言葉が迸る。
ますます激しくなる聡子の身悶えを、エリカ先生はファインダーの向こうで楽しんでいる。
「も……もう……あたし……ああっ……もうだめよぉ……あああぁぁぁっ!!」
激しい悲鳴と共に、恥ずかしいシャワーの音が保健室に響いていた。
聡子の赤いブルマーが黒っぽく染まり、縁から恥ずかしい水が吹き出している。
みるみるうちに広がっていくベッドの上の染み。
何度も部屋を照らすフラッシュ、そしてシャッターの音。
エリカ先生は、聡子の絶対にだれにも見られてはならない恥ずかしい秘密の全てをカメラに収めていた。
聡子はベッドに固定されたまま、泣き続けていた。
「西山さん、いつまで泣いてるの。女の子は泣いている顔よりも笑ってる顔の方が可愛いわよ。さあ、笑ってちょうだい」
エリカ先生は、甘い声音で聡子をなだめる。
しかし、聡子はただすすり泣くばかりであった。
「そう。どうしても笑わないつもりね。それじゃ、こうしたらどうかしら?」
エリカ先生の両手の指先が、聡子の左右の脇腹を、ツツーッとなぞった。
それだけで、聡子の身体は敏感に反応した。
「ひ、ひやぁっ!」
思わず悲鳴を上げる聡子。
ただでさえくすぐりには弱いのに、カフェインで敏感になった神経をそんなふうに刺激されてはたまらない。
しかし、聡子の悲鳴など聞こえないかのように、エリカの指は聡子の体操服の上を滑り続ける。
その指は、聡子の敏感な部分を確実に通過し、聡子に猛烈な刺激を与えていた。
「あなたの身体のどこが弱いか、高橋先生からよーく教わったわ。どう? これでもまだ泣いていられるかしら?」
エリカの指の動きはさらに意地が悪くなっていく。
「んひゃっ、きゃはははははははははははぁ、あー、もうやめて、お願い、うひゃはははははは、もうダメ、やめてお願い、あたし狂っちゃう、ひゃははははははははぁ、助けてぇ〜」
聡子はエリカ先生の指による激しい刺激に、狂ったように笑いながら助けを求める。
しかし、いくら聡子が大声で叫んでも、指の動きは止まるどころかますますエスカレートし、聡子の神経を妖しい刺激の嵐へと追い込んでいく。
エリカ先生の指から逃れようと身をよじると、それを待っていたかのように、新たな部分を指が這い回り、激しい刺激が加えられる。
皮膚に強く食い込んで神経を小刻みに震わせたかと思うと、軽いタッチで身体を這い回る意地悪な指先。
聡子は今日まで、くすぐりというものがこれほどまでに辛く苦しいものだとは思ってもみなかった。
過去に友達にくすぐられた事がなかったわけではないが、どんなに長くても1分以内の短い時間であったため、なんとか我慢する事ができたのだ。
その刺激を数十分に渡って受け続けるという事がどれほど辛いことか、聡子は今日初めて思い知る事となった。
しかもその刺激がいったいいつまで続くのか、全く分からないのだ。
聡子にとって永遠とも思える、くすぐったくてたまらない時間。
聡子の身体は意志とは関係なく、エリカ先生の指に勝手に反応し続けた。
「きゃははははぁっ、ああっ、もうダメェ!!」
聡子は突然大きく身体を震わせたかと思うと、そのままぐったりと動かなくなった。
「あらぁ、聡子ちゃんったら、気絶しちゃったわ。なんて敏感な子かしら」
くすぐりの手を止めて、汗と涙で濡れた聡子の顔を見下ろしながらそう呟くと、その目を廊下に通じるドアの方へ向けた。
「美香ちゃん、そこにいるのは分かってるのよ。もう大丈夫だから入っておいで」
ドアはすぐに開いた。
「なぁんだ、ばれてたのかぁ」
可愛らしい顔をした小柄な少女が入ってきた。
「当たり前よ。それよりも、授業をサボっちゃって、大丈夫なの?」
「平気平気。それよりも、先生、さっき、この子の写真とってたわよね。ドアの隙間からじゃ、よく見えなかったけど、この子のどんな写真とったの? そういえば、この子のはいてるブルマー、ぐっしょり濡れてるわ。いったいどうしたの?」
美香はその答えを知りながら、大きな目を輝かせ、わざとらしく質問した。
「ふふふっ、それは生徒のプライバシーだから、簡単には教えられないわ」
「それじゃ、先生を拷問にかけちゃおうかな」
「だめよ。今は授業中でしょ。早く教室に戻りなさい」
「ふふっ、先生、本気で言ってるの?」
美香はエリカ先生の身体にぴったりと寄り添い、エリカ先生の背筋に指を滑らせている。
そのゾクゾクするような刺激に、エリカ先生の息が次第に荒くなる。
心では否定していても、身体は美香のどうしようもなくくすぐったい指を強く望んでいるのだ。
ついにエリカ先生は執拗な指の誘いに耐えられなくなった。
「もう……美香ったら本当に意地悪なんだから……」
「どう、先生。あたし、とっても上手でしょ」
聡子の隣のベッドに聡子と同様に体操着姿で身体を固定されたエリカ先生の脇腹に、美香の軽やかな指先が滑る。
「ああっ、きゃはははは、お願い、もうやめてぇ、ああっ、きゃははははははははぁ」
エリカ先生は、無数に散らばる我慢できないポイントを刺激されて狂ったように笑い続ける。
「うふっ、先生ったら、とっても敏感なのね。あたしの方までくすぐったくなってきちゃうわ」
そう言いながらも、美香はエリカ先生が美香の攻撃に慣れる事ができないように、手を滑らせるコースを少しずつ変えていく。
「きゃははははぁ、お願い、助けてぇ、ははははははははぁ、もうやめてぇ!!」
美香の意地の悪い指の動きに、エリカ先生はただ翻弄されるばかりだった。
「それじゃ、さっきの、この子のプライバシーとやらを教えてくれるのね」
「そ……それはダメよぉ、きゃははははははははは」
美香はエリカ先生の左右の腰のあたりに指を食い込ませ、奥の神経を震わせるように刺激する。
「ああっ、だめぇ、あたしそこ弱いのぉ! あはははははははははぁ!!」
エリカ先生の笑い声が一段と高くなった。
「そう。ここが弱いのね。たっぷりかわいがってあげるわ」
美香は勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、魚のように跳ねるエリカ先生にとどめの攻撃を加え続ける。
「ああっ、もうだめぇ。分かったわ。言うわ。言うからもうやめてぇ!!」
「えっ本当? 嬉しい。それじゃ、さっきの写真にはあの子のどんな姿が写ってるの? どうしてあの子のブルマーは濡れてるの?」
美香の手は止まっていなかった。
あくまでも聡子先生の口から秘密を聞き出すまで、執拗に攻撃を続けるのだ。
「きゃははははぁ、聡子がおもらししてる姿よ。聡子のブルマーが濡れてるのは聡子がおもらししたからなのよっ!」
そこまで言った時、ようやく美香のくすぐりの手が止まった。
美香は汗にぐっしょりと濡れたエリカ先生の顔を見下ろした。
「先生ったらもうホントに弱いのね。始めてからまだ3分も経ってないのに。くすぐりに耐える訓練もかねて、4時間目が終わるまでくすぐっててあげるわ」
「そっ、そんな!!」
4時間目が終わるまで、あと15分ほどだ。
たった3分たらずの間にエリカの口から秘密を聞き出した美香の巧みな指に、あと15分も耐えるなど、気の遠くなるような話だった。
しかし、身動きのできないエリカ先生に選択の余地はなかった。
美香の指が、再びエリカ先生の敏感な場所に無遠慮に襲い掛かる。
エリカ先生の狂ったような笑い声と悲鳴が絶え間なく続いていた。
昼休み、濡れたブルマーを履き替え、再び制服を着て教室に戻った聡子の席を、数名の女子生徒が取り囲んでいた。
「あんた、さっきの授業、ほとんどまるまる潰しちゃったじゃないの。あたしたちの大切な授業の時間を、いったいどうしてくれるのよ」
彼女たちの中の一人、小柄な身体と可愛らしい顔と気丈の強い性格を併せ持つ女子生徒、桜井美香が聡子を問いただした。
「それは……」
聡子には答えようがない。
もう過ぎてしまった時間をどう取り戻せというのだろう。
それに、彼女たちは国語の時間が1時間潰れた事を本気で惜しんでいるのだろうか。
確かにこの女子校は優等生が揃った名門校であるが、それにしても彼女たちが生徒のお仕置きのために授業が1時間潰れた事を惜しむほどの勉強好きだとは思えない。
「まあ、過ぎてしまった時間は取り戻せないわ。だから、せめてこれからこのような事をしないようにする事ね」
「え、ええ。私が忘れ物をしなければ……」
「そうではないわ。あなたが忘れ物をしても、くすぐられながらちゃんと反省の言葉を言うことができれば授業が潰れるような事はないのよ。あなたは、くすぐりに耐える訓練をする必要があるわね」
美香が合図すると、彼女たちは一斉に聡子の両腕を掴んで席から立たせた。
「な、何するのよ」
聡子はあっという間に制服の上着を脱がされてしまった。
さきほどの授業と同じように、両腕を掴まれ左右に広げられてしまう。
「何もしないわ。ただ、あたしの質問に正直に答えてくれたらの話だけど」
美香は聡子の耳元で、意地悪な口調で呟いた。
「質問って……」
「さっき、保健室で松崎先生に写真を撮ってもらったでしょ。あなたのどんな場面を写した写真なのか、正直に言ってみてくれない?」
「あなた、まさか……」
聡子は何かにおびえるような形相で美香の顔を見つめた。
「ふふっ、あたし聞いちゃったの。松崎先生も、あたしのくすぐりにはとっても弱いのよ。あなたが気絶していたすぐ近くで、あなたの秘密を大声で叫んでたわ」
「そ、そんな……」
「でも、あたしはだまっててあげる。それでもって、聡子ちゃんをたっぷり可愛がってあげる。自分の口からあの恥ずかしい秘密をみんなに告白するまでね」
「い、いやぁっ!!」
聡子は悲鳴を上げた。
それと同時に、美香は聡子の脇腹に指を滑らせた。
それだけで、聡子の身体が魚のようにピクピクと跳ねる。
「どう? あたしの指のお味は。高橋先生よりも、松崎先生よりも、ずうっとずうっといいでしょ?」
やがて美香の指が本格的に動き出した。
「い、いやっ、きゃはははははははははぁ、もうやめて、あたし、狂っちゃう!! ああっ、きゃははははははははぁ」
聡子はたまらず大声で笑った。
身をよじり身悶えながら、なんとか美香の指から逃れようとするが、数名の生徒に手を取られていては、その努力も無駄である。
美香の指に身体が勝手に反応し、ピクピクと跳ね上がるのをどうする事もできない。
まるで美香に触れられた部分が意志とは関わりなくうごめいているような感じだった。
その時、聡子は美香以外の手が聡子の太腿に触れるのを感じた。
その手もまた聡子の屈服させるべく、意地悪な軽いタッチで動いている。
そこにまた新たな手が加わる。
いつの間には、聡子の周りにいた生徒たちが全員聡子の身体をくすぐっていた。
首筋、脇腹、背中、腹、足、身体のいたる所をくすぐる無数の指が、聡子を嵐の中心へと一気に追い込む。
「うんぁっ、きゃはははははぁ、みんな、んぁっ、どうしてぇ?」
「聡子ちゃん、ごめんねぇ。あたしたちも、あなたの恥ずかしい秘密とやらを知りたいのぉ」
彼女たちの一人が答えた。
それが誰であるのか、今の聡子には確かめる余裕はなかった。
「そっ、そんな……きゃははははははははははぁ」
次第に激しくなるくすぐりの波に、聡子はただ打ち負かされるばかりである。
「もうダメ、お願い、みんな、もうやめて、お願い、お願い、ああ……んんっ、もうダメェ〜」
もう聡子は限界だった。
その聡子にとどめをさすかのように、さらに激しい波が何度も聡子に襲い掛かる。
「お願い、分かった、お願い、言うからもうやめてぇ」
聡子はたまらずにそう叫んでしまった。
「それじゃ、大きな声で言ってごらん」
無数の手によるくすぐりはまだ続いている。
本当に聡子が秘密を告白するまで続けるつもりなのだ。
「あ、あたし、保健室でおもらししちゃったのぉ。はいていたブルマーがぐっしょりと濡れて、その恥ずかしい姿を写真にとられちゃたのぉ!!」
叫びながら、聡子の顔が真っ赤に染まった。
しかし、無情にもくすぐりの手はなおも止まらなかった。
「あらぁ、そうなのぉ。保健室でおもらししちゃうなんて、とっても悪い子ね。そういう子には、たっぷりとお仕置きしてあげるわ」
無数の手は、さらに激しく聡子の身体の上で暴れ周り、聡子の身体の中に大波を送り込む。
「そ、そんなぁ、きゃはっ、ははははははぁ、もうイヤァ、助けて、お願い、みんなもうやめて、きゃははははははぁ」
聡子はクラスメイト全員により交代で行われる激しいくすぐり責めに、昼休みの間ずっと悲鳴を上げ身悶えながら耐え続けていた。
次の日も、国語の授業があった。
しかし、彼女は国語の教科書を持ってこなかった。
授業開始の挨拶が終わると、聡子は先生の所へと向かう。
彼女の目は昨日とはうってかわり、妖しい期待に輝いていた。
「あのぉ、あたし、また教科書忘れてしまったんです」
「教科書は大切なものですよ。それを忘れたあなたには、お仕置きが必要ですね」
聡子は昨日とは別な4人の生徒によって、両腕を広げさせられた。
聡子は、やがて自分を存分に身悶えさせる妖しい刺激の嵐を、期待と不安の入り交じった複雑な気持ちで待ち受けていた。
―完―
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